沖縄型住宅を考えるセミナーに参加して来ました。

2007年07月30日 00時02分23秒 | 沖縄現地情報
7月28日、琉球新報社主催のセミナー『新たな沖縄型住宅の提案』第一回のテーマは「遮熱という概念の認識-沖縄の風土と相性の悪いコンクリート」だった。以下要約です。
①現在沖縄の9割以上が鉄筋コンクリート造(戦前は木造住宅が主体だった) 
a.戦争で木が無くなった後、アメリカ軍のコンクリート住宅が広まった。b.本島でコンクリートを製造出来る。c.台風対策(風速48m以上が吹く)合理性が高い。d.シロアリ対策。

②沖縄の気象条件
a.自然条件:年間温度差と一日の温度差少ない(沖縄16~33°、本土5~33°)
b.湿度は、年間平均76%と高い(本土との差10%以上)
c.降水量は、年間平均2000㎜降水日数年間125日、雨の多い県(本土平均1600㎜)
d.年間を通して平均4.7m/sの風が吹く(温度が上がらない要因)
e.太陽高度と紫外線:沖縄は南に位置するので本土より、太陽高度が高く、大気光 路長が短いので紫外線が強く地上に届く。

③鉄筋コンクリートの特徴
a.毎年襲来する台風に耐えうる堅牢性を有す。b.耐震性、耐火性、遮音性がある。c.材料が安く、県産品として入手しやすく、安定した職人がいる。d.熱伝導性が高く(木材の13倍)、外部気温に内部気温が左右されやすい(屋根、壁の遮熱対策必要)。e.熱容量が高く、暖めにくく、冷めにくい(開口部や小屋裏、床下の通気対策必要)。f.湿度対策:湿度は60%以下を目安とし、長時間70%にしない(冬の結露は心配ないが、梅雨対策必要)。

④パネラーのコメント
島田潤氏(デザインネットワーク代表取締役)沖縄の住宅は、北側の開口部は広くてもOK(沖縄は北側の結露の問題はない。しかし、4~5時頃は夕陽が差し込む)。東・西は、開けない方が良い(西側:壁面緑化、風呂などに)。
大城通氏(てぃーだ建築設計室主宰)自宅を改築した時、陸屋根にしたが雨音がするし、屋根が焼けて暑くなったので、屋根型にして治まった。今の家は、西側は開けていない。外は西風が吹いて涼しいので、仕事の場合窓を付けるようにしている(洗濯干し場を作るなど)。南側は長いひさしを作る。北側は、優しい光を上から入れる。
※コディネーター山田一夫氏(沖縄開発金融公庫)が行い、学術的な説明が多く、専門業界向けの硬い内容だった。月一の4回シリーズ、興味のあるテーマだけに、最後まで参加しようと思っています。乞うご期待下さい。