自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

コモリグモのこと

2016-07-22 | 生物

コモリグモは,文字通り子守りをするクモです。このコモリグモ科のなかまに久しぶりにあいました。畑仕事をしているときでした。

目の前を卵嚢を腹部先に付けた母グモが急いで通りかかりました。急いで歩いて,ときに止まって,また歩いて,そして止まって,というふうでした。わたしが動くと,方向を変えました。明らかに警戒しているのです。

止まっているときに撮ったのが下写真です。名は同定していませんが,ウヅキコモリグモあたりかなと思われます。

 

 


悪いと思いながら,卵嚢を離して石で見えないようにしました。母グモはそこから去ろうとしません。もちろん,そうでしょう。次に,卵嚢が見えるようにして前方に置いてみました。目に入ったようで,すぐに駆け付けて来て,からだで抱きかかえるようにしました。 

 


卵嚢に,どんな状態で子どもたちが詰まっているのか,確認するために覗いてみました。生態をすこしでもくわしくとらえたい行為なので,クモには許してほしいと願いながら。中には 白と黄で彩られた幼体がたくさんいました。赤子の姿です。それらが,突然の出来事に遭ってびっくりしたように動いていました。 

 

 
このあと,子どもたちを母グモに返しました。巣で卵や子を守り続けるクモもいれば,こんなふうに卵嚢を運ぶクモもいます。小さな世界は広いなあと感じます。