自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

超接写がたのしい夏(15)~ヤマトシジミ(1齢幼虫)~

2017-07-31 | 生物

カタバミの葉の裏を見ると,ヤマトシジミが孵化して出て行った卵殻が一つ。 

 

近くに幼虫がいないかなと思って探すと,葉の表側にそれがいました。体長1mm。からだを覆う毛がまことに立派。 

 

定位置から動こうとしないので,たぶんここを食餌場所と決めたと思われました。 

 

やはりそのようです。頭をすこしだけ動かしました。「よし,ここで食べよう」と決めたのでしょう。

 

今度は口を葉の表面にくっ付けて,食べ始めました。レンズを通さなくては見えない世界です。

 

時間をおいてから見ると,きっちり食痕ができていました。糞も落ちていました。しかし,当の本人(虫)は見当たりませんでした。もうどこかに移動していったのです。たぶん,葉の表側では身の安全を守れないと判断して,避難したのでしょう。 

 


ツマグロヒョウモン,夏の産卵,そして孵化(1)

2017-07-31 | ツマグロヒョウモン

7月29日(土)。正午近く。公園でツマグロヒョウモンの産卵風景を目撃。とっさに「よし,卵を採取して孵化までを追ってみよう」と思いました。それで,産卵場所を数カ所見届けていきました。

 

 

草は刈り取られてから一週間ほど経ったばかりなので,ほとんど伸びていません,その地表をチョウは,歩いて,ときにはわずかに飛んで移動して産卵をしていったのです。産卵したところには,枯れた茎を適当に立てていったので,再び探し当てるのは簡単です。

なかには,タンポポの葉(下写真),チガヤの葉に産み付けた例もありました。間違ったのかもしれませんが,食草の近くなら,じつにファジーなところがあります。過去のの観察例を振り返ると,結構いい加減な(?)場所選びになっています。

 

その後,草を株ごと掘り上げて植木鉢に植えました。これで観察がしやすくなりました。びっくりしたことですが,中身のないしわしわの殻が一つありました。

 

 

7月30日(日)。早朝。 わずかに黄色みを帯びています。画像は超接写で,トリミングなしです。

 

 

卵の大きさは,高さ1mm弱というところ。

 

 

 


アリに襲われるダンゴムシ

2017-07-30 | 生物

庭で見かけたのが,アリに襲われているダンゴムシ。ダンゴムシはからだを大きく曲げ,そこにアリがたくさん集まっています。これだけのアリに襲われたら,もうたまらないはず。見ていると,相当なダメージを受けているように見えました。ダンゴムシはすっかり弱っているので,アリは次々に攻撃しているのです。

鎧で防ごうとしても,隙間からアリが! 寄ってたかって,ダンゴムシを巣へ運ぼうとしています。

 

 

「わぁー,これはたまらん!」。そう叫んでいるように見えます。

 

 

鎧の内側に入られると,防ぎようがありません。

 

 

アリを追い払って,すこし離れたところに置いてみました。ダンゴムシは脚を動かしていたので,まだ死んではいません。

 

 

しばらくすると,アリたちが一匹,二匹とやって来ました。

 

 

アリの数は見る見るうちに増えていきました。

 

 

ダンゴムシは自然界の掃除屋さんです。地面をあちこち動き回ります。いくら鎧を着けて身を防備していようと,このように地上の外敵に襲われるときもあるのです。脱皮直後などはとりわけ危険でしょう。 

 


夏のキタキチョウ,孵化しなかった卵

2017-07-30 | 昆虫

キタキチョウの卵を継続観察しているとき,異変が生じている例に出くわしました。 下写真のものです。中がなんだかごわごわっとした様子です。白い塊りがいくつか見えます。

 

数時間後,塊り状のものが黒っぽくなりかけました。

 

異変に気づいてから一日が経ちました。顕著な様相を呈しています。 

 

見る方向を変えて撮りました。 

 

さらに変えました。

 

小さな卵に,さらに小さな卵でも産み付けられているのでしょうか。それならいずれ中から何かが出てくるでしょう。そうでないなら,そのまま黒変が続いて萎んでしまうでしょう。

いずれにしても,不幸な結末を迎えそう。 

 


吸汁するアムールシロヘリナガカメムシ

2017-07-29 | 昆虫

アムールシロヘリナガカメムシがサシガメに襲われているのを見て数日後。カタバミでアムールシロヘリナガカメを数匹見かけました。「何をしているんだろう」と思い,観察していると,わかってきました。 

 

 

実の汁を吸っているのです。

 

 

この個体もそうです。 

 

 

細い口吻を突き立てています。からだの大きさと比べると,実はかなり大きめ。たっぷりごちそうをいただけるというわけです。

 

 

先日の例では,こうしているときにサシガメに襲われたのでしょう。写真を撮っている間も,わたしの動きに反応はありませんでした。じつにゆっくりしたもの。過日,交尾中のアムールシロヘリナガカメムシを見て撮影しようとしましたが,わたしから遠ざかろうとして逃げ回りました。それで結局断念せざるを得ませんでした。

ふしぎといえばふしぎなカメムシです。

 


ヤマトシジミの卵(続)

2017-07-28 | ヤマトシジミ

卵がすべて無事に孵化するというほど,自然はなまやさしくはありません。卵を見ていくと,意外に途中でダメージを受けたものが目につくのです。

小さな穴が開いて,どうやら中身がなくなっていそうな例がありました。なにかの外敵にやられたのかもしれません。 

 

大きめの穴が開いた例もあります。中身は空っぽです。 

 

無残な例では,中身が飛び出した例も。いったいどんな経過をたどったのでしょう。

 

穴が開いたようには見えない例で,中央付近が窪んでしまっているものが。ふしぎなことがあるものです。

 

かたちは元のまま。変色してグレーになっています。この例は度々見かけます。中で異変が起こっているようで,孵化には至りません。

 

卵の時代にすでに,たくさんの受難にさらされます。これが自然界におけるいのちの実態なのです。 

 


超接写がたのしい夏(14)~ジャコウアゲハ(脱皮後)~

2017-07-27 | 生物

ジャコウアアゲハの孵化が続き,先に生まれた幼虫たちがどんどん成長していきます。数が多いだけに,葉の裏を見ると,脱皮しているときに巡り合えることがあります。

下写真は1齢幼虫が脱皮して間もないときを撮りました。頭部がまだ橙色です。

 

しばらくして,皮に向かいました。もちろん,これを食べるのです。

 

別個体です。脱皮して少し時間が経って,頭部は黒っぽくなっています。 

 

同じように皮のほうに向かいました。そして,さっそく食べ始めました。 

 

どんどん食べてしまいました。「なんと律義なー!」と感心するばかり。



超接写は新しい世界を次々と教えてくれます。

 


夏のキタキチョウ,孵化へ(続々々)

2017-07-27 | 昆虫

殻から出終わり,葉の表面に降りたばかりの幼虫はもうUターン。殻に向かいました。 

 

殻のところに行くと,さっそくそれを食べ始めました。

 

休むことなく,一心に食べていきました。 

 

どんどん食べていきました。

 

間もなく殻はなくなりました。殻を内側から開け始めてからここまで1時間。見応えのあるドラマでした。

 


夏のキタキチョウ,孵化へ(続々)

2017-07-26 | 昆虫

7月24日(月)。夜。

ついに孵化が始まりました。上部に穴が開けられます。

 

穴の大きさが,頭部が出られるほどになると,出てきます。透明感のある白い頭が現れます。側単眼がはっきり確認できます。

 

身を乗り出すような格好で,ぐうっと出てきます。

 

卵内部で折れ曲がっていたからだが伸びる様子がわかります。

 

そのまま葉の表面に向かいます。

 

第一歩を印しました。着地の瞬間です。 

 

殻を破り始めてからここまで,10分のドラマ。無事にいのちが誕生したのです。

                                     (つづく) 

 


アムールシロヘリナガカメムシを捕食するシマサシガメ

2017-07-26 | カメムシ類

あまり見かけないカメムシがなにか小さな獲物を捕まえているようです。口吻を突き刺しているので,捕食中だとわかりました。よくよく見ると,被害に遭っているのもカメムシ。カメムシがカメムシに襲われているのです。

あとで調べると,大きな方はシマサシガメ,小さな方はアムールシロヘリナガカメムシだと判明。アムールシロヘリナガカメムシは近頃庭でよく見かけます。

頭部と胸部の間に,吻がグサッとばかりに突き刺さっています。アムールシロヘリナガカメムシは微動だにしません。 

 

 

 

持ち替えて,というか突き刺し替えて胸部下側に吻が突っ立っています。 

 

シマサシガメはゆっくり動きました。逆立ち状態のときに撮ったのが下写真です。口吻のりっぱなこと! それに触覚も! 

 

吻を間接に突き刺した模様。脚で抱えているといった方がよいでしょうか。

 

下写真は吻の威力を示しているように見えます。 

 

うんと近づいてみました。吻先はほんのわずかに接しているように見えるだけ。

 

口吻の突き刺し先を替えて,体液を吸い始めました。

 

こんなふうに捕らわれると,どうしようもないといった感じです。ここにはサシガメのどう猛さが如実に現れています。