豊見城市 民俗文化財巡り(19)『真玉橋地区』④

2008年01月19日 00時05分17秒 | 沖縄現地情報
現在、真玉橋に北上してくる県道11号線の拡幅工事が行われていますが、「真玉橋拝所」南側、県道11号線沿いの高台に「フルジマガー(古島)」があります。
ここは、他地域から移り住んできた人々の始祖住宅地跡とされ、1700年頃には人家が5~7世帯あったと伝えられています。


▲<上は、県道11号線から見た「フルジマガー」の遠景。グリーンの標識柱が見えたので行きました。下は、現地の状況。ソテツの下には形式井戸があります。>

「フルジマガー」から、県道11号線を南下し、初めての信号がある「嘉数入口交差点」を左に曲がって直ぐ、住宅地へ入る道路際の角に「仲間世(ナカマユー)」があります。年代は不明ですが、ここも真玉橋集落の先祖であると伝えられています。


「仲間世」斜め向いの理髪店の路地を入った所、民家の一角に「仲間址」があります。かつては、こぼれるほどの水が溢れている井戸だったと言われています。


嘉数入り口交差点からさらに南下、次の信号がある交差点を右に入ると、突き当りに豊見城高校があります。高校西側県営団地境界の一角に「ヒララス杜(ムイ:御嶽)」があります。
祠の中に祀られている霊石は、竜宮の神様が宿る石だとされ、多くの人が礼拝に訪れます。
またこの場所は、爬龍船(はりゅうせん)の発祥の地とされ、別名ハーリーモーともいいます。
豊見城藩の汪応祖(わんおうそ)が、中国から船の技術を習得して来てこの地で初めて漕ぎ出した。それから沖縄全島の漁港や港では大漁祈願として、旧暦の5月4日にハーリー行事を行うようになったとされています。
豊見城はジンス(お神酒)、根差部はポーポー(豚肉の油味噌を薄い生地に包んで巻いたクレープ風の食べ物)、嘉数はアマガシ(ぜんざい)、真玉橋はマーミナズーネ(もやし炒め)をお供えしたといいます。


▲<「ヒララス杜」の霊石>
<境内にあった歌の碑>

県道11号線から豊見城高校へ行く道の中間点辺りに「神グムイ」(井戸より大きな池)のビジュル祠があったとされていますが、ちょうどその土地辺りに、新しいマンションが完成していて、近所の工場の方に聞いても、どこに移転されたのか見当が付かないとの事でした。

▲<114戸の大規模マンション。入居平成20年1月、70~127㎡、2080~4550万円。>

⇒真玉橋地区は、新しい真玉橋や新しいバイパス、それに現在工事中の県道11号線の拡幅工事で、年々、様変わりをしている地域です。那覇市に近い分、若い人達のベットタウンになりつつあります。交通手段はバスのみになりますが、車があれば便利の良い場所だと思います。予想以上に公園が少ないので、国場川河岸の有効活用など、公園がもう少し出来れば、子育て層にとって住みやすい街になると思われます。
※この稿は、「オキナワグラフ」2007年11月号の《私のさんぽ道》を参考にさせて頂いて作成しました。