自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(15)

2016-07-08 | 随想

ボランティアについて考えることがよくあります。よくというより,ずっと気にしているという方があたっているかな。「ボランティアを増やすにはどうすればよいか」「情熱を持って私たちのミュージアムを支援しようとする人をどうやって探すか」。まあ,そんな感じで思い続けています。

高齢化社会がすすむ中,余暇をどう活用しようかと思案している人もいるはず。いくら少子化社会であっても,魅力ある取組には気持ちが乗って来る子どももいるはず。人は十人十色ですから,あちこちでPRをし続ければ必ずミュージアムにこころを寄せる人はいるはず。息長く,わたしたちと一緒に汗を流そうとエネルギーを注いでいただける人がいるはず。それに期待をしています。


ところで,つい先頃,ある場で知人次のようにいわく。

「関心なり情熱なりをお持ちの方が必ずいらっしゃるのですから,展示解説やらイベントやらに喜んで協力していただけるはず。そういう人なら進んで参加してくださるでしょうから,ミュージアムとしてボランティア養成講座を有料で実施するのもいいのでは。あちこちの施設でやっていることでもあるし」

それを聞きながら,「お金を出してでもボランティア登録をする制度か。そりゃ,ボランティアは自分のために行う奉仕と思えば理屈は成り立つけど,わたしたちのミュージアムではねえ。腰が高過ぎるなあ」と,複雑な思いになった次第です。

にぎわっている大きなミュージアムなら可能かもしれませんが,わたしたちのところではそう発想すること自体に無理があります。市民の交流の場になっていて,日々来館者が絶えることがない,スタッフだけの手では回らない部分がある,そんな活気があるところなら,自ずと人が集まり,結果,「何かお手伝いできませんか」という声が出てくるでしょう。講座を受講してでもボランティア登録する人が出て来るでしょう。そのレベルに近づくには,まだまだ壁があり過ぎます。

人が集う姿を遠景目標にして,今,あれこれ発案し,思案を巡らせているところです。


わたしがしていることといえば,市民の目線に立ちながら「この人なら手助けしていただけるだろう」と思える方へ声掛けをあらゆる場で積極的に行うこと。今は“点”,それもあちこちに散らばった点としての活動です。それを線にし,さらに面に発展させることがわたしたちの描いているデザインです。

お蔭さまで,4月以降,ちょこっとそんなお助けマンが現れ,すこしだけ増えてきています。感謝。