自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

モンシロチョウの卵,そして孵化

2024-05-31 | モンシロチョウ

道端に生えるイヌガラシの葉に,モンシロチョウはどんどん産卵します。畑の作物だけでなく,自然の中に生えたアブラナ科植物はモンシロチョウの幼虫の大好物なのです。

朝,いつも歩く道端でイヌガラシを調べると,案の定どっさり卵が付いていました。

 

こんなにあるのなら孵化がきっと観察できるだろうと思い持ち帰りました。卵の色はいろいろ。これは産付日が異なっているからです。別個体の成虫が産み付けたのでしょう。思ったとおり,昼にはさっそく孵化が二つ観察できました。そのうちの一つをご紹介します。

これが孵化直前の卵です。顎がくっきり。そのままの向きで孵化します。卵サイズは高さ1.0mm,直径0.45mm。

 

顎の動きが盛んになると孵化間近の印。

 

顔が出てきました。ちょっとだけ休むといった感じ。

 

ぐうっと頭を出します。

 

着地寸前。

 

倍率を上げて奥行きのある風景を撮る場合,頭部にピントを合わせると他はボケてしまいます。接写の限界です。それを避けるとなれば,低倍率で撮ってトリミングするほかありません。

 


ニジュウヤホシテントウの孵化

2024-05-30 | 昆虫

ニジュウヤホシテントウの孵化については。過去何度か取り上げました。今年もまたジャガイモが育つ中,葉裏にあちこちその卵を見かけます。成虫もあちこちに。しかし,退治はせず放っています。被害がひどくなりすぎたら考えなくてはならないでしょう。

せっかくなので,羽化前後のようすを超接写で記録することにしました。以下は,できればシャープな画像を得たいなという気持ちで試みた記録です。

孵化直前の兆候は比較的わかりやすいです。卵殻に横方向のしわが見えかけます。これは表面が波打っているからです。併せて頂部付近に茶色っぽい斑点が複数現れます。それらは眼と大顎です。こうなると,目が離せなくなります。実際,いつ孵化の瞬間が見え始めるのか予測がつきません。なお,卵サイズは直径0.5mm,高さ1.3mmです。

 

写真中央の卵をご覧ください。先の方がほんのすこし破れかけ,眼が覗いています。この写真は孵化の始まりを撮った決定的瞬間といってよいものです。

 

頭部が出てきました。

 

からだを反るようにして殻から抜け出ます。

 

この一枚は別個体の例で,同じ状況にあるときの画像です。たまたま静止した瞬間があったので深度の深い画像が撮れました。

 

元の個体に戻って。ほぼ全身が現れました。

 

すっかり出てきました。

 

こうした孵化が他の卵でも次々と起こります。たぶん振動がそのきっかけになるのでしょう。時間をおいて見てみると,一気に,どっと増えるのでびっくり仰天。

 

人の生産活動に害を与えても,これらのいのちはそれぞれの生きものとして当たり前のくらしを淡々と続けているにすぎません。いのちはどうあれ,わたしたちが粗末にできるわけがありません。そういう意味では,このニジュウヤホシテントウの誕生もまたこころを打つものがあります。

 


ツマグロヒョウモン,産卵と孵化(4)~孵化後~

2024-05-29 | ツマグロヒョウモン

孵化直後,ツマグロヒョウモンは特異な動きをします。いずれの個体でも観察できる行動です。見ていると,まるでそれがおどけたしぐさのようにさえ見えるのです。

 

からだをくねくね。

 

向きを変えてくねくね。

 

ひょうきん者といった感じ。

 

誕生の歓喜でしょうか。ウォーミングアップなのでしょうか。

 

とにかく特異な動きなのです。特筆しておきたい事実です。

 


ツマグロヒョウモン,産卵と孵化(3)~孵化!~

2024-05-28 | ツマグロヒョウモン

孵化はとにかくさっさと進んで行きます。目を離すと,「もう出てしまっている!」とびっくりすることがよくあります。観察と撮影にゆとりはありません。

 

出てくるときは,やはりカメラ位置を変える方がよいと思い,この撮り方をしました。実際は葉裏にあるのです。つまり逆さ状態です。

 

頭がすっぽり出ました。超接写ではピント合わせがむずかしくなります。側単眼にピントを合わせます。動く被写体の場合はたいへん。

 

ぐうっと出てきました。

 

これが孵化の瞬間です。

 

ツマグロヒョウモンの孵化兆候はまるでわかりません。ずっと気にかけていてやっと,卵殻が破られかけた瞬間をキャッチするという頼りないものなのです。気長さが肝要です。

 


ツマグロヒョウモン,産卵と孵化(2)~孵化前~

2024-05-27 | ツマグロヒョウモン

5月25日(土),午後5時。産卵後8日が経過。

卵の頂部が黒いのは幼虫の頭部が透けて見えるからです。

 

毛も見えます。ときに動くことがあります。目が離せない状態です。この日の夜は万一に備えてインターバル撮影にして寝ました。

 

カメラ位置を変えて撮りました。

 

5月26日(日)。朝起きて確認。ありがたいことにまだ孵化していません。きっとすぐにも孵化するのではとの思いで,頻繁に確認。すると,まったくタイミングのよいことに殻が破られかけたのです。

 

時刻は午前8時。

 


ツマグロヒョウモン,産卵と孵化(1)~産卵~

2024-05-26 | ツマグロヒョウモン

5月17日(金),午後2時。玄関先のプランターで。

このプランターにはビオラを植栽しています。よくそこにツマグロヒョプモンが産卵に訪れます。産卵を見たくてプランターを置いていて,期待通りその場面を目撃できているという感じです。

この日も偶然ここでツマグロヒョウモンを見かけました。翅を盛んにこすり合わせる姿が見られました。これは卵を産みたくてしかたない行動です。こういうときは,じっと観察を続けるのがいちばん。観察者の姿に気づいていても,脅かさない限り産卵に至るまでの様子を目撃できます。ただ,すこしばかりの辛抱が必要です。

葉にとまったらしめたもの。

 

このときは,株の中に入って行きました。わずかな隙間から産卵を確認しなくてはなりません。しばらくすると,案の定産卵行動が! 腹部を葉に触れています。

 

チョウが去ったあと,葉を確かめました。葉裏に一粒。真っ白な卵です。産卵時刻は午後2時。

    

 

目印として茎にビニル紐をくくっておきました。

孵化までの経過を観察して,孵化場面を撮影したいと思います。一週間後が目安です。  

                                


'24 昆虫の頭・顔 ~ダイミョウセセリ~

2024-05-25 | 昆虫

玄関先で見かけたのがこのダイミョウセセリ。ふだんはここではめったに見ません。

葉にとまったので捕獲。この顔写真を撮りました。これのなかまは翅を開いてとまります。紙の上において撮りました。

 

地味な色合いで,顔の下半分は真っ白。複眼に被さった数本の長めの毛が特徴的です。これは眼に付着する埃を払いのけるのに役立っているのでしょうか。

 

じっとしている間に撮るって,じっさいはたいへん。

 

正面から見ました。複眼は単色です。ですから偽瞳孔を窺うことはできません。

 

用中の食草はヤマノイモのなかまのようです。今年は畑で栽培しているのでちょっとだけ気にかけておこうと思います。

撮影後,放してやりました。

 


ルリタテハ,卵から孵化へ(2)

2024-05-24 | 昆虫

5月1日(水)。卵を採取して6日目。いよいよ孵化近し。殻が透き通って,内部がすっかり見えます。動くのがよくわかります。

 

上写真を撮ってから7時間後。頭部を突き出したところです。からだを回しながら穴を大きくしていくので,どの位置から生まれ出るのか,よくわかりません。超接写撮影なので,葉を動かしてカメラ位置を決めるのがたいへん。

 

休むことなくさっさと出てきました。

 

着地! 無事に生まれました。

 

わが家で食草ホトトギスを栽培しています。この幼虫をその葉に載せておくことにします。きっと育ってくれるでしょう。

 


チューリップの実生,三年目の挑戦(11)

2024-05-23 | 植物

球根を掘り上げた日から数日後。秋の植付けに向け保存作業を行いました。球根以外の部分を取り除いてきれいにしました。

細長い,未熟な球根(鱗茎)には必要な養分が先に蓄えられていないので球根本来の役割が果たせないまま,ここで成長はストップ。これは捨てます。

 

きれいにした球根は大小さまざまです。小さなものには,「三年目にしてこれっぽちなのか」と驚くほどのサイズのもがあります。それも入れて収穫できたのは55個でした。なお,写真中の個数はそれより少数です。

 

大きな球根と一緒に撮りました。この写真では,今年できた平均的なサイズの球根を大きな球根に載せています。

 

おもしろさがこれから先も続くって,たのしいものです。

 


捕食 ~アカサシガメがコメツキムシを~

2024-05-22 | 昆虫

ニセアカシアの木でアカサシガメを見かけました。サシガメはなにかを捕食している様子。確かめるとコメツキムシでした。コメツキムシは宙ぶらりん状態です。

 

口元をきちんと撮ろうと反対側から撮りました。しかし,もっと近づこうとするとどうしたことか落下。

 

惜しいことをしました。枝を手にしたことが枝に振動を与え,これが災いしたようです。こういう場合は慎重に,慎重に。教訓です。