平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2008年6月15日 悲しむべき事件から

2008年08月04日 22時54分55秒 | Weblog
    悲しむべき事件から

 先日、多くの人を殺傷する事件が起きた。派遣会社に勤めていて、近いうちに解雇されるのではないか、といった不安の中にあったという。中学生くらいまでは優等生だったというが、それ以降は自分は落ち目となり、負け組という意識を持っていたらしい。だからといって、多くの人々を殺傷するなどということが、許されるはずはない。
 近頃のこうした、ある意味では、自分の不遇を嘆き、それを他者への憎悪に転嫁する事件をどう考えたらいいのだろう。彼には友人がいなかった。一方において、こうした人間の不安や孤独の問題をスピリチュアリティーという占いまがいのことによって、いわゆる「癒し」を得ようとする人々が増えているともいう。
 今や、スピリチュアリティー業界は大繁盛だ。管理職にある孤独な人たちも、随分多くヒーリングとか言われるカウンセリング的占いに訪れる。それに乗じて、悪どい霊感商法なるものも横行している。
 日本社会がとても不安定になっているのだ。労働者、年金暮らしをしている人、学生たちが、明るい未来を描けないでいる。こうした事件が何と多いことか。
 今日は、参議院で首相の問責決議案が可決された。揺れる日本、揺れる日本人の心である。安心できるものを手にしたいと思う。キリストにある信仰により、感じる不安や苦しみを私たちは何とか乗り越えていける。癒しもありがたいが、主のくださる苦しむことのできる能力こそが今の時代にはむしろ必要だ。


平良師