わが家の玄関にて。
サツキの木でヤマトシジミの求愛行動を目撃。それがすぐに交尾につながりました。直後,コンクリート面に移動しました。
反対側から撮りました。
また元のカメラ位置に。
ヤマトシジミは真夏も盛んに産卵します。暑さには滅法強そうです。
わが家の玄関にて。
サツキの木でヤマトシジミの求愛行動を目撃。それがすぐに交尾につながりました。直後,コンクリート面に移動しました。
反対側から撮りました。
また元のカメラ位置に。
ヤマトシジミは真夏も盛んに産卵します。暑さには滅法強そうです。
花壇の除草をしているときのことです。カタバミを引いて葉裏を見たら,ヤマトシジミの幼虫がいてアリが一匹背に乗っていました。
ヤマトシジミの幼虫とアリとの関係はよく知られた話題です。アリを観察すると,しきりに触覚を動かして何かを催促しているように見えます。これにはちゃんとした理由があって,幼虫が甘味成分を分泌して与え,その代わりに寄生バチからの被害を防いでもらっていると説明されています。つまり共生関係が成り立っているわけです。
わたしは,幼虫が寄生バチに襲われているシーンを見たことはありません。一度は目撃したいなと思っていますが,どうでしょうか。
アリは盛んにからだの上を動き回っています。欲しい甘味を催促しているようです。
幼虫が動きかけました。
ここでウンコを一つポツリ。尾部にある白い突起が甘味成分を分泌する蜜腺です。
蜜腺を見るアリを超アップで撮りました。
ふしぎな世界です。
。
観察や撮影を繰り返していると,じつにふしぎな事象に巡り合うことがあります。目にしたことのない場合,めったに見ない場合,「こんなこともあるのか」とすっかり驚いてしまいます。
ヤマトシジミの卵が襲われる例もその一つです。襲う昆虫を見たことはありますが,この昆虫をこんなにくわしく撮影したことはありません。名はもちろんわかりません。小さないのちを狙う小さないのち,というほかありません。卵の直径は0.5mm程度。襲う側の昆虫の体長は1.5mmぐらいでしょうか。からだが反り上がっています。精悍な印象で,翅があるように見えます。
卵には口が食い込んでいます。中身が食されしまい,すっかり変形しています。考えてみれば恐ろしい場面です。撮影で卵の付いたカタバミの葉を何度か動かしたのですが,昆虫のこの姿勢はまったく変わりませんでした。執拗な食べ方に見えました。
この昆虫も同じ行動をしています。もしかすると,同じなかまかもしれません。ただ色が異なり,翅は見えません。色はいかにも毒々しい感じです。卵の上の方がやや黒っぽいのは,孵化間近だからです。この卵も,これでいのちがストップします。自然の宿命です。
見ていけば見ていくほど,ふしぎな世界です。
このヤマトシジミの卵はカタバミの葉の表側に産み付けられていました。その例はときどきありますが,めずらしい例です。表側にあれば外敵の目に触れる恐れがたぶんにあるでしょう。
幾何学模様はじつに緻密です。どのようにしてこうした模様がつくるだされるのか,そのしくみが知りたいのですが,情報はありません。
真上から撮りました。卵サイズは直径0.55mm,高さ0.24mm。
肉眼ではここまで見えません。わたしは,このようなミリの世界を"いのちの小宇宙"と呼びたいと思います。
10月9日(月),午後0時30分。畑仕事をしていると,近くのカタバミ群落にたまたま置いていたポットの側面にヤマトシジミがとまりました。見ていると,どうやら産卵したいようで,むずむずしています。
直後,ポットのすぐ脇の葉に移動。そうして産卵!
これはその直後の写真です。卵が微かに見えています。
去った後,葉を確認すると,葉面に卵が一つ。
これは観察にもってこいです。さらに,産卵日時がわかっているので,経過が具体的に把握できます。孵化までどのくらいかかるか,です。
10月10日(火)。同じカタバミの群落で卵を探しました。できることなら孵化中のものを見つけたいと思ったのです。
それは見つからなかったものの,二つの意外な発見がありました。一つは葉以外の箇所に産付された例です。そこは茎でした。これまでに実の表面に産み付けられた例を観察したことはありますが,茎では見かけたことはありません。実際はそんな例が一定程度あるのでしょうが,稀なために目に付きにくいのでしょう。
さて,その写真です。
もう一つの発見は,葉裏にヤマトシジミ以外の昆虫の卵を二箇所で見かけたことです。それらはテントウムシと思われるものの,名は同定できません。たぶんナナホシテントウではないかと思っています。なお,一方は孵化間近です。
近づいて撮ると……。
こちらはまさに孵化近し,というもの。
観察の反復はあたらしい事実の発見につながります。
10月7日(土)。畑で除草していて,カタバミの葉裏を見ると,卵がポツリ。ヤマトシジミのそれです。ほかにもないかと思って探すと,あちこちで見つかりました。中には幼虫の頭部が薄っすらと黒く見えている卵もありました。それをコップに挿して孵化を見守ることにしました。
10月8日(日)。夜,そのうちの一つが孵化。孵化後に気づきました。上に見える卵は,左の方が黒っぽく見えます。孵化が近づいている証拠。
孵化した幼虫はじっとしています。この幼虫は成長するものの,幼虫のすがたのまま冬を越すことになります。
10月9日(月)。朝。孵化した幼虫は,残った卵の傍まで移動しています。卵の直径は0.55mmです。
他の卵に,孵化の兆候が薄っすらと窺えるものがあります。
じっとしていた幼虫がいなくなった跡を見ると,食痕ができていました。
さて,このあとどうなるやら。
朝,畑にて。
朝日が昇ります。野菜を照らします。気温がまだ上がっていないので,チョウが一夜を明かしたまま葉にとまっています。トウガラシの葉の上にヤマトシジミが載っているのです。
こういうふうに対象物が静止して動かないことがわかっているときは,安心して撮影できます。魚露目で近づくのがお手軽です。もちろん逆光下で,フラッシュを使った撮影となります。
これは玄関先。真逆光です。
自動車が出て行きました。隣家のガレージ屋根が見えています。朝の光がチョウの輪郭をくっきりと浮き上がらせています。
ヤマトシジミはここで一夜を明かしたのでしょう。
今秋,ヤマトシジミの羽化を何回か撮影できました。ヤマトシジミの場合は予測がなかなかむずかしいのですが,複数回写せたのはまったくラッキーというほかありません。
今回は最後の撮影です。葉が枯れているのは,植木鉢に植えたカタバミが水分不足で萎れてしまったからです。羽化の兆候はわかりづらいのですが,わたしなりに思うのは触覚の白黒模様がはっきりした時点から気を抜かずに注意する必要があります。
昼間はそれなりに待ち構えておけます。夜間と違ってありがたい限りです。
羽化すれば,あとの動きはじつに早いものです。
向かって右方向に出て行くのかなと予測していたのですが,外れました。こちら向きになってびっくり。ピントはとにかく複眼に合わせることです。
翅が垂れ下がる場所で静止します。
すこしずつ翅が広がって行きます。
幼虫を羽化時まで見届けることができたら,うれしくなります。いのちに拍手ですね。
8月17日(水)。昨夜からずいぶん雨が降りました。朝,雨の間に確認したら,もう孵化済みでした。手で茎をそっと動かしたら,羽化した個体がパッと舞い上がりました。
カタバミの茎に,まだ残った幼虫がいないか,よくよく見てみました。すると,若齢幼虫が3個体見つかりました。さらに,同じプランターに生えたムラサキカタバミの葉裏に蛹が一つ。
根元の蛹は……。これは葉の裏で蛹化し,それが垂れさがった上に,葉がほとんど枯れた状態になったものです。
8月18日(木)。翅が赤っぽくなっています。羽化が近いことが窺えます。
これはまだ大きな変化はありません。
9月19日(金)。朝。カタバミの葉裏の個体は激変。全体が黒っぽく,翅に青みが現れました。目が離せません。
そのとおり,この日に羽化しました。詳細については次回記事にします。