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映画「アシュラ」(R15指定)

2017年03月25日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<3月4日より全国ロードショー中の韓国映画「アシュラ」>

主人公の刑事は、現職の刑事でありながら副業で、街の利権を独り占めする事には、手段を選ばない極悪人市長の裏仕事を引き受けていた。

そこに、市長逮捕に燃える検事が、刑事の弱みを掴んで脅かし、市長の不正証拠を出させようと画策する。

進むも地獄、引くも地獄。刑事の苦悩が続く・・・。

後輩の刑事も巻き込み、「同僚刑事殺し」、「市長の兄の殺害」、「市長室長の犯罪」等々がて立て続けに起きる。

息もつけないくらいに次々と事件が勃発!早い展開して行く。

高速道路での「カーチェイス」~「最後の40分間」へ、予測不能になる・・・。

観賞後、力が入り過ぎて疲れた。

正義は、ひとつもないく、悪・悪・悪・・・。人間の怖さをこの映画で観た。


監督・脚本:キム・ソンス 出演:チョン・ウソン(刑事)、ファン・ジョンミン(市長)、クァク・ドウォン(検事)、チュ・ジフン(後輩刑事)

【評価】★★★

映画「スンノーデン」を観ました。

2017年03月06日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<全国で上映中の「スノーデン」>

話題作ですが、少し遅く「スノーデン」を観ました。

「ロシア」や「中国」などの「情報スパイ合戦」が、報じられますが、やはり一番、情報を収集している国は、「アメリカ」だという話でした。

忠実に再現しているのだと思いますが、それでも現代のIT社会の「情報(サイバー)戦争」は、ここまで凄いのかと恐怖すら感じる映画です。

主人公の「スノーデン」は、ロシアに情報を持ち込みたかったのではなく、滞在中の「香港」から、途中の「ロシア空港」で、乗り換え中で入国していない状態だった。

スノーデンは、空港内にある露外務省窓口に、「キューバ」、「ベネズエラ」、「中国」、「スイス」など18カ国の国々に対して亡命申請を行ったが、「アメリカ」から旅券をストップされ留まったのが「ロシア」だったという事を初めて知った。

人間の正義・モラルに悩みながら仕事をしていたが、自分のやっている事は、絶対いけない事だ。と悩み抜いて、告発するに至る。

まっとうで、正義感溢れる人間に描かれていた・・・。


▲<「携帯」「パソコン」など、すべての情報が傍聴されている・・・>

映画の中で、彼が勤務した「日本」での情報機密問題に触れている。日本は当然「機密を守る」と、アメリカからの要求を拒否したが、スノーデンが「ボタン一押し」で、日本のネットがストップするシステムを構築して、日本を離れたと語っていたのに、衝撃を受けた。

難しいITの仕組みが、いっぱい出て来るので、多少解りにくい作品だが、素人でも現代社会の「情報(サイバー)戦争」の怖さが、肌身に感じられる映画でした。

【評価】★★★★☆

※「エドワード・ジョセフ・スノーデン」は、アメリカ国家安全保障局 (NSA) および中央情報局 (CIA) の元局員である。NSA局員として、アメリカ政府による情報収集活動に関わった。2013年6月に香港で複数の新聞社(ガーディアン、ワシントン・ポストおよびサウスチャイナ・モーニング・ポスト)の取材やインタビューを受け、これらのメディアを通じてNSAによる個人情報収集の手口を告発した事で知られる(PRISM計画)。2013年6月22日、米司法当局により逮捕命令が出され、エクアドルなど第三国への亡命を検討しているとされていたが、同年8月1日にロシア移民局から期限付きの滞在許可証が、発給されロシアに滞在中である。2014年1月、ノルウェーのボード・ソールエル元環境大臣からノーベル平和賞候補に推薦された。【ウィキペディアより】

映画「湯を沸かすほどの熱い愛」

2017年01月10日 00時10分00秒 | 映画・DVD

▲<宮沢りえ主演の「湯を沸かすほどの熱い愛」

1月9日、桜坂劇場で「湯を沸かすほどの熱い愛」を観た。

詳しい内容を知らない映画だったが、めずらしく「桜坂劇場」(B)が、上演前に満席になった!

主役の宮沢りえは、銭湯を営んでいるが休業中。

一年前に、「銭湯の湯のように蒸発した旦那(オダギリジョー)」が、失踪したためだった。

りえちゃんの一人娘(杉崎花)が、学校でいじめを受けているのだが、りえママは、学校に抗議もしないで、娘に「逃げるな!」と言うばかり・・・。

そんな時、りえちゃん自身は、「ガン末期」で、余命2ヶ月と医師に告げられる



余命2カ月の間に、4つの「絶対やっておきたい事」を実行するために、りえちゃんが動き始める・・・。

その4つとは?
(1) 家出した夫を連れ帰り、実家の銭湯を再開させる
(2) 気が弱すぎる娘を独り立ちさせる
(3) 娘をある人に合わせる
(4) ?


探偵に旦那を探してもらい、居場所を突き止め乗り込む(旦那は、愛人に逃げられ、子供と二人で暮らしをしていた)。

旦那が、一年振りに実家に戻り、銭湯を再開。

その後、ストーリーが大胆に観客を裏切ながら展開して行く。

りえちゃんの真に迫る演技に、観客はぐいぐい引き込まれて行く・・・。

2015年第38回「紙の月」(日本アカデミー主演女優賞)に引き続き、今年の傑作作品になる事は、間違いなし!

【評 価】★★★★★

2016年、私の鑑賞映画ベストテン

2017年01月04日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<2016年の私のベストワン映画は、「この世界の片隅で」でした>

2016年は、154本観ました(昨年比▲8本)

「外国映画」は、116本(昨年比+20本)「邦画」は、38本(昨年比▲28本)でした。

「劇場鑑賞」は、13本に減りました(昨年比▲8本)、「DVD鑑賞」は、11本(昨年比+5本)TV観賞は、130本(昨年比▲5本)でした。


2016年、私のベストテンは、以下の通りです。
【新作】(劇場封切)
(1)「この世界の片隅で」(日本)片渕須直監督 こうの史代原作 のん(声:主演)
(2)「ハドソン川の奇跡」(米)クリント・イースドウッド監督 トムハンスク主演 実話の裏側
(3)「シン・ゴジラ」(日本)庵野秀明 総監督・脚本
(4)「海賊とよばれた男」(日本)百田尚樹原作、山崎貴監督、岡田准一主演
(5)「バイオハザード ファイナル」(米)ミラ・ジョヴォヴィッチ主演第6作目の完結編
(6)「ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂騒曲」(2015年 露)
(7)「君の名は」(日本)新海誠監督のメガヒット作品
(8)「後妻業」(日本)黒川博行原作 大竹しのぶ主演 豊川悦司他
(9)「スポットライト 世紀のスクープ」2015年アカデミー賞作品 教会の犯罪を暴く新聞記者達の社会派映画
(10)「団地」(日本)藤山直美×岸部一徳(夫婦とご近所の掛け合いが面白かった)

※「この世界の片隅で」は、ブログにも書いた通り今も公開劇場が増え続けています。まだご覧になっていない方は、公開劇場を探してでも見て下さい。

ちなみに、旧作は以下の通りです。
【旧作】(TV&DVD)
(1)「鑑定士と顔のない依頼人」(2013年 伊)ジュゼット・トルナーレ監督・脚本 ジュリー・ラッシ主演
(2)「振り子」(2015年 日本)芸人鉄拳さんの動画&実写版 中村獅童主演
(3)「衝動殺人 息子よ」(1979年 日本)木下監督作品 若山富三郎主演
(4)「崖っぷち男」(2012年米)はめられた警察が無実を言証明するが・・・。
(5)「ローラーガールズ」(2009年 米)女優ドリュー・バリモアの監督デビュー作品
(6)「誰よりも狙われた男」(2014年 英・米・独)フィリップ・シーモア・ホフマン主演(「カーポティでアカデミー賞受賞)
(7)「紙の月」(2014年 日本)吉田大八監督、宮沢りえ主演
(8)「雲のむこうの約束の場所」(2004年 日本)新海誠第2作品目
(9)「土竜の唄」(2013年 日本)三池崇史監督 生田斗真主演
(10)「バイオハザード Ⅳ(2010年)& Ⅴ」(2012年)

※「鑑定士と顔のない依頼人」と、「崖っぷち男」は、ラスト直前が見逃せない作品でした。「振り子」は、しみじみ感動しました。

2016年は、日本映画が元気が出て来たように感じます。喜ばしい事ですね。

2016年映画の見納めは「バイオハザード」(ザ・ファイナル)

2016年12月29日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<12月23日から全国ロードショー中>

12月27日、私の仕事納めの「研修」をした後、おもろまちの「シネQ」に行き、「バイオハダード」(ザ・ファイナル)【3D版】を観た。

2002年の「バイオハザードⅠ」から、「バイオハザードⅥ ザ・ファイナル」まで、14年間。主役を続けた「ミラ・ジョヴォヴィッチ」は、凄い女優です。私は、ゲームはしない。彼女を観るために、最初から映画の「バイオハダード」を観て来ました。

14年間、肉体を維持し、過激なアクションをやり続けられるのは、彼女しかいません(稀な存在です)。事実、子供を生みながら、この作品の主人公を続けている・・・。

今回も、第二子を生んだ直後の1か月目に、この作品の撮影が始まったそうだ。
撮影しながら出産後の身体を、プロティンと野菜中心の食事で、筋力トレーニング続けて、創り上げたらしい。

この作品で、出会った。監督ポール・W・S・アンダーソンと、2009年に結婚している。今回、第一子は、この作品の重要な役で作品に出ている。


▲<「ミラ・ジョヴォヴィッチ」出世作の当たり役。映画史にも残る作品で、彼女しか出来ない「アリス」最後の戦いです>

ともかく、アクションが凄い! どんなに殴られても、身体を傷つけられても、立ち上がり戦い続ける・・・。

役とは言え、41歳の女優が、なかなか出来る事ではない。

今まで隠されていた、数々の謎が明かされるのも、ファイナルならではである(スッキリした!)。

ストリーも作品の完成度もスケールアップされ丁寧に創られていて感動した。しかし、【3D版】をわざわざ観なくても良かった作品(笑)

【評価】★★★★

映画「この世界の片隅に」

2016年11月24日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<11月12日から全国公開中の「この世界の片隅に」>

アニメ映画「この世界の片隅に」を観た。

1944(昭和19)年2月、18歳の「すず」は、突然の縁談で軍港の街「呉」に嫁ぎ、新しい家族との生活が始まる。夫の周作と両親、義理の姉とその娘。配給が少なくなってゆく中、「すず」は、食事を工夫をしたりして新しい家族に溶け込んで行く。

1945(昭和20)年3月に「呉」は、大空襲に見舞われる。

そして、昭和20年8月6日が来る・・・。

冒頭に「すず」が、結婚前に住んでいた戦前の「広島:江波」の生活風景が出て来る。

戦前の広島における一般庶民の生活が、何気ない生活風景がありました。
その後の広島を知っている日本人には、夢のような生活に見えた。

全編、「広島の方言」が続く・・・。片渕監督が、他に考えられないと指名したらしい、主演の「のん」(能年怜奈)が、主人公に乗り移っている(声がいい)。

のんびりとした主人公の生活ぶりが、空襲などが激しくなる辛い生活にも関わらず、明るさを加える。

8月6日の悲惨な状況も、当然出て来るが、今まで観たどの映画よりも「すず」を通して、戦争の悲惨さが伝わった。

私は、8月6日以降の展開を観ながら、心の中で大きな声を出して泣いた(涙が止まらなかった)。

今年一番の映画に出会った。

きっと、これから話題作になり、来年もヒットが続く作品になるでしょう。

【評価】★★★★★

監督:片渕須直 1989年『魔女の宅急便』では、当初監督として準備班を指揮した後、宮崎の現場復帰に伴い演出補に退いた。この作品は、2016年11月13日、広島国際映画祭2016で第1回ヒロシマ平和映画賞を受賞。

※原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社)。2004年、代表作『夕凪の街 桜の国』(双葉社)は、第8回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。

映画「君の名は」

2016年11月01日 00時05分00秒 | 映画・DVD


我々の世代には、「君の名は」というと、数寄屋橋ですれ違う男女の話になるが(笑)。今、平成の若い人達に、平成の「君の名は」が、メガヒットしている。

興行収入も、150億円へ。邦画では「風立ちぬ」を抜き歴代6位、総合でも9位に入ったらしい。


▲<10月30日TV「ワイドショー」でも報じていた>

高校生達が今、「胸がキュンとなって」何度も観ているアニメ映画です(OLも観に来ています)。

「男の子と女の子」が入れ替わるので、昔大林監督の「転校生」を観た人は、またか!という感じで始まる。

しかし内容は、まったく異なり、「時空を超え」「スケールが大きい」作品です。


▲<風景が美しい作品です>

しかし所どころ、「入れ替わりシーン」をよーく見ていないと、解らなくなる難しさがあります

この作品には、映像に「トリック」が含まれて、ストリーが突然変わるので、よく観て・記憶しておかないと、後のストーリが理解(納得)出来にくい(だから、何回も観る人がいるのだろう)。

我々世代は、アニメは「宮崎駿」以外は、中々自己投影出来にくいのが辛い(その点宮崎アニメはファンタジーだから観やすかった)。

新海誠監督の作品は、絵が美しい(特に光の扱い方)のだが、今回は少し絵が荒かった。

最後まで観て、「ほろりと涙が出た」ので、まだ、もう少し感性が残っていたと安心した次第。

【評価】★★★☆

映画「ハドソン川の奇跡」

2016年09月27日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<9月24日からロードショー「クリント・イーストウッド」×「トム・ハンクス」>

2009年1月15日に起きた、ニューヨークにおける「旅客機のハドソン川不時着」は、当時ニュースで見て興奮した記憶があった。

機長の判断で乗客・乗員全員が無事だったので、「ハドソン川の奇跡」と言われた。

当然、機長は英雄になった(USエアウェイズ1549便のチェスリー・サレンバーガー機長)。

・・・と思っていたら、映画では機長と副操縦士が、「墜落事故」の容疑者になっていたのだった。

●エンジンは、本当にふたつとも壊れていたのか?
●なぜ、二つあった近くの飛行場に着陸しなかったのか?
●機長は、どうして無謀な大参事必至の河川水面着陸を実行したのか?
●事故発生から3分28秒、最善の対応だったのか?

「事故調査委員会」の公聴会に呼び出され、マスコミに英雄視された機長が、犯罪者のように詰められて行く・・・。

事故の内容は、当時たくさん報道されたのでC.イーストウッド監督は、「機上パニック映画」には、創らなかった。

マスコミに追及され、追いかけられ、事故調査委員会の過度な追及に、精神的に追い詰められる機長の心理描写と、パイロットとしての責任感と自負・・・。

水面着陸も「奇跡」(機体が壊れないで水面着陸出来る可能性はほとんどない)。極寒の水面に浮かんでいた24分の間に、乗客&クルー全員125名が救出された「奇跡」。この一週間後に、ハドソン川は、凍結した「奇跡」。ハドソン川の運行フェリーが、港を出て動き始めた直後だったので、着地地点に5分で到着した「奇跡」(その後、水上警察が到着する20分間に数隻が協力して乗客を救出した)。潜水隊ヘリの対応が素早く、川に流れた数人を短時間で救助出来た「奇跡」「奇跡」が、何度も重なって出来た「全員生存」だった。

監督のクリント・イーストウッドが、前作「アメリカン・スナイパー」の実話とは、また違うヒューマン実話映画を製作したのでした。

【評価】★★★★☆

映画「後妻業の女」

2016年09月10日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<那覇市おもろまちの「シネマQ」 NO7劇場入口の「上映看板」>

以前、このブログに書いた黒川博行著「後妻業」が、映画化されたので早速観に行って来た。

主演は、大竹しのぶ 脇を豊川悦司、尾野真千子、津川雅彦、永瀬正敏、笑福鶴瓶が固める。

ストリーは、小説を忠実に映画化しているので、ここでは詳しく述べない。

映画化が伝えられた時、主演女優は誰になるのか?楽しみだった。

「大竹しのぶ」と伝え聞いた時は、モデルになった実際の容疑者の年と比較して、若過ぎると感じていた。

実際に、映画を観始めたら、凄い演技力に、あっという間に、ねじ伏せられてしまった。

それと、「豊川悦司」のいかがわしさも、ピッタリで演技力とは思えないくらいだった。



騙されて殺される、高齢者役に、個性派ベテラン俳優が、ちょい役で続々と出て来るのも面白い。

小説を読んでいない人は勿論、読んだ人も映像で楽しんで欲しい。

特に、「資産あり、一人暮らし男性高齢者」は、必らず観る事!(観ないと、えらい事になりますよ)。

「実は怖い内容のコメディ映画」です。


▲<パンフレットの書かれていた「これが後妻業の手口」>

【評価】 ★★★★★

「シン・ゴジラ」は、何もかもリアルだった。

2016年09月07日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<7月29日から公開中の「シン・ゴジラ」脚本・総監督/庵野秀明>

映画「シン・ゴジラ」を少し遅くなったが観に行った。

封切後入場者数が好調の様子。「日経ビジネスオンライン」では、有識者による「私は、シン・ゴジラをこう見た」特集記事で、専門家(政府官房長官、防衛大臣経験者、元官僚、元自衛隊管理職など)から見ても、良く描けていると感想が出ている(唯一、石破元防衛大臣だけが、リアルではないと意見を述べている。この意見がまた正解なリアルで説得力あり)。

私の感想は、「シン・ゴジラ」は、子供向け作品ではなく庵野総監督は、大人に向けて創った作品だと理解する(大人の鑑賞に堪える全編リアルに徹したレベルの高い作品だ。この点が今までのゴジラ作品と異なる)。

当然、親子で観に行っても楽しめる作品だが、政府の対策チームの会話が子供に、どこまで理解出来るか疑問(数年後、そんな内容の話をしていたんだと後で、理解すればいい)。

良く出来ている点は、以下の通り。
(1)「自衛隊が出動する際は、外国からの武力攻撃のみ」に対して、ゴジラは武器か生物か?を今の日本政府に判断させる状況を超リアルに描いた。
(2)突然に、品川沖から河川を上陸しても、警察や自衛隊は、手が出せない(政府は、一人でも逃げ遅れている人がいたら武器使用しない)
(3)政府内では、大臣は個人の私見を何一つ言えない。現場で情報を収集する若い官僚から上がって来る情報に動かされている(常識・法律・過去の事例・内部のパワーバランスを壊せない)。
(4)ゴジラが、放射能をエネルギーにしているので、殺す方法も首の長い放水車を使う(福島の原子力発電所の対応に極似させて描いた
(5)何よりも、東京の街が壊される様子が凄くリアル。実写とCGの組み合わせが良く出来ているで、品川の下町や武蔵小杉の高層マンション群の中にゴジラが実際にいる風景だけでも見る価値がある。
(6)現実では、ゴジラ(生物)には、攻撃出来ない法律になっているようだが、それがロボットで他国からの操作・攻撃と判明すれば武器とみなされるらしい。その判断は、自衛隊には無く当然首相が行うのが極めて難しい・・・。その時の判断を間違いなく、迅速かつ冷静に出来るか?今回の映画はそれを問うていた。

現状の法律や政府の体制、市民の覚悟など、多くの示唆を与えてくれる深い社会派映画でした。

【評価】★★★★★

映画「団地」

2016年07月20日 07時00分00秒 | 映画・DVD

▲<7月9日から、「桜坂劇場」で公開中のコメディ映画です>

阪本順治監督×藤山直美の最新作です。

このコンビで、1999年「顔」で、第24回日本アカデミー賞 優秀作品賞、優秀助演女優賞、優秀脚本賞、優秀音楽賞、最優秀監督賞  2000年度キネマ旬報 日本映画ベスト・テン1位、読者選出日本映画ベスト・テン1位、監督賞(阪本順治)、主演女優賞(藤山直美)、助演女優賞(大楠道代)、脚本賞(阪本順治、宇野イサム)他、多数受賞している。

大阪近郊の昭和の団地に、中年の山下夫婦が引っ越して来た。

その夫婦は、トラックの居眠り運転によって、一人息子が事故死し、生きる希望を無くして「漢方薬局」を廃業した。

団地にも慣れた頃、夫が団地自治会長選に推薦され、少し元気が出てき始めたが、落選して落ち込みヘソを曲げ団地住民の目を避け、床下に籠る生活へ・・・。

普段から、暇で噂話が好きな住民たちが、落選した後山下さんんの姿が見えない事に対して、根も葉もない噂を流し始める・・・。

全体に流れる、出演者の関西弁が何とも言えないゆったりとした間が心地よい。特に、藤山直美と岸部一徳の掛け合いが面白い。

夫婦の掛け合い以外にも、自治会長夫婦の石橋蓮司と大楠道代や住民たちの言動が、関西の生活シーンでの「あるある」が続く。

久し振りに、笑える映画を観た。


【評価】★★★

映画「スポットライト/世紀のスクープ」

2016年05月11日 00時05分00秒 | 映画・DVD


5月9日、「桜坂劇場」で、映画を観る。

作品は、2016年88回アカデミー賞「作品賞」「脚本賞」受賞の「スポットライト/世紀のスクープ」

桜坂劇場では、珍しい(快挙!)「アカデミー賞作品」の封切映画です。

2001年、米国東部ボストンの、「ボストン・グローブ紙」、特集記事(スポットライト)を担当する記者4人のジャーナリスト魂とタブーに踏み込んだ緊迫のドラマです。

昔、ニクソン大統領を退陣に追い込んだ「ウォータゲート事件」をテーマにした、「大統領の陰謀」を彷彿させる。

今回のテーマは、「カトリック教会神父の性的虐待」です。

地元紙にとって読者の53%が、カトリック信者という状況下で、絶対権力の教会の悪事を告発する暴挙と、この事実をどう記事出来るか・・・。

簡単に、この事実を葬り去られないように、過去に例があっただけに記者達は、慎重に事実を積み上げて行く・・・。

発表直前に、「9.11テロ」が発生し、記事のストップがかかり、記事が書けない状況になり、記者達に焦りが・・・。

チームの崩壊の危機や地域からの圧力に、家族崩壊の危機などが重なり合う・・・。

以前、この事件を軽く扱ったチーフも悔やんでいる・・・。

そんな時、新任で地元にしがらみがない局長が、「私達は、暗闇の中を手探りで、歩いている。そんな時、そこにスポットライトが射した時、初めてそれが事実だと解る」の言葉に、チームメンバーが息を吹き返す。

俳優、一人ひとりの立場や個性が、丁寧に描かれている作品だ。

「マスゴミ」と言われる低レベル日本のマスコミと比較して、15年前のアメリカのジャーナリスト達が凄く輝いていていた。

日本の新聞記者全員に、この映画を観て反省してもらいたいと思った映画でした。

【評価】★★★★★
※この映画は、2003年「ピューリッツァー賞」を公益報道部門で受賞した『ボストン・グローブ』紙の報道に基づき、米国の新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙「スポットライトチーム」による、ボストンとその周辺地域で蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描いた実話である(ウィキペディア)。

「バットマンVSスーパーマン」

2016年03月29日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<3月25日から全国公開中>

3月28日、「バットマンVSスーパーマン」を観た。

スーパーマン世代の私としては、「バットマン」と「スーパーマン」が、戦う?

スーパーマンが、悪人に??

コミック界最強の「スーパーマン」が、生身の「バットマン」に、負ける??

何としても観なければと、劇場に足を運んだ。

・・・でも、見て後悔した。

何で、スーパーマンが悪者になったのか?何で、バットマンが殺したくなるほどスーパーマンを憎んだのか?

ストーリが、あまりにも粗過ぎる。

所々、必要のないシーンがあるが、ここに書くまでもなく不自然。

ハリウッドの映画が、軽過ぎ、ネタ切れになっているのを感じるのは私だけか?

【評価】★

映画「オデッセイ」

2016年02月15日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<2月5日から全国公開中の話題作「オデッセイ」>

話題作の「オデッセイ」を先週、封切直後観た。

早く書けなかったのには、それなりの理由があった。

ハッキリ言って、この映画の良さが解らなかったのだ。

駄作ではないが、引き込まれるほどの「真実味」「臨場感」が湧いて来なかったのだ。

私の宇宙の基礎知識が、無い事も要因になるのだが・・・

「火星」という星の情報が、あまりも知らないので、トラブルで火星に置いて行かれた後、「宇宙基地」と「宇宙服」で、生きられる「星」のか??

「火星」は、「赤い土と水の無い環境」の星なのか??

置いて行かれた時に起きた、「厳しいハリケーン」や「灼熱地獄」などの「極悪な現象」は無いのか?「アリゾナの砂漠」より、想像を絶するような過酷な状況ではないのか?

主人公が、「生物学者」なので、「火星」で基地中とはいえ、基地の食糧庫に残されていた「ジャガイモ」を育てる話は、簡単そうに見える。野外の土を基地に持ち込み、水と堆肥を入れれば育つのか?

置いてあった脱出用ロケットを、いくら軽くするとはいえ、ロケットの屋根をナイロン製のカバーで宇宙を飛べるの??

仲間の宇宙船に、主人公が回収される時も、宇宙空間で、十数メートルの距離とはいえ、あのように上手くキャッチ出来るの?

頭が混乱して、ついて行けなかった。

この作品のテーマであろう、主人公の「生きるための知恵と工夫」、「前向きな精神」が、軽く見えるのだ。

アカデミー賞受賞ノミネート作品と宣伝されても、「視覚効果」「美術」は取れるかも知れないが、「作品賞」や「主演男優賞」にはならないと思う。

監督:リドリー・スコット「ブレードランナー」(1982年)「エイリアン」(1979年)「グラディエーター」(2000年・アカデミー作品賞)他 
主役:マッド・デイモン「グッド・ウィル・ハンティング」(1997年・アカデミー脚本賞受賞・アカデミー主演男優賞ノミネート)「ボ-ンシリーズ」(2002年~)「インビクタス?負けざる者たち」(2009年・アカデミー助演男優賞ノミネート) 

【評価】 ★★

「猫派」の私が、この映画の「犬」に涙しました。

2016年01月20日 00時05分00秒 | 映画・DVD

▲<昨年の11月21日からロードショウ中の話題作品「ホワイト・ゴッド」>

主人公は、13歳の少女だが、彼女の演技よりも、彼女の飼犬「ハーゲン」に、どんどん気持ちがのめり込んで行った

雑種犬を飼うには、税金が掛かる法律が突然成立した街で。

税金を払えない家は、飼い犬を捨て始める。街には、大量の野良犬が増えて行く・・・。

施設職員が、野良犬狩りを始める。

野良犬は、捕獲されると保護施設に一時保管されるが、ごく少数、税金を払える人に引き取られるが、ほとんどの犬は殺傷処分される。

少女の犬も、父親に捨てられてしまう・・・。

「ハーゲン」は、家に探しながら帰る途中、悪人に捕獲され、虐待されながら闘犬に仕立てられる(勝つために凶暴犬に変えられてしまう)。

闘犬として戦い勝つ。ある時、逃げ出せたが施設職員に捕獲されてしまう。

捕獲された施設で、殺傷処分される直前、職員を噛み殺して脱走する(同時に、収容された犬達も続いて大量脱走する)。

施設から脱走した犬達は凶暴化し、自分を虐待した人間に復讐し始める。

警察も銃使い射殺を試みるが、250頭の野犬が統制行動を取るので、なかなか殺せない。

諦められずに、「ハーゲン」を街中探し続けていた少女が、凶暴になって暴走する250頭の野犬集団に追いつめられる。



250頭の野犬リーダーは、「ハーゲン」だった。

リーダーの「ハーゲン」は、唸りながら少女に近づいて来る。

まだ少女を覚えているのか?それとも、捨てられた事を恨み少女に復讐をするのか?

「カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリ受賞」「カンヌ国際映画祭パルムドック(主演?)賞受賞」作品。
※主役の犬はプロらしいが、その他の犬は保護施設にいた犬に演技を仕込んで撮影したらしい。
撮影後、施設に戻す事を不憫に思った監督達が里親を募ったところ、話題になりすべての犬が新しい家族に引き取られたらしい(喜び)。

【評価】★★★★