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晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

雨読 幻の漂流民サンカ (3) 6/22

2013-06-22 | 雨読

2013.6.22(土)曇り、雨

 沖浦氏が本書でサンカの起源として主張しておられるのは、幕末危機の時代であるとする説で、こういった説は今までに無いもので新説と言えよう。
 幕末というより、近世末といった方が良いかと思われるが、18世紀末の天明から天保にかけて天災や飢饉が続き、一揆、打ち壊しなどが頻発、社会は混乱と危機の時代であった。そして当然のごとく無宿者が急増することとなった。犯罪などを犯して無宿となるものは従前からあっただろうが、飢饉によって食い詰めて村を捨てざるを得なかった無宿者が急増したと云うことだろう。
 サンカに対する文書が現れるようになり、1855年広島藩の文書に「サンカト唱 無宿云々」という文書がみられる。
 無宿という呼び方は各地の文書に現れたようだが、法制的には無宿とは別個のものであり、無宿とは宗旨人別帳にのらない、いわゆる「帳外れ、帳外」といったものであり、本貫地では除籍されていて帰るところのない流人と言える。はでとして人別帳に記載され、居住地などが藩に掌握されていた。
 の中に野というのがあり、頃から人の口、あるいは公の文書にサンカ、あるいはサンカらしきもののことが現れ始めるのだ。
  そして江戸時代末期の飢饉や一揆でこれは身分ではなく無宿と同様のものであったということだ。つまり正式にはとして登録はされない無籍の流人のことである。
 これらの無宿あるいは野がサンカの起源であろうというのが、サンカ近世末起源説の概要である。P1040669



サンカはミツクリと呼ばれた地域もある。箕は大切な農具だが、今ではプラスチックになってしまった。また呪力、霊力があるとされ縁起物や祝い事にも使われている。写真はミニチュアだが、本物は随分精巧に編まれていた。


 わたしはこの説が最も信頼できるものと思っている。
 古代から中世、近世はじめまでサンカに関する資料というのは何もない。そして彼ら自身もその出所や歴史を語らない、いや知らないのかもしれない、墓や由緒書きといったものもない。ところが近世の終わり数多くの農民が村を離れたとあるが、いったい彼らはどこに行ったのだろうという疑問が常にあったことだ。つづく

【今日のじょん】今日は雨模様だったのでワンコの来じょんはないかなと思っていたら、アメリカンコッカのセブくん(♂4才)とナナちゃん(♀4ヶ月)が来てくれた。かわいいったらありゃしない。じょんとも仲良く出来そうで、良い天気の日にまた来てください。P1040668
P1040667




どちらもとっても人なつこくて、かわいいノダ。

コメント
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