自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キタキチョウの成長(5)

2016-07-23 | 昆虫

7月4日(月)。朝。透明感がすっかり消え,全体が黄色みを帯びてきました。急激な変わりようです。


夕方。翅の中が薄っすらと見えます。いかにも黄色の翅がそこにあるといった感じです。いつ羽化してもおかしくない様子です。

 
7月5日(火)。早朝見ると,すでに羽化し終えていました。「残念!」。この経過を踏まえて,次回はチャンスを逃さないようにしたいです。いつになるでしょうか。

 

  


ダンゴムシ,恋風景

2016-07-23 | 生物

どうやら,この時期はダンゴムシにとって恋の季節らしいです。

自宅敷地のコンクリート上で,ダンゴムシが群れています。見ると,ばらばらにいるものやら,恋に落ちているものやらがあちこちにいます。湿ったコンクリートで,コケが生えています。日陰になっているその場所は居心地がよいのでしょう。おとなにとっては駆除の対象になっても,子どもには人気者のダンゴムシ。しばらく観察することに。 

オスがメスの上に乗っかかるようにして,頭部を近づけています。この格好で,「ははーん,求愛なんだな」とわかります。


この場面はあっちやこっちで見られます。 


やがて,オスはメスを抱え込みます。これが交尾場面。 


ここでも,同じ風景が。 

 
なかには,恋敵が現れて争いが起こることも。結末がどうなるか,見届けるゆとりはありませんでした。だって,長々と続きそうだったものですから確認せず,です。 

  


コモリグモのこと

2016-07-22 | 生物

コモリグモは,文字通り子守りをするクモです。このコモリグモ科のなかまに久しぶりにあいました。畑仕事をしているときでした。

目の前を卵嚢を腹部先に付けた母グモが急いで通りかかりました。急いで歩いて,ときに止まって,また歩いて,そして止まって,というふうでした。わたしが動くと,方向を変えました。明らかに警戒しているのです。

止まっているときに撮ったのが下写真です。名は同定していませんが,ウヅキコモリグモあたりかなと思われます。

 

 


悪いと思いながら,卵嚢を離して石で見えないようにしました。母グモはそこから去ろうとしません。もちろん,そうでしょう。次に,卵嚢が見えるようにして前方に置いてみました。目に入ったようで,すぐに駆け付けて来て,からだで抱きかかえるようにしました。 

 


卵嚢に,どんな状態で子どもたちが詰まっているのか,確認するために覗いてみました。生態をすこしでもくわしくとらえたい行為なので,クモには許してほしいと願いながら。中には 白と黄で彩られた幼体がたくさんいました。赤子の姿です。それらが,突然の出来事に遭ってびっくりしたように動いていました。 

 

 
このあと,子どもたちを母グモに返しました。巣で卵や子を守り続けるクモもいれば,こんなふうに卵嚢を運ぶクモもいます。小さな世界は広いなあと感じます。

 


シオヤアブ,恋の季節

2016-07-21 | 昆虫

ミュージアムのある公園でシオヤアブを見かけました。わたしが歩いていると,足元近くに降りたのです。それは交尾したペア。毎年今頃,シオヤアブやアオメアブをよく見かけます。

警戒心が結構強くて,近寄ると気配を感じてパッと飛び去ることが多い反面,慎重に近づけば感づかれないこともあってホッとすることも度々。今回は後者のほうでした。

砂利道に降り立ったので,祈る思いでカメラを近寄せていきました。接写モードです。左がメス。右がオス。オスはやや小型で,腹端には白い毛が束状になって付いています。

 
しばらくすると,飛び上がりました。そうして,すぐ近くの芝の上に着地。今度はオスの前方から撮影。なんらかの影が目に入っているはずなのに,飛び上がりませんでした。お蔭で,こんな一コマが撮れました。

 
この公園では卵鞘をまだ見かけたことがありません。下写真はつい先日我が家の庭で見つけたものです。サツキの葉の裏に付いていました。

 

  


しまったぁ! イチモンジチョウの卵が落下!

2016-07-20 | 昆虫

庭のハギの葉になにかが卵を産み付けていないか,見ていくうちに目にとまったのが一粒の卵らしきもの。直径1mm程度です。コンデジの撮影モードを顕微鏡にして,拡大しながら確認。すると,まちがいなく卵であることがわかりました。


球形で,表面が規則正しく凸凹しています。あとで調べてわかったのですが,どうやらイチモンジチョウの卵に似ています。しかし,腑に落ちないのはイチモンジチョウの卵がハギの葉に付いている点。幼虫の食草はスイカズラ科の植物なので,不確かさが残ります。

卵は産みたてのときは純白。今,これが確かに変わって来ていて黄色みを帯びています。中に幼虫のからだの一部らしいものが確認できます。


「よし,正体を見届けよう」。そう思った途端に,撮影用に差していた棒が倒れて葉を直撃! 「あれーっ!」と思い,確かめたらすでに落下済み。「あーっ,残念!」と悔やまれましたが,どうしようもありません。

前にも他の卵を観察中に同じ失敗をしでかしました。慎重のうえにも慎重さがいるなあと思った次第です。惜しいことをしました。地上で孵化した幼虫が木に登って来たらよいのですが。

 


アリの大集団が!

2016-07-19 | 昆虫

ついこの間の話です。

アリの行列は珍しくありませんが,アリの大集団が,それも地表に現れるというのはたいへん珍しいと思います。この光景を目撃して,ほんとうに仰天。

場所はミュージアム前のコンクリート歩道上。時間帯は出勤時。歩いていると,前方に黒いものがワァーッと広がっていました。「なにか,水でも撒いた跡かなあ」「土があるのかなあ」。そんな気持ちで近づくと,アリの大群だったのです。


こんな光景を見たことがないので,急いで写真に収めました。


近寄って撮りました。とくべつにかたまったところに,なにか訳でもあるのでしょうか。見た限りでは,わかりませんでした。アリが集団で引っ越しをしていたのでしょうか。


とにかくたくさん!


これを虫の目レンズで撮るとおもしろいだろうなと思いました。しかし,レンズはなし! このまま放置しているわけにもいかず,処理をしておきました。アリには申し訳ないことをしました。こんなわけで,朝から仰天した次第です。

 


エビガラスズメの幼虫(2)

2016-07-18 | 昆虫

あまりにも迫力ある姿なので,虫の目写真に撮りました。筋肉もりもりです。

 


こんなにからだが柔らかいのです。大きなからだを支えているのは腹脚と尾脚です。 


翌日は晴れました。ジャガイモの葉はずいぶん食べられてしまいました。 

 


その日のうちに,幼虫を1匹飼育箱に入れました。どうやら蛹化が間近になって来た予感がしたのです。夕方には,ジャガイモから幼虫の姿がすっかり消えました。 うち1匹がブロックに取り付いてじっとしているのを発見。

 


コンクリート上には糞と柔らかい排泄物がありました。ここで身軽になって蛹にでもなるつもりなのでしょうか。と思って見ていると,頭部を大きく動かしてなにかの動作をし始めました。 

 

 
口から泡状の液体を出しました。非常に特徴的な行動です。


ふしぎなことに,移動する気配がなかったのに,翌朝見ると姿がなくなっていました。鳥にでも食べられたのかもしれません。

数日経つと,飼育箱の幼虫が蛹になりました。傍には脱ぎ捨てられた皮がありました。


さらにその翌日のこと。別の場所で蛹を発見。そこはコンクリート上で,やはり皮がありました。本来なら地中で蛹になりますから,めずらしい光景と思われます。 

 

 


地域ミュージアムで考える(16)

2016-07-17 | 随想

ミュージアムには,そこに関心を向ける人にアピールする強いテーマがなくてはなりません。ミュージアムが林立するなかで,わたしたちのミュージアムが生き残るには地域の関心が深まり,来館者へのアピールに頼もしさが感じられなくてはなりません。

目玉が地球・天文なのははっきりしてしますが,わたし自身はまだなんだか足りないなあという印象を抱いています。地球なり天文なりが一味違った見え方がしてくる仕掛けがいるのではないか,これが正直な印象です。

たとえば,今のところわたしたちが発信したいメッセージがはっきり打ち出せていません。わたしはそのことを,旭山動物園で気づかされました。学校でも企業でも,目標のようなメッセージ風のようなものを掲げて組織づくりを内外にアピールしています。旭山動物園のそれはパンフレットに明確に記されています。『伝えるのは,命』。

それ流にいいあらわせば,わたしたちのミュージアムだと『伝えたい,地と宙のワンダー』ほどの言葉になろうかと思います。

また,たとえば,“地”と“宙”にちなんだ手作りの仕掛けがもっとあればと思うのです。近年展示内容をリニューアルして魅力を増したとはいえ,やはり展示物というものは基本的にはそこで働くスタッフの情熱が結晶化して,次々に産み出されるものでしょう。いえ,産み出されるべきものです。施設・設備の単なる運用では,いずれスタッフの創造的な力が衰えていくでしょう。そして,古くなった展示物が残されるだけで更新していく手作りの仕掛けはなし。これでは,あってほしいミュージアム像からは遠ざかるばかりです。

「ここならではの押し出しができないだろうか」。そんな気持ちで,ささやかな仕掛けを始めました。多面体地球作りです。段ボールを使っています。今は正四面体と六面体。大小サイズを変えて作りました。入館者のワンダーに訴えるつもりですから,どんどん手で触ってほしいのです。


置いているのは展示空間のあるところ,あちこち。「おやっ,ここにも!」という思いを持っていただきたいと思っています。繰り返し触れていただくことで,印象として刻み付けられるでしょうから。


一度,お越しください。「へぇー! やるねえ」と感じていただけるかな。 

 


ツバメシジミの幼虫と再会!(4)

2016-07-17 | 昆虫

7月15日(金)。朝見ると,ギシギシの葉柄に付いた個体がいよいよ羽化近しの兆し。からだの透明感から見ると,目が離せない状況です。

午前9時44分。いつ,殻が割れて出てくるのかドキドキして待っていました。


午前10時28分。殻が割れかけて,幼虫がからだを盛んに震わせています。 


同じ状態が数分続きました。胸部の毛,触角,複眼といったものが見えています。ふつうなら,するするっと現れるはず。それで異変を感じつつも,「あるがまま」を大事にしたいわたしとしては手を貸すわけにもいかず,見守り続けました。 


午前10時50分。からだの動きで,からだが葉柄からぶら下がった状態になりました。一方の翅は出ましたが,もう一方は殻に閉じ込められたままです。このままでは出られないと思い,出してやりましたが,もうダメでした。30分も経つと縮んだままで,もう拡がらないのです。 


羽化には,速やかで,順序にしたがった滑らかな変化が欠かせないことがわかります。貴重な観察例になるはずでしたが,このいのちにはほんとうに気の毒な結果になりました。 もちろん,これも生態を学ぶ上では貴重な資料になりますが。

 


エビガラスズメの幼虫(1)

2016-07-16 | 昆虫

プランターに植えた実生ジャガイモが育って,茎・葉が繁茂していると表現してよいほどの勢いを見せています。

ところが,小雨の降るある夕刻のこと,その真下の地表にウンコがどっさり。それも大きめ。「こんな大きなウンコをする落とし主は相当に大きな幼虫だろう」と思い,ジャガイモを見ると葉が食べられているのです。さらによく見て行くうちに目にとまったのが,大きなイモムシ,エビガラスズメ(?)の幼虫です。なお以下の写真はすべて翌朝のものです。


もっとよく見ると,あちこちに幼虫がいたのです。ジャンボな幼虫がこれだけいると,迫力めいたものさえ感じ,圧倒されます。とにかく仰天!


それまで気づかないでいたことはうかつでした。ここまで大きくなっては退治するのは気の毒。それでジャガイモに被害があるのは承知で見守ることにしました。

そうそう,ウンコの話を再び。大きさもさることながら,かたちがお見事! 赤かったら野イチゴの実を連想しそうです。


あるいは,昔の米俵風といったら想像がつくでしょうか。ウンコの真相は当の虫に聞いてみなければわかりませんが,いったいどんなしくみでこんなに律義にかたちが整えられているのでしょう。ほんとうに驚くばかりの姿をしています。