青野協力牧師定年退職記念講演と大討論会を終えて
私は、キリスト教の伝統的な教理を信じているおそらく平均的な牧師である。青野先生は、新約聖書学で特にパウロを研究されてきた学者だ。参加された方々も、2時間の講演とそのあと3時間にわたる質疑応答で、かなりのことを今回理解されたのではないだろうか。
青野先生には、前の週には、3日間の東日本大震災の被災地支援をめぐる宣教フォーラムでの発題のご奉仕、その後の2日間の日本新約聖書学会での会長としてのお仕事など、多忙で大変お疲れのところ、前日の執事会なども含め、これは過重労働もいいところであっただろうに、よく耐えてくださり感謝申し上げたい。
私は、司会を務めさせていただくこともあり、改めて先生の著書を読んだ。そして、講演を聞き、先生が研究の結果、たどり着いておられる現段階でのお考えを五分の一くらいは理解できた気になった。すごいことをおっしゃっておられると思った。これでまたまた私の自由と福音宣教の範囲が広がった。
平尾バプテスト教会は、他教会に比べると非常に自由な空気があるが、これは、青野先生の存在が大きな役割を果たしていることをおぼえておきたい。青野先生の語られている福音理解は、贖罪論一辺倒ではない幅広いものである故に、日本人には受け入れられやすいのではとの意見もあった。日本にキリスト教が広がらないことを憂えてきた私は、ほんとうにそうなのだろうかと思うと同時に、もしそうならと期待のような感情も湧いてきた。
平良師