自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キタキチョウ,孵化へ(2)

2024-04-29 | 昆虫

4月24日(水)。深夜。

前記事と同じ日の遅い時間帯です。個体はその記事のおしまいの写真のもの。見ると,口元が忙しく動いています。ルーペでじっと見ていると,顎がすこし出ている模様。これは孵化のしるしです。

 

側単眼が見えて,口元が現れて。

 

ゆっくりゆっくり孵化。

 

葉の表面に脚が触れました。

 

すっかり出終わりました。この後,第一食として殻を食べます。母からの贈り物なのです。

 

キタキチョウ,今春初めての撮影となりました。卵を見つけたその日に写せるとは,なんとラッキーな。

 


キタキチョウ,孵化へ(1)

2024-04-28 | 昆虫

4月24日(水)。山麓の草地にて。

メドハギの新芽がにょきにょき。「これはキタキチョウの卵が期待できるなあ」と思いながら探すと,すぐ見つかりかけました。

 

葉裏にあちこち。卵サイズは高さ1.37mm,直径0.45mm。純白で,縦に筋がたくさん。

 

倒れた状態の卵も。側面が窪んでいるのは産付後日が経過しているからです。

 

葉の表側にもありました。

 

裏側に産み付けられた卵で,孵化がごく近いものも見つかりました。

 

同じ卵を向こう側から見ました。顎が動いています。

 

今春も,超接写で孵化までを見届けようと思っています。

 


“わんだぁ”の森の生きもの ~イシモチソウ~

2024-04-27 | 植物

“わんだぁ”の森は,わたしが勝手に名付けた呼び名。なんといっても,わが家の近くにあってひっそりとハッチョウトンボが生息しているという貴重な裾野です。

昨年も記事にしたように,イシモチソウが生えています。そのイシモチソウが今伸びて来ています。

 

初めて観察しました。

 

イシモチソウは食虫植物の一つ。といっても,昆虫を食べるわけでなく,それを捕獲して栄養分にして生きているというわけです。栄養分は肥料として,つまり昆虫を有機肥料として成長にあてているのです。そうするほかないほど痩せた土壌に追いやられた植物。いってみれば,草魂なり雑草魂なりのたくましい草なのです。

 

葉から生えた突起の先端にから粘液がにじみ出ています。もう昆虫が捕らえられています。

 

よく見ると昆虫が二匹被害に遭っています。

 

分解されたらかたちがわからなくなります。

 

三匹も捕まっています。複眼に構造色もつこの昆虫はまだもがいていました。しかし,逃れることはまったくできません。昆虫には突然の地獄!

 

昆虫を待ち伏せるクモまで!

 

昨年はハッチョウトンボが被害に遭っているのを撮影しました。イシモチソウは追いやられた植物なのですが,そのくらしぶりはじつにしたたかです。

 


テングチョウの卵(続々)

2024-04-26 | 昆虫

4月20日(土)。夕方。

内部でかすかな動きが確認できました。影が動くのです。これは生きている証拠です。「なんとか孵化してほしい!」。

 

4月21日(日)。早朝。

黒っぽくなってきました。さて,これは順調ということでしょうか,それとも?

 

この日,旅行に出かけるので,小さな容器に卵を入れました。それをときどきに観察するつもりです。

夜,見るとずいぶん黒味が増しています。どうも不安です。この画像はコンデジで撮影しています。なお,他の二個も同じ経過をたどっています。

 

4月22日(月)。朝。

この黒さではもうダメではないかと判断。いのちにはかわいそうな結果になりました。貴重な観察が実を結ばず,惜しい,惜しい。

 

テングチョウの卵はとても探しにくいので,一年後を待たなくてはならないでしょう。ただ,それもたのしみのうちです。

 


テングチョウの卵(続)

2024-04-25 | 昆虫

4月18日(木)。

一つの卵で大きな変化です。幼虫のからだの一部が見えています。初めての観察なので,画像をきちんと残そうと思います。

 

凹み具合が前より大きくなっています。卵殻がとても薄い証拠です。

 

確かにからだができつつあります。

 

4月19日(金)。朝。

コントラストを強めにしました。褐色部分の位置に変わりはありません。

 

さて,どこまで記録できるでしょうか。ドキドキです。もちろんワクワクですが。

 


'24春 虫の目レンズは友 ~サクラ(もっと)~

2024-04-24 | 

遅咲きのヤマザクラのなかまです。じつに清楚なすがたに感じられます。そこが気に入っていて,この構図は毎年たのしみにしているものです。

 

沿線の春を記録したくて,電車を写し込むのをたのしみにしています。

 

奥からこちらに向かって進んできました。

 

これまでは単写で一枚に思いを詰め込むことをモットーにしていたのですが,今回はもっと楽に撮りたくて連写にしました。

 

結果,この一日だけで撮影を終えました。その点は体力を考えてよかったのではないかと思っています。行く春を撮り終えたなあというのが実感です。

 


イチゴで見かけた昆虫

2024-04-23 | 昆虫と花

わが家の畑にて。

イチゴが育って花をたくさんつけています。5月,赤く熟したイチゴを食べることがたのしみです。

さて,このイチゴの花は昆虫が花粉を運んでくれないと結実には至りません。イチゴを出荷している近くの温室ではミツバチを放っています。一匹が600円もすると聞いたときは目がぱちくりしました。では,露地栽培の場合はどんな昆虫が訪れるのでしょう。とても興味があります。実際に観察を続けていても,おかしなことに目立つほどには昆虫を見かけないのです。ふしぎです。

それでもと思いつつ,近頃気にしながら観察を続けています。するとある日,コバチがいるのを目撃。この瞬間はうれしかったですね。ハチが来ることは確かなのですから。しかし,この日はコバチを二回見ただけでした。

 

花から飛び上がったコバチを見ていると,すぐに葉にとまりました。からだに花粉が付いています。

 

同じ時間帯,モンシロチョウがやって来ました。見ると吻を伸ばしています。

 

大慌てで近づいたために露出オーバーの写真しか撮れませんでしたが,証拠写真にはなるでしょう。吻がくっきり。

 

モンシロチョウの吸蜜行動は数回見かけました。しかし,たくさん飛んでいる割にはごく限られた事例としか思えない感じです。それほど魅力ある蜜源ではなさそうなのです。

引き続き,イチゴの花と昆虫との関係を見守っていこうと思います。

 


'24 昆虫の頭・顔 ~クマバチ~

2024-04-22 | 昆虫

わが家の空き地でクマバチが飛び回っています。一匹のクマバチの近くにもう一匹が侵入すると,途端に追いかけます。追いかけて追い出すのです。見ているとこの繰り返しで,いかにも縄張りを守っている行動に見えてきます。

このクマバチを一匹捕獲。一晩限定で,顔写真の撮影を試みるためです。昼間は動きが激しいので撮影はまったくダメです。

さて,夜に入って気温が低くなったときに撮影開始です。しかし,開始とはいってもこれがなかなかたいへん。深度のより深い写真を撮るのですから,ある程度の時間じっとしているときがなくてはならないのです。一瞬だったら,そのチャンスはいくらでもありますが,時間の幅を考慮すれば至難です。生きた昆虫を標本のごとく撮るわけです。

何度も何度も,そして何回も何回もやってみてようやく撮れたかなと思われるのが下写真です。前脚先のかぎ爪も入れることができました。ただ,右脚全部を写し込むことはできませんでした。

 

真正面からです。触覚を少しでも動かしたらダメです。このコマはなんとか合格です。クマバチの凄みのような顔つきがよくわかります。前脚の様子を見るとクマそのもののよう。迫って来るように思えます。この個体は左右の複眼がかなり接近していることからオスとわかります。

 

二枚の写真にわたしなりの苦労が詰まっています。それでも,こうした撮影に飽きることはありません。

 


'24春 虫の目レンズは友 ~サクラの花筏~

2024-04-21 | 

サクラ(ソメイヨシノ)の花筏を撮りたくて,写真仲間に紹介してもらった地点に,とりあえず下見で行きました。そこは井堰があるので,水が適当に淀んでいるのです。期待どおりに花弁がどっさり浮いて,水の動きによって大きなカーブを描いていました。「よし,明日来て,きっちり撮ろう」,そう思って帰宅。

翌日,行ってみると,なんと花弁はまるでなし! がっくり! 水がかなり流されたのでしょう。それとともに花筏まで流されてしまったにちがいありません。諦めて,なんとか絵になるところはないかと思いつつ,一つの地点で撮影。

ただ,ごく小さな筏がゆっくりと流れゆくのみ。「それでも」と思いながら撮っていると,向こうの包みを堤をご夫婦が。これは絵になると思い,シャッターを切りました。

 

 

とってから,「これは春らしい光景だなあ」とうれしくなりました。

 

スケールの大きな花筏は一年後に取っておきます。今季は思い出深い画像がたった一枚ながら得られて,ほんとうによかったなあと感じています。

 


テングチョウの卵

2024-04-20 | 昆虫

4月15日(月)。

ケヤキの真新しい葉の表面にテングチョウの卵が付いているのを発見。初めて直接目にする卵です。それゆえに,テングチョウの卵をなんとか見つけられないかとずっと思ってきたわたしには,大いなる感激です。それも3個一度に見つかったのですから,まことにラッキーです。

 

せっかくなので,持ち帰って詳しく撮影することにしました。もちろん,孵化時を撮ることができれば申し分なし。中はモザイクのように見えます。

 

ラグビーボール状のすがたをしています。葉の表面にくっついてはいますが,じつに頼りなさそうな接着の仕方です。卵の姿勢が倒れ掛かっている感じがします。

 

同じ位置からさらに拡大して撮影。この卵のサイズを計算してみました。

 

すると,こんな数字が。高さ0.8mm,直径0.5mm。この数字の中に,表面の模様も含めてみごとなしくみが仕組まれています。こんな世界からテングチョウのいのちが生まれ出ずるのですから,まことにいのちバンザイです。