晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

念道のこと(4の4) 6/21

2010-06-24 | 歴史・民俗

2010.6.21(月)曇

 似た地名ということで根渡のことを書いたら、これが実に奥が深くて筆が進まなくなった。「引地のこと」が淡路市長澤の引地から進まなくなったのと同様である。淡路島における大規模鍛冶遺跡から、大和の建国、ついには邪馬台国の東遷説まで話が拡がり収拾がつかなくなってきたわけだ。
 さて、根渡については果たして念道と関連があるものか無いものかわからないのに時間をかけて調べていくわけにいかない。さりとて関連があるか否かを判定するためには調べなければならないという矛盾となる。
 福島県の二つの根渡には共通点がある南相馬市の根渡は海岸から2Kmあまり、浪江町の根渡は海岸から6Km程度か、これはひょっとしたら古代には海岸線であったかもしれない。それは三内丸山遺跡に行ったときに初めて知ったのだが、縄文時代には随分温暖化の時代があって、海岸線がかなり内陸にあったということだ。三内丸山遺跡は海岸から4Kmほど入った地点だが、縄文時代には海岸線であったということだ。これを縄文海進という。なぜ海岸べりという想像をしたか、それは根という言葉に海中の岩、暗礁という意味があるからだ。このことについては「念道のこと(1)」(2009.7.9)にも書いている。もちろん根には沢山の意味があり、嶺、麓、子、音、木の根などきりがない。地名に使われやすいのは、暗礁、嶺、麓が有力だろう。私の前説、子(方角の北)説を撤回した理由は、方角を示すにはその元となる強力な施設や建造物、行政上の区画などがなければ存在しない。例えば京都市に多くある乾町(いぬいちょう)とか艮町(うしとらちょう)などは本願寺寺領内の方角や平安京の城域内での方角を示しており、時代も新しいものである。もちろん念道の南、あるいは地域にそういった著名な施設等は無く、念=子=北という説は成り立たないと考えたわけである。
 そういった意味では念道の念は麓というのが妥当ではなかろうか。信州に駒ヶ根という市がある。中央アルプス駒ヶ岳の麓という意味だろう、日本離れした、明るくて牧歌的な街である。念道は宗教的に隆盛を極めた施福寺の蓮ヶ峯の麓である。Img_4753
正面の尾根は井根の源頭を経て蓮ヶ峯に到る。

 それではなぜ根渡の根について、海中の暗礁というものにこだわったのか。それは根=海中の岩、暗礁というのを全国方言辞典で見つけ、青森県上北郡、岩手県釜石、宮城県亘理郡、千葉県夷隅郡、静岡県安倍郡と書いてあるのだ。前述の根渡の地域が一致する上に、これって蝦夷に関係する地域ばかりじゃないかという思いが湧いてきた。ひょっとしたらアイヌ語かなと思い調べてみるが、どうも見あたらない。もっともアイヌ語辞典に関しては地名に関する小辞典しか持ち合わせがないので詳しくは調べられないのだが。つづく

【作業日誌 6/21】Img_4778
木小屋増築完成




今日のじょん:じょん語録(51)おしっこうんこじょんじょんじょん
何かをしようかというときにリズムのよいかけ声で言ってやると理解しやすいようだ。毛をとくときは「けーとくちん、けーとくちん」とかけ声をかけて歩いていくとちゃんと用意する。同様に朝一は「おしっこうんこじょんじょんじょん」といって扉を開けると、だーっとオシッコしに行く。Img_4571

 
かけ声と共に飛び出してくるのだ。

コメント (2)
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