自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

紙づくりと粘剤(4)

2016-07-01 | 野草紙

サネカズラ(葉・茎)を叩き潰して一晩水に浸けておきました。すると,どちらもずいぶん“とろみ”が出てきました(下写真は茎)。いかにも「これぞ粘液!」っていう感じがします。


それぞれ不純物を取り除くために,布地で濾します。ここではメリヤス生地を使用しました。葉から出た粘液は緑色。

 

 
この葉からこの粘液が。

 

 
茎を絞ると,茎の色合いをした液がゆっくり流れ出ました。

 

 
手ですくい上げると,ぬるっとした液が指から流れ落ちました。

 

 
量はたっぷり。

 

 
葉から葉の色をした液,茎から茎の色をした液。

 


葉と茎を分けずに,初めから混ぜて叩き潰してもよいのです。その方が簡単。

こんなわけで,サネカズラは最良の粘剤素材になります。粘剤に合成洗剤を使うなんて野暮。材料は限りなく自然の中から探してくることです。

 


象糞紙を漉く(3)

2016-07-01 | 野草紙

6月25日(土)。ボランティアの皆さんがお揃いになったところで,象糞を見ながら,密漁で減りゆく象の行く末,草食動物の食べものとウンコの話,ウンコに付いている細菌の殺菌の話,ウンコの扱い方などについて話しました。

与えている餌(チモシーやスーダングラス)とウンコを比べると,食べているものが見事にわかります。それだけザアーッと消化器官を通過するだけの食べ方であることがよく理解できます。反芻動物のウシなどとはずいぶんちがっています。

臭いを嗅いで,手にして(もちろん衛生面には徹底して気遣って!),それからそれらを沸騰している湯に入れて殺菌しました。おもしろいことに,カボチャの種も入っていました。


殺菌後,近くの小川に持って行きました。そうしてネット袋に入れて流水に浸けて揉み洗うのです。


徹底して汚れを洗い流します。


こうして,繊維が取り出せました。繊維の長さは申し分ありません。


5時間も煮れば上等の繊維が取り出せるでしょう。この作業はわたしたちがすることにして,次回は煮終わったウンコ繊維を叩いて,バラバラに,そして柔らかくします。続いて,紙漉きをします。おもしろい展開になりそうです。