自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(10)

2018-01-31 | マンサク

1月30日(月)。晴れ。気持ちのよい青空が広がりました。風があって,訪れる昆虫の種は増えません。

見たのはやっぱり同じ種。それでも,前から撮れたのは我ながらあっぱれ。口器が写り込みました。モンスターを想起させます。

 

別の花で見て撮ったのが全体像。長い脚に改めて驚きます。丈夫な材質からできていることが窺えます。

 

歩いて移動しました。

 

脚のバネは運動する際に威力を発揮します。飛び上がるとき,パッと見えなくなりました。 

 

これは別のユスリカのなかま。新しい訪問者のようで,からだには花粉が付着していません。

 

  

 


マンサク,今(9)

2018-01-29 | マンサク

また同じユスリカのなかまを見かけました。今度は花粉がどっさり! 

 

複眼を覆うようにして花粉が付着しています。よほどお好みのものが葯の近くにあったようです。

 

こういうときは,ぐぅーっと近づいて撮るのがいちばん。

 

もし口器から摂食行動中だとわかればしめたものなのですが,まだそこまではいきません。 

 

また別の花でも目撃。お気に入りが奥深くにありそうな。

 

やっぱり花粉が付いています。口をいくぶん突き出している感じです。摂食中なのでしょう。

 

  

 


マンサク,今(8)

2018-01-28 | マンサク

1月28日(日)。曇り後小雨。寒空が広がりますが,風がほとんどない静かな朝でした。こういうときは,寒さに負けずとりあえず花の観察に向かうのがいちばん。さっそく成果がありました。

地面には雪が残っています。花弁は弱々し気。

 

ここでユスリカのなかまが2種。度々,というかよく出合ってきたお馴染みの昆虫です。印象的な姿を画像に残すことに成功。

一つ目。体長5mm。花に関心を示しているようです。

 

花に入って行きました。頭部辺りには花粉が付いています。

 

複眼がシャープに写し撮れました。口器のかたちから推し量ると,花汁を摂取しているようです。葯には花粉がどっさり見えます。この姿勢で花の中を移動しているうちに,花粉が付着するのでしょう。りっぱな送受粉者です。

 

二つ目。このフユユスリカはオス。とにかくりっぱな触覚の持ち主です。わずかに花粉が見えます。

 

 花が気になっているようです。

 

花弁先に移動したときに見えた触覚には花粉がいくつも。口器のかたちもみごとにとらえていました。 

 

観察のたびになにか発見があると,次回へのたのしみが広がります。 

 


地域ミュージアムで考える(78)

2018-01-27 | 随想

魅力的な体験内容をいかに生み出し,それに息吹きを吹き込み続けるか。この点は施設の今後を左右する大きな要素です。何事も同じことを繰り返すだけでは惰性・停滞を必ず生じさせます。

わたしが担当する『土曜ちょこっとサイエンス』でもいつも市民ボランティアの方と話し合い,改善策を考えるようにしています。これは内容の検討であったり,やり方の工夫であったりします。干からびとか形骸化とかは知らず知らずに来るので警戒が要ります。

その中で,わたし自身が❝サイエンスおじさん❞を演じる日に関した話題を書きとめておきます。冬季は蝶凧作りをしています。結構人気があって盛り上がります。しかし,これだけでは体験の幅が限られるので,工作物を新たに考えてみることに。

それはバランスバード。ヤジロベエ工作の一つです。よく似たものにバランストンボがあり,よく知られています。しかしバランスバードの方はほとんど知られていないというか,ネット上で検索しても見つかりません。型紙はわずかです。それに,わたし好みの昆虫バージョンはまったく見当たりません。「それなら自分で作るほかないか」と思い,さっそく試作。

薄手の紙に図を描き切り抜いてみると,意外にもうまくいきそうなのです。ひとつできるとコツがわかりかけて,次々にできかけました。

それをパソコンで読みとって,修正し完成! これらは模倣なしのオリジナル工作物です。この記事がお披露目の場,いい換えるとネット上宣言となります。

カモメ型?

 

スズメ型?

 

うーん,ハト型? もう一つツバメ型もありますが割愛。

 

昆虫・小動物バージョンも間もなく完成します。

 

さっそくこれを使う日がやって来ました。その報告は次回に。

 


マンサク,今(7)

2018-01-26 | マンサク

1月26日(金)。近年で最大級の寒波襲来。一日の最高気温2.6℃。雪が一日中ちらほら。こんなに寒いと,低温に慣れていない身には厳しく応えます。この10日間で,知人お二人が心臓に負担がかかったようで悲しいかな,お亡くなりになりました。今日はお一人の告別式に出かけました。

夕方暗くなりかけてからマンサクを撮影。パァーッと花弁を広げるのはいつになるやら。当分無理のよう。

 

花は自然の為せるがまま。とはいえ,ささやかながら思いっ切り自己主張したいと思っているかも。

 

近くの雪の上でユスリカを一匹発見。

 

雪の大地で自然に身を任せるがまま。低温には結構強そう。

 

見ている間,動き続けました。

 

 


野草の発芽(1)

2018-01-25 | 植物

あるがままの自然で,あるがままに生えてくるのが野草。人によっては農耕や人間生活との兼ね合いなどから“雑草”と呼ばれることもありますが,ここでは野草で統一しておきます。

野草が種子を散布して繁殖するのは植物としての種族維持の必須条件。わたしたちの身の回りには野草がわんさとあって,次々に発芽・生長しています。なのに,発芽したばかりの種子の主がなになのか,ほとんどわかりません。

春先にウォーキングしていると,ひしめくように発芽した種子を見かけることがあります。なのに,たいてい草の名がわからないのです。これでは情けないと思ったことが度々あります。今,種子を付けた茎が立ち枯れしています。この種子を蒔けば,芽生えで野草名が同定できるようになるでしょう。

「チャンス!」。そう思っていくつかを採取して播種することに。

これまでに試みてくわしい記録を残しているのは,ススキ,セイタカアワダチソウ,ガガイモ,スミレ,カタバミです。今回は発芽時期のずれを確認したくて,ススキ,セイタカアワダチソウの2種も再び播種することに。そして新たにエノコログサ,チカラシバ,イノコズチ,カラスウリ,アメリカセンダングサを加えることにしました。合計7種類です。それぞれについて複数個所で採種した上で混ぜ,それを植えて一定の発芽率を確保することにします。

そのうち,カラスウリの種子についてご紹介しましょう。

木をよじ登った蔓が枯れたのにともなって,果実の皮もすっかり色あせ干からびています。

 


その中から取り出した種子が下写真。なかなかおもしろいかたち・表情をしています。まず上から。

 

次に斜め前から。

 

おしまいは真正面から。

 

上下,前後は適当な呼び方をしただけです。ほんとうはどこがどうなのか,さっぱりわかりません。どこから芽が出て来るのかも。そんなふしぎなかたちをしています。

種子がたくさん集まると,色やかたちがたのしく見えます。

 


ロウバイ,今(1)

2018-01-24 | ロウバイ

ロウバイは本ブログカテゴリーのたいせつな一つ。毎年今頃になると,ロウバイを訪れる昆虫たちのすがたを記事にしています。春を告げる花にどんな虫たちがどんな表情で現れるのか,今冬も興味津々。

この花,我が家では開花が遅れています。昨年より1カ月ほど遅いです。例年だと,隣りに植わったマンサクと競い合うようにして花を付けます。各地のロウバイ情報を見ていると,とっくに咲いているのに。近くのホームセンターの庭木売り場でも開花しているのに。

1月24日(水)。とにかく寒い一日でした。おまけに冷え冷えとするような風が吹き続け,最高気温は4.1℃。ロウバイの蕾がやや緩みかけだったのに,またぎゅっと固まったような感じです。

 

なんとか近いうちに開きそう。

 

この蕾も。

 

開花が遅いと,それだけ開花期間がずれるでしょう。昆虫が現れやすい頃になって,結果これまで以上に数々の出合いがあるかもしれません。そう思って昆虫との出合いを期待しておくことに。

 


地域ミュージアムで考える(77)

2018-01-23 | 随想

わたしが地域ミュージアムについて記事を書くとき,市民性ということばを使うことがあります。このことばは,ミュージアムの内から外への流れ,また外から内に向かっての流れ,この双方向の関係を念頭においたものです。

つまり内から外に積極的にかかわっていく,逆に外から内に主体的にかかわっていただく,そんな能動的な姿を描いているのです。

内から外への流れは「おいでください」という,いわば待ちの姿勢です。受け身の姿です。そこに,市民が積極的に関わっていく視点を付け加えたいと思います。このときの“市民”には一般来館者を含めた広い意味を込めており,当ミュージアムのよき理解者のすべてを指しています。

こうした方向を別のことばに置き換えると,「市民とともにつくり上げる」というふうになるでしょうか。その工夫の一つがギャラリーの無料開放であり,またプラネタコンサートの実施であり,はたまたボランティアの参加です。この程,それに一つ新たに加える仕掛けを始めました。

それは『市民コーナー』とズバリ銘打ち,「めずらしい姿・形」(かわりだね)と名付けたもので,日頃目にするめずらしいモノ・コトの情報・資料を掲示して紹介し合おうというもの。情報・資料は自然に関するものに限っており,実物や画像を集めた掲示板にしたいのです。これなら子どもからおとなまでだれでも気軽に参加できます。参加もできるし,見ることによって自然への関心度も一層高まるでしょう。

 

展示スペースはとても狭くって申し訳ない程度。それでも,意外に目に付くところを確保できました。手始めに,これまでにお寄せいただいた気象に関する写真や手元にある生きもの情報をいくつか掲示しました。

 

いずれ効果の程が見えかけるでしょう。ささやかな試みです。市民の皆さんとともにつくるミュージアムという点を軸にしながら,これからも魅力度アップに向けてさまざまな糸口を見出したいですね。  

 


マンサク,今(6)

2018-01-22 | マンサク

1月22日(月)。午前10時。曇り,気温4.4℃。開きかけた花が寒さでひととき休止しているのではないか,と思えるほどの寒さです。

それでも訪花昆虫の可能性を期待して観察。いました,いました。シマバエのなかまです。翅が大きく湾曲して腹端の遥か先まで伸びています。体長は5mm足らず。 

 

からだには花粉と思われるものが付着しています。 

 

寒さのせいでしょう,動きはじつにゆっくりしています。 

 

枝先まで歩いて移動しました。腹部にある薄青色の帯模様も大きな特徴です。からだを覆う毛,ハエらしい触覚が光ります。

 

正午。小雨がパラパラと来ました。そんな中,花を観察。同じハエを見かけました。やはり花が気になっているようです。

 

今度はできるだけアップで撮ろうと思いました。

 

歩いて移動。かなり明瞭に写りました。触覚からは長い毛がアンテナ状に一本ずつ。

 

昆虫が2種視野に入りました。

 

 

ここでも枝先に行きました。フラッシュを使って超近接撮影すると,細部がもっとよくわかります。吻までも!

 

シマバエは一瞬でいなくなりました。なんとすばやい! ハエらしい動きそのものです。

目を凝らすことが発見・出合いにつながりました。5℃以下でも活動している昆虫がいるのです。これからますます期待できそう。 

 


フユエダシャクのふしぎ(続)

2018-01-21 | 昆虫

フユエダシャクは毎日のように現れます。捕えようと思えばいつだって捕らえることができます。

捕えた日のこと。真っ暗な山道をゆっくり進んでいると,ヘッドライトに1頭飛び込んできました。「よし来た!」とばかりに自動車から降りて,捕虫網を手に追いました。ライトが照らす範囲内なので,じつに簡単に捕らえられました。この夜はみんなで4頭お目にかかりました。捕ったのはそのうちの2頭。

その夜と翌日に写したのが以下にご紹介する写真です。完全なかたちなのでなんとか同定できそう。薄茶褐色,斑紋ははっきりしない,そんな特徴を手掛かりに調べました。結果,ウスモンフユシャクにたどり着きました。

 

 

斑紋はほんとうに不明瞭です。触覚は性フェロモンを感知するアンテナ。立派なものです。

 

夜行性なので,明るいときはじっとしています。 

 

冬の装備はしっかりしています。 

 

口は見当たりません。 

 

実際に採集して確めることにより,ウスモンフユシャクを含めたフユエダシャクの生態がすこし身近になってきました。冬の昆虫に注目ですね。