味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
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安岡正篤著『王道の研究』、自序の紹介---3.

2011-05-28 14:54:34 | ブログ

タイトル----安岡正篤著『王道の研究』自序の紹介---3. 第857号 23.05.28(土)

 第856号に続きます。

 我が国即今の内憂外患は、最も国土の払底にその深き禍根を有する。国土の払底は、要するに明治以来世を挙って、教育が単なる知識と技術との習得に偏し、世渡りの方便と堕してしまった悪果である。

 その為に世の良心の権化として、己を忘れ、己を虚しうして、民衆の為に謀り、国家の為に策すべき国士がなくなって、官吏も議員も畢竟一身の計に汲々たる求田問舎の民と化し、治法はあっても、治人は無く、民衆をこの擾乱に陥れたというの外はない。之を救う捷径は何よりも為政者の覚醒、真の国士の出現にある。

 それには為政者及び為政者たらんとす志す者、為政者を出だす民衆の有志に、東洋古典の名君賢相の政教に対する信念、崇高雄渾なる王道の原理を明確に識認させることが根本問題である。

 国家や政治に関する冷ややかな科学的議論、紛々たる政策の是非の如きは、之に比すれば枝葉花実の問題と云うべきであろう。殊に王道政治を標榜して起った満州国家の前途とわが国の責務とを思う時、一層之を痛感せざるを得ない。此の小著が多少とも其の点に寄与し得るらば何の喜びか之に過ぎよう。

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 安岡正篤先生の文章は、格調高く難解であるだけに、普通の人は読みたがらないかも知れませんが、是非読んで欲しいし、後日、当該書籍をご購入してくださるようお勧め致します。私は安岡正篤先生のご著書は広告宣伝する度、買い求めて参りました。そして筆写して参りました。大変有難く存じています。


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