自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

❜17 春,虫の目写真(13)

2017-04-30 | 生物

コンビニの駐車場にて。

目の前で黒いものが動いていました。なにかなと思って近づくと,それはクマバチで,すこし苦しんでいる様子。苦しみながら,なんとか飛びたいという意志が見えてきます。かわいそうに。寿命が訪れたのでしょうか。蜜を吸うのはこれからというのに。 

 
すこしずつ歩いて移動しました。自動車のタイヤの下敷きにならなければよいのに。


脇を自動車が盛んに通り過ぎてゆきます。 

 
ひっくり返ると,背に砂が付きます。元の姿勢に戻ると,堂々とした格好に見えます。

 


飛びたい,飛びたいと必死なのでしょう。 

 

 
わたしには,そういう必死な表情が伝わってくる気がします。このクマバチ,脇の空き地においてやりました。その後どうなったのか,気になっています。 

 


ナナホシテントウの変身(続)

2017-04-30 | 昆虫

これだけどっさりいると,いろんな成長段階が一気に見られます。それもおもしろいほどに。

真新しい木の葉にいるのは,もちろん,蛹になりたいからです。「これだけ大きなからだになったからには,もう次の段階に移るのみ!」といわんばかり。

 
前蛹になった個体がありました。尾端を葉の表面に接着して,からだごと落ちてしまわないようにしてから変化が始まります。

 
脱皮した前蛹もあちこちに。脱ぎ終わった皮を尾端側に送って,黄色の初々しいからだが生まれてきました。

 
横から見ると,頭部が浮いているのがわかります。

 
時間が経過すると,黒い斑点模様がくっきりしてきます。色も全体として濃くなります。

 
もっと経過すると,落ち着いた感じになります。羽化が迫っています。

 
集めて一枚の葉に載せたわけではありません。たった一枚に,こうして向きまで揃えて行儀よくならんだ個体があるのです。それもあちらこちらに。

 
これだけあれば,いろんな姿をそれこそ手に取るような感じで観察できるでしょう。顕著な変化が見られたら,報告しましょう。

 


❜17 春,虫の目写真(12)

2017-04-29 | 生物

アゲハの庭にて。暖かくなって,それとともにジャコウアゲハの羽化が続いています。

陽が高くなってきた頃,庭の花にアゲハがいることに気づきました。花の高さは20cm。まだ舞い上がる気配がありません。風景の鮮やかな色彩が印象的なので,虫の目写真に残すことにしました。

これだけ低ければ,這う態勢になって被写体をとらえなくてはなりません。もちろん,こういう絵にはめったにお目にかかれないので,そうすることに。

 


視野からからだがはみ出してもよいし,むしろその方が迫真に迫れる気がします。きれいにというよりも,虫の目と一体になったつもり,という目線に立てるのがこの写真のよさです。 

 


光量がじゅうぶんあれば,気難しがり屋のレンズでも色を鮮やかに表現できます。

 

 
これなので,這う姿勢はやめられません。 

 


ナナホシテントウの変身

2017-04-29 | 昆虫

ウォーキング道沿いにカラスノエンドウの群落がずっと続いていて,至るところにわんさとアブラムシがいます。すると,当たり前なのですが,それを食する天敵ナナホシテントウがこれもわんさと出現。もうすごいばかりです。

 


一つの種が殖えれば天敵も増える,それが自然の法則です。うまくバランスがとれているところに,しくみの妙があります。 バランスを崩す事態が生じると,それを元に戻そうとする力がはたらくのです。

幼虫がアブラムシをねらっています。


こういう姿はあちこちで見られます。


そのうちに,アブラムシを食べている幼虫を発見。大顎で捕らえた姿がすごいので,拡大写真に収めました。アブラムシは時折逃れようとしてか,動きました。幼虫からはまた,それを放さないぞといった決意のようなものがもがき続けるアブラムシをとおして見えてきました。

  

 


❜17 春,虫の目写真(11)

2017-04-28 | 生物

アゲハの庭園にて。庭の脇を通りかかると,ツゲの垣根に,黒いものが付いていました。見ると,孵化して間もないジャコウアゲハ(メス)でした。きっと枝に蛹があって,羽化後そこから歩いてきたのでしょう。まだ翅は湿って柔らかく。よれよれ状態でした。


せっかくなので,虫の目レンズを使おうと思って撮ったのが下の2枚です。剪定していないので枝が伸び,環境はあまりわからないのが残念。でも,枝があるからこそ羽化後この位置までやって来たともいえます。 

  
日を浴びて,翅が乾くのをじっと待っていました。この位置なら翅が垂れ下がって,うまくいくでしょう。そういう場所を選ぶ行動が遺伝子情報に組み込まれているのです。ふしぎといえばふしぎ,当たり前といえば当たり前です。

 

 
ウマノスズクサが伸びてきました。いよいよジャコウアゲハの季節です。 

 


❜17 春。アカタテハの成長(1)

2017-04-28 | アカタテハ

アカタテハの幼虫の食草はカラムシです。カラムシが伸びてきて,若葉を付けてるのを見ると,カラムシの卵や幼虫を思い浮かべます。今年もその季節になりました。

道端や家の庭に生えたカラムシに卵が産み付けられていないか,近頃気になりかけていました。しかし,まだ産卵時期が早いようで見ても卵は見つかっていませんでした。ところが,昨日4月27日(木)の朝,庭に生えているカラムシの葉を見てびっくり。翡翠色の卵が付いているのですから。 

 
驚いたことに,あっちにもこっちにも。複数の成虫が訪れたのでしょうか。


接写で撮ると,澄み切ったきれいな卵!


こんなふうに突然の出合いがやって来ました。もしかすると,とても印象深い孵化場面を目撃できるかもしれません。観察を続けます。 

 


ハナウドで見かけたキアゲハの卵

2017-04-27 | キアゲハ

4月24日(月)。

いつものウォーキングで。ハナウドが伸びてきて,今いちばん目立つ草です。大きめの葉は他を圧倒しています。この葉にはキアゲハが卵を産み付けたり,そこに幼虫がいたりするので,たいていはそれとの出合いをたのしみにしながら歩きます。しかし今春は,キアゲハを見かけなかったので,卵の産付はまだまだ先のことばかりと思い込んでいました。

ところが,「それでも,一応確かめてみよう」と思い,探してみたのです。すると,なんとすぐに目にとまったのです。それも産み付けてから日が経ったものもあるのにはびっくり。


さらにびっくりしたことに,あちこちで見つかったのです。


さらにさらに驚いたことに,群生している葉ではなく,草刈り後に伸びてきた一本立ちした葉ばかりに! キアゲハには,ぬっくと突き出た葉の方が目に入りやすかったのかもしれません。たぶんそうなのでしょう。


4月25日(火)。

卵の付いた葉を数枚持ち帰ることにしました。もちろん,継続観察をしながら孵化の様子を撮影するためです。

 

 


ホソヒラタアブの幼虫・囲蛹

2017-04-27 | 昆虫

畑に植えていたカブが花を付け,その葉にモンシロチョウが盛んに産卵。それを観察している最中に,ホソヒラタアブの幼虫を数匹発見。幼虫はアブラムシを食して成長します。そのアブラムシが数匹いることを確認。幼虫がいることはごく自然なことだったのです。

 


幼虫を飼うのは自信がなかったので,そのままにしていました。そして後日,つまり今日4月27日のこと。モンシロチョウの卵を探しているときに,目に入ったのがホソヒラタアブの囲蛹。これはなつかしい!  透明感があるのは変態して間もないからです。囲蛹の発見で,それと幼虫とがつながって見えてきました。

 


こんなに透き通った感じ。生々しいばかり。


囲蛹から羽化する,まさにその瞬間をまだ見たことがないので,できれば見たい! そう思って,もちろん持ち帰ることに。

さて,結果はどうなるでしょうか。 

 


❜17 ホッカイコガネ栽培記~真正種子編~(11)

2017-04-26 | ジャガイモ

4月19日(水)。ずいぶん丈夫になって来た感じです。高さは2cmほど。


第1節からはストロンが見えかけました。 


節に,赤みを帯びた塊茎が膨らんでいるものも。 


ストロンが下方に伸びていきます。 


拡大して写すと,とても特徴的で個性的です。一年ぶりに見る姿です。 

 
4月21日(金)。休み。ストロンが伸び出したので植替え作業をしました。育苗箱からポットへの移植です。

  

 
こちらは連結ポットです。

 


これからぐんぐん育つでしょう。ただ栽培するだけではもったいないので,実験的な栽培にするつもりです。 

 


地域ミュージアムで考える(61)

2017-04-26 | 随想

火を起こす体験というのはいろんなところで行われています。わたしの知る範囲でも,考古学関連施設以外にも青少年宿泊施設の体験メニューに加えられているところがあります。その内容が公開されているHPもあります。

そうした取組に見られる傾向として,考古学知識の普及といった側面があるように思われます。要するに,火を起こす体験をしてみる,体験をとおして火について考える機会を提供する,そんな感じです。取り上げるのも大抵は(ほとんど!)マイギリ式です。

わたしの感想は,失礼ながら「今も相変わらずだな」のひとことに尽きます。火起こしの原初的な意味合いや苦労を考える機会にするのなら,当然,より古い時代にさかのぼるべきでしょう。となると,取り上げたい発火法はキリモミ式であり,火打ち式であるということになります。

これに時代考証を加えて,体験者自らが発火の意味や歴史にひととき思いを馳せるように配慮しなくてはなりません。わたしはいつも,①発火技術に対する関心と理解,②からだに沁み込む体験,すなわち体感重視,これら2点を気にしながら仕組む必要があると思ってきました。

以上は前書きです。

わたしたちのミュージアムではこれらの発火法を重点的に取り上げて『土曜ちょこっとサイエンス』のメニューに位置づけ,来館者に体感していただいています。外での活動になるため,冬を除いて行ってきました。

さて,4月になり暖かくなってきたので,このほど再開しました。さっそく印象深い場面がと出合うことができ,滑り出しは上々といったところ。

興味深く見ているだけで,直接体感しようとされない方がありました。「見ているだけで十分わかります」。なかなかしようとされないのです。長い間見ていて,そのうちやっとわたしの誘いに乗ってついつい火打ち式で参加。わたしとしては,「それだけ関心を寄せていらっしゃるんだなあ」と判断したわけです。


できると,「なるほど,できるもんですねえ」とにこにこされていました。

キリモミ式は二組の挑戦で,どちらも成功しました。

 


盛り上がって,周りは人だかり。

 


火打ち式はたくさんの方がチャレンジ。

 


火起こしは単なる体験遊びではありません。❝ごっこ❞遊びでもありません。やや大きくいえば,❝火づくり体感❞であり,神聖さを秘めた❝学び❞です。そういう意味づけのあるサイエンス企画こそ,わたしたちが試みたいものなのです。