東の散歩道

B型ヴァイオリニストのマイペースライフ

市民会館にて

2013年07月02日 23時26分14秒 | コンサート、バレエ

 N響&小林研一郎氏の山形公演に行って来ました。実は「市民会館なら収容人数が多いから、きっと当日券でも大丈夫」と余裕でいたのですが、フタを開けてみればほぼ満席。さすがN響、危うく入り損ねるところでした。わずかに空いている席は、どれも中途半端としか言いようのない席。ならばと思い切って取ったのは、なんと一列目。最前列は、大学生の時に聞いたイスラエルフィル&ズービン・メータの演奏会以来です。篠崎氏の背中を間近に見ながら、ほとんど舞台上で一緒にいる感覚で、楽しむことが出来ました。

 プログラムはベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番とベルリオーズの幻想交響曲。ピアニストには人気・実力共に指折りの小山実稚恵さんで、磨きこまれた美しい音色を堪能させて頂きました。

 ベートーヴェンからベルリオーズ。単純にものすごく大きくなった編成を見ただけでも(ちなみに今回1stヴァイオリンは、ベートーヴェンが6プルト、ベルリオーズが8プルトでした)違う時代性を感じますが、年は30歳以上離れているものの、一応同時代を生きています。幻想交響曲は、ベートーヴェンの死から3年後に作られた作品です。膨大に増えた楽器の種類、コルレーニョ(弓の木の部分を叩くようにして弾く奏法)といった新しい技法も斬新ですが、失恋して麻薬に手を出した芸術家の物語を標題とした作品らしい「異常性」が何より新しいような気がします。この曲の初演に立ち会った人々はさぞかし驚いたことでしょう。

 室温調節がうまくいかず、「幻想」の楽章間で二度の中断が入りましたが、慣れない会場もものともしない熱演。学ぶところの多い演奏会でした。演奏を聞きながら「ああ、やっぱりオーケストラは良いネェ!」と気持ちも新たになったところで、また明日からのお仕事も張り切って参りたいと思います。

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