味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

拙著『礼節のすすめ』の紹介---3.

2010-08-26 13:11:14 | ブログ

タイトル----拙著『礼節のすすめ』の紹介---3.第569号 22.08.26(木)

 ブログ第568号に続きます。

 稲葉修の父親は村上藩の御典医でした。母親も村上藩槍指南番の娘で、村上城落城に遭遇し大変な苦労を強いられました。稲葉修は手のつけられないヤンチャ坊主で、中学時代にストライキをやったり、校長をぶん殴ったりもしました。村上の大祭の時、校長に学校を休みにしてくれとお願いしたが、聞き入れられなかったため、生徒たちを扇動して同盟休講をしたりという諸々があって退学処分になりました。

 この時、稲葉を扇動した教師がいるということで反校長派の教師五人の首が切られました。そのため稲葉は学校新聞の号外を出し、生徒を村上城跡に集め、校長の家に殴りこみをかけると気勢を上げ、目茶苦茶に殴りました。校長派の教師たちも散々にやられました。

 兄弟たちは秀才ぞろいであっただけに父親は落胆したが、母親は、「修は偉い。忠臣蔵の大石内蔵助のようだ」と褒めたといいます。母親に褒められて発奮し、旧制山形高校に入学した稲葉ですが、今度は集団カンニング事件を起こし、一年で退学処分となりました。さすがの母親も、「お前は侍の子かえ」と、この時ばかりは涙を浮かべて叱ったといいます。

 そして三浪し、中央大学法学部に進学しました。ここで猛然と勉強し、法学部の教授になりました。その後衆議院に挑戦し、三度目に当選を果たしました。

 稲葉がことあるごとに口にしたのは、しつけです。文部大臣をしていた時、「教育の本当の目的は一に体力、二に人柄、三、四がなくて五に頭を鍛えることだ」と言ったとのこと。学力偏重、有名大学が日本の教育をおかしくし、それが拝金主義につながるのであると説くのでありました。

 そして贅沢は敵だ、とも言いました。また長幼の序の大切さを主張し、確固たる主義主張を秘め、毅然たる態度を取らなければならないと説きました。そういう稲葉修という政治家がいたということを村上の人々は誇りにしているといいます。

 このように為政者は、後々お手本となるべくその職を全うすることが大事であり、拝金思想の黴菌を撒き散らすような行動は礼節に背く行為であり、厳に慎むべきではなかろうか。

……

 今の世に、こういう政治家がいるでしょうか。自民党から民主党に行ったり、民主党から自民党に行ったり、これはどうなっているの、と首を傾げざるを得ない、政治節操のない議員が殖えているような気がしてならないのです。

 福岡では、議員の政務調査費で目的外支出をしたと新聞で報じていますが、その堂々たる度胸に国民はどう感じているかということを真剣に考えて欲しいものです。


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