自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クビキリギス,越冬中

2012-12-31 | 生物

大晦日。今日も一日,掃除やら庭の手入れやら。それに畑にも行って,大忙し。

畑でふと鳥獣害防止用のネットを見ると,なんとクビキリギスがとまっていました。頭は紡錘型で,先近くに触覚と複眼が付いています。口器はオレンジ色。夏道端を歩いていると,「ジィー!」というにぎやかな鳴き声が聞こえてきます。これが,この声の主クビキリギス。

寒いので,動きは何とも鈍い限り。このクビキリギス,成虫で冬を越します。

これまでわたしは,厳寒期に何度かクビキリギスを見かけました。中には褐色をした個体もいました。今日見たのは緑色です。 褐色型になるか,緑色型になるか,それは終齢幼虫期に過ごした環境の湿度に左右されるそうです。湿度が低ければ褐色に,高ければ緑色になるとか。草の多い環境だと当然湿度が高いわけで,結果緑色になるわけです。

写真を撮っていると,頭にクモが現れました。クモには正体がちゃんとわかっているようです。

それはともかくとして,氷点下になる野外でちゃんと生き残るというのはすごいとしか言いようがありません。この変温動物に,とくべつなしくみが備わっているのでしょう。 

生態の上で,成虫のまま越冬することを選択したの背景にはきっと意味があるはず。冬季にこんな大き目のからだで過ごすのは容易ではありません。厳寒期は生存にとってたいへん厳しいでしょう。中にはいのち絶える個体もあると思われます。

しかし,春先になって他の昆虫に先駆けて活動を始めることができます。それに対して,地中で卵の越冬した種は幼虫から日数をかけて成長しなくてはなりません。

クビキリギスはその点,早々と活動を始め,さっさと産卵をします。産卵すれば,暖かな季節なので,孵化もその後の成長も早くなります。調べてみると,この種は一化性らしいのです。春から初夏にかけて産卵し,それが孵化して成長して成虫になり,そのまま冬眠するとか。

さらにおもしろいことに,産卵を終えた個体の相当数が二度目の冬を越すといいます。つまり,最長で2年も生き続けるのです。これは身近な自然に隠された驚異です。

年末に自然のいのちに出合い,すてきな締めくくりの日になりました。

 


カブの側根

2012-12-30 | 生物

畑ではカブもよく育ちました。カブもダイコンと同じアブラナ科植物ですから,根の出方も似ているだろうと思って改めてくわしく観察しました。

間違ってはいませんでした。丸い丸い根の下の方に,飾りのように付いていました。切れないように,もっと上手に掘り出したらびっくりするような感じではないでしょうか。根毛が見えたら,きっとそのふしぎが広がることでしょう。

よく見ると。主根を中心にして根の生える箇所が同心円を描いて広がっています。しかし,実際に側根が生えている場所は決まっています。主根の両側に行儀よく並んでいます。他のところでは,どうも退化しているように見えます。

ダイコンと似ています。

しかし,大きな違いが隠されているのです。丸ダイコンと比べればそれがよくわかります。ダイコンは根が太っているのですが(胚軸もそれなりに),カブは胚軸こそが太ったものであるという点です。根は機能としては大きな役割を担っているものの,付属部分ような姿になっています。

この調子でアブラナ科植物を点検していけば側根はどのように付いているのか,少し気になってきました。これらダイコン,カブなどと同じ規則性があるのでしょうか。ミズナ,キャベツ,コマツナ,ノザワナなど,すべてに共通しているのか,あるいは限られた種で共通しているのか,です。

 


今も日なたで活動中,アブとハエ

2012-12-29 | 日記

12月29日(土)。昨日と打って変わったような穏やかな一日でした(最高気温12.2℃/午後1時33分)。見上げると青空が広がっていました。その空の下で大掃除や 庭の手入れに明け暮れました。

作業中,目の前をホソヒラタアブが飛んで来て,木の葉にとまりました。冬の今,活動しているのにびっくり!

「じゃ,枯れて萎んだサザンカの花にも来ている昆虫がいるかも」と思って,ついでに確かめました,するとふしぎふしぎ,ちゃんと訪れていたのです。ツマグロキンバエです。甘味が残っているのでしょう,口吻を伸ばして花弁の表面を舐めているのが印象的でした。

すぐ傍の灯篭の上に,ハエがとまっていました。 それが脇のサザンカの木に移動したものですから,後を追って行動を観察しようと思い追いかけました。

ハエは葉にとまって,すぐに消えていなくなりました。ついでに萎んだサザンカの花に何か変化はないか見ると,ハエの死骸がくっ付いているのが目にとまりました。 

どうしてこんなところに,こんなふうにあるのか,ふしぎに思えて来ました。もしかすると,クモに捕獲され放置された個体が亡き骸になって偶然ここにあるのかもしれません。クモの巣から落ちたのかも,です。それとも,カマキリに捕まった個体だったのでしょうか。あるいは,……?

今日は,この時期にたくましく生きている昆虫がいること,そして昆虫のいのちが絶えた厳かな風景が存在することを感じる日となりました。

 


親子栽培体験農園の収穫

2012-12-28 | 日記

古い話で11月のこと。親子栽培体験事業の一環としてダイコンの収穫をしました。よくできて,5家族は大いに満足されました。世話をしているわたしたちとしても,うれしさを味わえるひとときになりました。

こういう収穫行事のとき,せっかくなので何かひとつ印象に残る話をしたいと思うのはいつものこと。ダイコンの根にちなむ話を3つすることにしました。9月に植えた種がほんの50日のうちに驚くほど生長し,種の重さと比べ乾燥重量に換算して5000倍にもなっているという話,ダイコンの根は太い根全体ではないという話,それから,側根の出方に規則性があるという話,です。

その内の側根の話から。

4つの図を提示しました。①は側根なし,②は根の先付近に少しある,③は根の周り全体に広がっている,④は一列に根が並んでいる,というものでした。5人の子どもは全員が③。おとなは3人でしたが,「そんなこと思って見たこともなかったなあ」などとつぶやきながら結果は誤答。結局正解はありませんでした。正解は④で,180°反対側にも行儀よく並んでいます。側根の付いたところには小さな小さな窪みがあります。スーパーの売り場なら,側根がなくても窪みの並び方で想像できます。

「なぜそんなところに,行儀よく並んでいるの?」と尋ねても,ダイコンは答えてくれません。それが進化の結果なのです。ふしぎですが,そうなのです。

ただ,地上に出た青首部分には側根はまったくありません(下写真)。理由は簡単。そこは根でなく胚軸(茎の一部)が太った部分だからです。胚軸は,カイワレダイコンでいえば,双葉の下にある細長い軸のことです。この胚軸から直接側根が生えることはありません。したがって,上の写真では白い部分が根なのです。

「こんなことを知って,それがどうしたの?」なんていわないでください。知らないより知った方が,「へぇー!」と思うこころが刺激され少しだけ楽しくなるだけの話です。話のネタです。 

 


ヘビの抜け殻,あちこち

2012-12-27 | 生物

“あちこち”といえば,方々というふうに聞こえます。そのとおり,あっちにもこっちにも,なのです。こんな感じで,たくさんのヘビの抜け殻を見たのは初めてです。へビの姿を見かけなくなったといわれる今,たいへんめずらしいことかと思われます。

まずは,その写真をご覧ください。

場所は用水路脇の石垣。穴が開いていたり,草が適当に生えていたりします。もちろん,ほとんど枯れてはいますが。

ほんの一坪ほどの範囲に,抜け殻が6つも! 殻からみると,どうやらシマヘビかアオダイショウのようですが,棲息数の現況から考えると,たぶんシマヘビでしょう。マムシの殻はありませんでした。

なぜここにこんなに殻があるかといえば,もちろんたくさんのヘビが棲んでいるからとしか言いようがありません。けっして二匹とか三匹といった数ではないでしょう。では,なぜたくさん棲んでいるのかといえば,たぶん棲み心地がいいからでしょう。さらに,なぜ棲み心地がいいのかという問いには,「都合のよい棲み処があり,獲物が口に入りやすいからね」と,ヘビなら答えるのではないでしょうか。

つまり,複数のヘビが共存していく環境が整っているということなのです。

ほどほどの湿気,ほどほどの草,潜み込める穴倉,たっぷりの獲物。条件は最高! 草が適当にあれば脱皮で利用できます。草とコンクリートに覆われたところなら,湿りと乾きが適当に保障されています。用水路の脇なら,カエルがいくらでもいます。バッタやコオロギだって,たっぷりいそうなところです。

ヘビの皮から,その生態を連想をしてみる,そのくらしと自然環境をつないで考えてみる,そんな作業もまた意味のあることかと思います。

そして,こんなに自然が残っている場所が今もあることに感嘆するのです。 

 


とんどに備えて発火法を伝授

2012-12-26 | 日記

12月25日(火)。小雪がちらつく寒い一日になりました。近くの小学校5年生Hさん(男児)に来てもらって,マイギリ式発火法を伝授しました。

簡単に言うと,こうです。例年集落の伝統行事であるとんどで,点火用の炎をつくるのはわたしの役割でした。年によっては子どもとわたしでつくることもありました。発火法は年によって異なっていましたが,儀式であるという趣旨を踏まえてふつうはマイギリ式を採用していました。

もうずいぶんわたし中心にやって来たので,そろそろ子どもをはっきり主役にした方がいいのではではないかと感じていました。それで過日の実行委員会で提案し,了承を得ました。むらが元気になるためにも,子どもの出番をつくるのがとてもたいせつだと思うのです。それが舞台裏にいるおとなとしての配慮でもあります。

Hさんに「どれぐらいで火が起こると思う?」と尋ねると,「10分程かな。20分程かな」と答えました。彼は,これまでこうして火を起こした経験はないということでした。

はじめに,ポイントを解説しながら,炎にするまでの手順を示しました。彼は「意外に簡単や」とつぶやいていました。さて,結果は?

いちばんのポイントは火キリ棒の中心がぶれることなく滑らかに回転すること,火キリ臼と呼ばれる窪みから,棒の先端が外れることなく最後まで回転し続けること,の二点に尽きます。

それで,その練習をしばらくしてもらいました。

いよいよ挑戦です。ポイントを押さえて作業がうまくいくようになると,たちまち煙が出始めました。しかし,1回目は火種ができませんでした。

2回目。今度は,摩擦力が大きくなって来たときに回転が鈍り始めました。わたしが手を添えて成功。彼の力では,最後の段階で短距離走を走り抜くような瞬発力がいるようです。「50mを走る気持ちかな」と助言。

3回目。モグサ・アサを使って,火種から完全に炎にできました。もちろん,彼だけの力で。

「とても簡単なのでびっくりしました」と言っていました。まあ,3分程度で炎になったのではないでしょうか。わたしの手助けがなくても,できました。おめでとうの印に握手。

行事日は1月13日。今から緊張してもらっては申し訳ないので,「万一の場合はわたしが手を貸すからね」「一人でやれたら,みんなに感心してもらえる。ハッピーな年になれること間違いなし」と伝えておきました。

とんどがたのしみです。

(注)写真は本文とは関係ありません。小雪の舞うウォーキング道です。

 


カブラハバチの越冬幼虫

2012-12-25 | 昆虫

カブラハバチの幼虫がわんさか出現する季節になると,ずいぶんやられて来ました。大抵は,どこから,こんなにたくさんの幼虫が現れるのかと驚くほどの数が,野菜に群がります。全身がほんとうに真っ黒。体長が1cm内外。

指を触れただけで,ポロッと葉から離れて落下します。

先日,ミズナで見つけてじっくり腹脚を見ると……。なんと貧弱なことか。ちょこんと付いているだけ。吸盤のはたらきがあるのでしょうか。まるで落ちることを前提にした備えのようにさえ見えます。

容易に落ちるのは明らかに身を守る作戦だと思われます。攻撃的でなく,まったくの防御そのものです。しかし,非常に積極的な防御です。落ちると,地面でからだをUの字に曲げたまましばらくじっとしています。

厳冬期は,大半が地中で蛹になっていることでしょう。まだ蛹になり損なっている個体が,時折雪が降りかかる葉にいるというわけです。アオムシ同様,大した耐寒性を有しています。葉にくっ付いているのは,もちろんそれを食しているからなのです。実際,口を動かして貪欲に食べています。葉は,ある場所では無惨に食べられています。

個体は意外に元気そうです。地面に落ちた個体を葉においておくと(上写真),すこし経ってからからだを伸ばして動きかけました。ついでに,排泄物も出しました。

歩くのが結構速く,排泄物を落としてこんなに移動しました。

先に野菜とかミズナとか書きましたが,わたしがこれまでに被害を被ったものでいちばんひどかったのはダイコンです。軒並み,葉が葉脈だけになりました。農薬を撒くのが嫌なので,そのままにしていると,少しだけ葉が復活しました。しかし,収穫量は激減です。太さも期待外れ!

この幼虫は他にアブラナ,カブなどのアブラナ科植物の葉を食い漁るので,俗に「菜の黒虫」と呼ばれているとか。わたしは「黒虫」とだけ呼んできました。確かに,アブラナ科植物を栽培するにはこの虫に相当やられるのを覚悟しなくてはなりません。

ところがふしぎなことに,「これぞ,カブラハバチの成虫だ」というものを実物では見たことがないのです。あるいは,見ているのにそれと気づいていないのでしょうか。たくさんいるはずですが,日常的にはまったく気にかけていないのでしょうか。成虫の出現期には,是非,この目でしかと目撃したいものです。

ところで,この虫のことで気になることがいくつかあります。上で書いたこととも重なる点がありますが,敢えて書いておきます。

その1。色が真っ黒いこと。緑色の葉に黒い地肌! 目立つといえばそのとおり,はっきり目立ちます。天敵には見えやすいはず。体表温度の加減からいえば,激しい影響があると思われます。以上はデメリットらしき点。メリットらしい点といえば,地面に落ちると土の色と混ざってわかりにくくなるぐらいでしょうか。つまり,土色に似せた保護色とか。これは人間の勝手な解釈に過ぎないでしょうが。

その2。体表が驚くほど凸凹していること。筋肉モリモリといった感じすらします。頻繁に地面に落ちているような気がしますから,振動から受ける影響を最小限にとどめるとか,からだの曲げ伸ばしを柔軟にできるとか,そんなメリットがあるのかもしれません。

その3。自然界の天敵は何なのでしょう。咄嗟にはクモやスズメ,ヒヨドリ,カマキリ,そんなものが浮かびます。しかし,自分の目で確かめたわけではありません。これはあくまで理屈上の話です。

それにしても,ふしぎな,そして耕作者には迷惑な幼虫です。

 


科学の“たのしさ”にゾッコン,Aさん

2012-12-24 | 随想

理科離れって言われかけてから久しいのですが,久々に「ボク,理科,大好き」ってはっきり口にする子に出会いました。「ほほう,これはこれは」っていう新鮮な感じで,わたしは聞いていました。

この子はAさん。わたしたちの科学教室にときどき訪れる小学校4年生ですの。先月の科学教室では浮沈子を使った水族館を作りました。そのときに来ました。山間部の小学校を会場にお借りして開催したのですが,まちの中からわざわざ来てくれました。そういう熱心さが,作業でも光っていました。「びっくりしたら,びっくりしたように,ふしぎならふしぎなように,こころをそのまま出すことが肝心」と言うと,演示を見てそのとおり反応していました。作り方を説明すると,もう黙々。

もちろん,満足感を持って仕上げることができました。

その後,シューター(ビニル製の細長い袋に空気を入れて投げる遊び道具)で遊びに熱中。ペットボトル2本をジョイントでつないで空気と水を入れ替える遊びに集中。

それが終わって,わたしにこう言うのです。「ボクも,このジョイントがほしい」と。理由を聞くと,家で繰り返してやってみたい,この実験はとてもおもしろい,というわけです。「どうやれば手に入るの」と聞くので,「ふつうは,ネットで買うほかないと思う」と答え,ヒントを伝えておきました。お母さんが迎えに来られたので,同じことを伝え,「もしわからなかったら,わたしに連絡してください」と付け加えておきました。

その後連絡がなかったので,うまくいったのだなと思っていました。「あれだけのこだわりを持って聞いたのだから,手に入れてたのしんでいるだろうな」とわたしは想像していました。

このAさんが先日の科学教室に来ました。万華鏡を作った日です。「わくわくしている」と教えてくれました。そのとおり,ほんとうに,自分の力で工夫してやっていきました。

終わって,満足そうでした。そして,こんなふうに話したのです。

「ボク,理科,大,大,大好き。それで,ジョイントのことだけど,手に入りました。実験をしているんだけど,あんなに回さなくても,軽く揺らすだけで渦がすぐできるよ。ちょっとした動きで水が動くみたい。……」

やはり手に入れていました。ものごとを追いかけてていねいに考えようとする目が,そこには芽生えています。1月の科学教室にも参加したいと話していました。科学教室のねらいは,何かを教えようとするところにあるわけではありません。学校では学べない,科学の風景に触れて,科学するこころを心地よく感じとってもらうところにあります。Aさんのようなリピーターをどんどん発掘したいと思います。

 


万華鏡を作る

2012-12-15 | 日記

勤務施設で計画した子ども向けのサイエンス教室で講師を務めました。テーマは『万華鏡を作ろう』です。

今回の作品は,先にビー玉を付けたタイプです。ビー玉といっても,直径25mmの本格的なガラス球です。チラシで募ったら,4人が申し込みました。田舎の子に,科学とのすてきな出合いをプレゼントしたいと思っているので,ほんの4人でも,わたしにはたいせつな教室生でした。この教室には中学生ボランティアが二人参加してくれました。

教室の流れは以下のとおりです。

 1 万華鏡について大雑把に知る。

  •  「万華鏡」ということば,作った経験やしくみについての知識を確認。
  • 万華鏡を覘く。(自作品,職人作品)
  • 大きな鏡1枚,2枚を使ったときの見え方

 2 入っている鏡について考える。 

  • 入っている枚数の予想

 3 万華鏡に入れる塩ビミラー板をつなぐ。

  • 3枚(1枚の大きさは2cm×19cm)

 4 筒に鏡を入れて,観察する。

  • いろんなものを見る。
  • ビー玉を付けて見る。

 5 本体を完成させる。 

  • キャップ
  • ビー玉の固定
  • 筒の模様

 6 覗いて遊ぶ

  • ひとこと感想も。  

4人とも筒の中を見た経験がありませんでした。なのに,鏡の数を2枚,3枚,4枚,6枚と思いのほか少なく予想したのは,前段階で鏡を覗いたことによると思われます。それでも,「たった3枚なのに,なぜあんなにたくさんのものが見えるの?」と聞かれました。わたしは,「それが鏡のふしぎだ。光のふしぎだ」とだけ答えておきました。

筒は紙製。職員が日頃から心得てストックしておいた材料です。内径は25mm。長さを20cmにしました。他の材料はそれぞれ市販品を買いました。参加費は100円に抑えています。

行政からは「消耗品等の購入は町内業者に限る」といわれているので,肝心なミラー板とかビー玉とかは自費で町外で買うしかありません(ネット通販!)。特殊な品は,安価なものであってもなかなか手に入りません。それで困るなら,万華鏡は作る必要なしというわけです。その制約によって,極力公費支出を抑える歯止め効果となってきただなんて! いかにも杓子定規な話です。

それはともかくとして,2時間後,りっぱに「世界で一つだけのわたしの万華鏡」が完成しました。それぞれに自分の工夫がありました。子どもたちは大喜び。わたしたちも同じです。

感想文のなかに次の一文があって,職員としてもわくわく。「すごく不思議で,わくわくした」(4年),「きれいにできて,よかったです」(1年)。充実感をプレゼントできました。こんなわけで次回は,2月に別のタイプの万華鏡を作る計画を立てています。

 


排水路にメダカが!

2012-12-14 | 生物

自宅脇を流れる排水路の水溜りで魚が群れている箇所があります。そこは一定の流入水があるので,四季をとおして水が干上がることはありません。

魚種を確認しておこうと思って網を入れました。カワモツやタモロコ,ウグイといった魚が網に入りました。魚以外ではカワエビがたくさん。それはごくふつうの生態系なのですが,メダカがいたことは驚きでした。

この水溜りの下流に枯れ草や泥が溜まり,水の流れが止められたところがあります。そこにも魚の気配がしたものですから,網を入れました。今度はメダカがたくさん入りました。これにはもっとびっくりしました。

コンクリートの排水路にメダカが生息しているとは! 

さて,わたしがふしぎなのは,このメダカがどこで生まれたかです。ここなら,すごいことです。土砂を取り除いて流れをよくすると,とてもじゃありませんが,メダカがくらす環境は維持できないでしょう。毎年5月には,「溝掃除」と称して村中できれいにするのが慣例になっています。それを考えると,どこからか流れてきた可能性が強いと思っています。

この発見で思うのは,まだまだメダカの生息できる環境が残っている,しかし,どんどん追いやられてどこかで細々としか生きていないような実に頼りない環境だという点です。失うのはあっという間の出来事です。その後の環境についての思索がなくって,「昔はメダカがたくさんいたなあ」と会話だけで懐かしむ,人間の浅はかさです。