▲<美少年の、「中城若松」>
今年も、10月30日に、「首里城祭」へ行ってきました。
首里公園内下之御庭で行われた、当日の「伝統芸術の宴」、ラストの演目は、『組踊』「執心鐘入(シュウシンカニイリ)」でした。
「組踊」とは、琉球王朝が、冊封使を接待するために、当時の青年貴族「玉城朝薫」を踊奉行に任命し、1791年に創作させたものです。
「執心鐘入」は、創作五番中最初二作の内の一つで、一番人気の演目です。
内容は、評判の美少年「中城若松」が、首里へ行く途中、夜も更けてしまい、村はずれの一軒家に宿を借りるところから始まる。
その家の女が、以前から慕っていた「中城若松」が、我が家に来たので、好機とばかり宿を貸し、若松を誘惑する。
つれない態度に、女は一緒に死のうと言い始める。
若松は、恐れてその家から逃げ出す。
寺に救いを求めたところ、鐘の中へ隠まわれる。
女は追っかけて寺に来るが、小僧3人が追い払う。
一旦、消えた女が鬼となり、寺に戻って来て、若松が隠れている鐘に、呪いの火を吐く。
しかし、寺の住職が法力により撃退する。
理性の若松と、女の狂おしい恋心(情念)の衝突を表現した作品です。
▲<素性を明かし、宿を借りるお願いをしている>
▲<若松を誘惑する女>
▲<身の危険を感じた若松は、女を振り切って逃げる。>
▲<寺に救いを求める。住職が鐘の中に身を隠させる>
▲<3人の小僧達が寝ずの番で、若松を守る。そこへ若松を追ってきた女が寺に着く>
▲<小僧達の冷たい仕打ちに。段々形相が変わって行く。ついに、鬼の顔になる。>
▲<鬼と化した女は、若松が隠れている鐘に向かって火を吐く。>
▲<住職が、法力を使い女を追い払う。一進一退の攻防が続く。>
▲<ついに、女が負けて退散して終わる。>
※エピソード、左隣りで観ていた母親に連れて来られた3歳位の女の子供が、鬼の形相になった途端に、火が付いたように泣きだし、お母さんが口を押さえていた。
右隣隣で観ていた、男性も終わった後。「怖かった・・・。」と、ぽつりと言っていた。