自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

科学教室『スカイシャトルを作って飛ばそう』

2013-11-30 | 日記

11月30日(土)。“サイエンスおじさん”の科学教室を開講。作るものはスカイシャトル。輪ゴムを動力源として,PPバンド製羽根付きのシャトルを打ち上げ,回転しながら落下してくるシャトルをキャッチするというもの。高く上がれば,20~30mは上昇します。

別名(「アローコプター」)の付いた市販品のカバーには,「約50mまでぐーんと上がるぞ!!」「クルクル降下 ヘリコプターみたい」と書かれています。これを真似て,身近な材料を使って作るのです。

参加者は小学生(1年~4年)4名。それに中学生ボランティア4名(全員3年)の合計8名。

はじめにわたしの手作りシャトルと,市販シャトルを打ち上げました。市販品は,宣伝文句どおりたしかにグーンと上がりました。それを見て,みんなは「早く作りたーい!」といいました。

さっそく,製作開始。子ども一人にボランティア1名。いい組み合わせです。作り方を解説しながら,まず子どもが作り,少し遅れてボランティアの中学生も自作していく手順をとりました。第一号機はわたしと同一規格のものを作ってもらいました。羽根用の型紙を配布し,芯棒は割り箸一本をそのまま使いました。各ペアともなかなかいい感じで,作業は順調に進み完成。 

 

みんなで外に出て,打ち上げました。30m以上飛んだと思われる子もいました。なかなかいい調子です。ただ,PPバンドの羽根の取り付けが弱くて,抜けてしまう子が出てきました。タコ糸をしっかり巻いてくくることがたいせつだと思いました。

 

 

次は第二号を作りました。規格は各自工夫していきました。慣れてきたので,作業ははかどりました。三号機を完成させた子もいます。

もう一度外で飛ばしました。たっぷりたのしんで活動していました。2時間がアッという間に過ぎていました。このスカイシャトルはヒット工作になりそうです。

中学生ボランティアの感想を感想用紙から二つ。(ちょっと評価がよ過ぎて,くすぐったいのですが)

「初めてボランティアに参加して,すごくわくわくしていました。お姉ちゃんもサイエンスおじさんすごくおもしろいって言うていたので,すごく楽しみにしていて,今日お世話になると本当におもしろくて,すごく楽しく作ることができました。小さい子たちも,いろいろ話をしてくれてすごく楽しかったです!! また機会があればぜひ参加させていただきたいです」

「初めはちゃんと教えられるか不安だったけど,小学生の子は意欲がすごくあって自分で考えてやったり,しっかり話を聞いてくれていたから助かりました。自分で作ったのはあまり上手く出来なかったけど,2枚目は上手く出来たから良かったです。いい経験ができました。また自分でも作ってみたいです。また参加したいなと思いました」

 

 

 


虫の目レンズを手に野へ(14)

2013-11-30 | 昆虫

バッタたちは,ほんとうに警戒心の強い生きものです。草食ゆえに,肉食動物の攻撃をしきりに気にしているのでしょう。鳥やトカゲ,ヘビの類が,棲んでいる場所を訪れてはハンターとなって襲いかかります。そんな恐ろしさをかわすすべを,相当身に付けているようです。

草にとまっていても,すぐに遠ざかろうとします。よほど慎重に近づかなくては,被写体になってくれません。下写真はツチイナゴがヨモギの葉の上にいて,向こう側を見ている姿です。イナゴの環世界にはまだ,わたしという影が映っていないので,警戒心が現れていないのです。 

 

迫力のある画像ではありません。もっと近づいたらいいのですが,周りの草が災いして構図がうまく決められませんでした。そのうちに,ツチイナゴは移動していきました。 

食べ物に恵まれた環境で,のびのび生きているなあと感じました。

 


ジャガイモの真正種子と,その周辺の話(4)

2013-11-29 | 随想

サツマイモの原産地はメキシコ海岸を含む中央アメリカから南アメリカにわたる地域といわれています。そこにいけば,原生種が自生していて,盛んに花を付けています。わたしはテレビ番組で見ただけですが,ほんとうにふしぎな光景でした。ヒルガオ科の植物ですから,ヒルガオやアサガオに似たピンクの花でした。花後,種子がふつうにでき,そこら辺りに散らばっていきます。原産地がそこだというのは,風土との関係が深いことを示しています。

手許になかなかおもしろい読み物があります。それは『野菜探検隊世界を歩く』(池部誠著/文春文庫)です。サツマイモの原生種が一帯に広がり,花で覆われた写真は圧巻です。原生種が人の移動とともに太平洋を渡り,途中の島々に伝播していったと推測されています。西太平洋に位置するニューギニアでは,一説によると2500種もの品種が栽培されているという話も紹介されています。

 

我が国には江戸時代のはじめ,まず沖縄,九州に持ち込まれました。それで,今でも琉球芋,薩摩芋などと呼ばれています。甘藷という別名も耳にします。漢字名から,導入地や植物としての特性を感じとることができます。 

はじめは飢饉の際の救荒作物として重宝にされながら栽培地が北上していき,お馴染みの農作物になりました。しかし持ち込まれた品種がそのまま普及したわけではなく,広く普及するまでに農事試験場を中心にして品種改良が地道に行われたのです。その結果,今の普及種が生まれ,主要野菜の一つになるに至ったわけです。

忘れてはならないのは,各地で栽培されるようになった段階ではサツマイモ自身が大変貌を遂げていたという点です。主な改良点を思いつくままにまとめてみましょう。

  • 味がよい。
  • 舌触りがよい。
  • 病気に強い。
  • 暑さ,寒さに強い。
  • イモが大きく,かたちがよい。
  • 収量が多い。
  • 煮崩れしにくい。

このような観点から品種改良を重ねるのに,当然,花を咲かせ別品種を交配させるわけです。

サツマイモは短日性植物で,我が国の自然環境では花がほとんど咲かないとされています。さらに,普及している品種は,もともと開花しにくい種類なので,一層花を見る機会が少なくなります。それなのに,「花を咲かせるだなんて」「交配させるなんて」という疑問が浮かんでくるのではないでしょうか。わたしもはじめそうでした。調べてみて,すこし謎が解けてきました。

たとえば,『ウィキペディア フリー百科事典』によれば,採種の効率を高めるために,アサガオなどヒルガオ科植物を台木にして接木をするといいます。すると,台木から接ぎ穂に養分や植物ホルモンが送られ,成長して開花が促進されるらしいのです。そういえば,台木と接ぎ穂を逆にして,水栽培をしているサツマイモにアサガオを接ぐと,アサガオの接ぎ穂が成長して花が咲き続けます。これとちょうど反対の技術を採用しているのです。

これは,納得の技です。

余談になりますが,先にご紹介した『野菜探検隊世界を歩く』に,コロンブスが航海した際に西インド諸島で書き記した手記が掲載されていますので,載せておきます。とても参考になります(太字はわたし)。ただ,『コロンブス航海誌』(岩波文庫)には種子の記述がなく,このまま紹介してもいいのか戸惑いもあります。

「彼らは彼らの食物であるニアメスのパンを持って再びやってきた。それは大きな大根のような根で,この地方ではどこででもこの種をまいて栽培しており,彼らの生命なのである。またこの同じ茎を他の場所へ植え付けて,4回も5回もその根を収穫するが,非常に美味で,これでパンを作ったり,あるいはそのまま煮たり,焼いたりして食べるが,味は栗とそっくりで,これを食べて栗だと思わないものはないほどである」 

よく似たことが,じつはジャガイモにもいえるのです。

 


初霜,白菊の朝

2013-11-29 | 昆虫と花

11月29日(金)。最低気温-2.1℃。今季初めて氷点下を記録し,初氷が張りました。ブルブルッと振るえながら,白菊の花を見てみました。すでに盛りを過ぎていて,白い花弁が赤紫に変わりつつあります。

そんな中,いくつかの昆虫を確認。これまで格好の餌場と心得て訪れていたと思われるハエの死体があり,こんな寒い中を生き抜いている昆虫がいました。

脚を折り曲げて,静かにからだを横たえていました。からだには,霜の結晶が付いています。

 

別の花ではちょうど朝の光を浴びて,霜の結晶が溶けかけていました。花弁にも蕊の林にも,屍が張り付くようにしてありました。

 

ユスリカの仲間には,寒さにとても強い種がいます。なにしろ極寒の2月にも飛び回っているほどですから。それと同じ種でしょうか,霜の付いた花弁でゆっくり動いていました。体長は3mmです。

 

相当の寒さを覚悟して観察すると,意外な風景が広がっていきます。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(それでそれでそれで)

2013-11-28 | ジャガイモ

11月28日(木)。植木鉢で密生しているジャガイモの今を見ました。原産地では原生種がこんなふうに生えているところもあるのだろうなと風景が浮かんできそうです。 

 

土が適当に軟らかくて,適当に根元を覆うという条件下では,マア,こんなふうなのでしょう。

たとえば,ストロン(匐枝)は垂直方向に潜っています。

 

たとえば,ストロンの長さが短い品種もあるのでしょう。短いなら短いなりに,地上すれすれでも塊茎を形成し始めます。いくつでも,あちこちに。

 

地表から離れていても,土がなくっても,光が届きにくいところならできます。

 

たとえば,茎は細くて頼りないので,倒れて土に覆われれば,腋芽はまちがいなく塊茎になります。下写真に写った塊茎はマッチ棒の先程度の大きさに過ぎませんが,このまま土に覆われて成長を続ければもっと大きくなることでしょう。

 

 

塊茎はストロンの先だけにできるわけではないのです。これは,11月8日付け記事『ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(番外編)』中の写真と相通じるものがあります。

植木鉢で密生したジャガイモは,塊茎についていろんなことを教えてくれています。 

 


ジャガイモの真正種子と,その周辺の話(3)

2013-11-28 | 随想

サツマイモを栽培するには,蔓苗を購入します。蔓苗は葉付きのサツマイモの蔓(茎)です。茎はサツマイモの芋から生えてきて,栽培農家の手で切り取られます。それが20本,50本といった単位で売られるのです。

わたしの子どもの頃は,父がイモを植えて蔓を切り取り,自家製の苗にしていました。昔は,どの農家もそのようにしていました。この蔓を土に挿します。すると,成長してサツマイモ本来の根・茎・葉の揃ったすがたが出現し,葉で覆われたサツマイモ畑になるというわけです。つまり,サツマイモ畑は蔓が再生を果たした結果なのです。

 

これまでに,戦時中を生き抜いた人から,当時の苦労話とともに学校の運動場がサツマイモ畑になったという話を何度も聞いてきました。それも,この植物の特性と人間生活との結び付きを示す特徴的な話題です。

サツマイモ畑程の規模ではまったくありませんが,サツマイモの葉を葉柄付きで採集してきて水栽培をするとびっくりするようなことが起こります。葉そのものを適当にハサミで切って,水に漬けておいても,同じように愉快な現象が見られます。なんと,葉柄からも葉脈からも根が伸び出すのです。芋(塊根)を切って水に浸しておくと,簡単に葉と根が出てきます(下写真)。それらはすべて,まさに再生している姿といえます。再生の強さに合点のゆく観察です。

 

誰にでもできる,ごく簡単な栽培方法ですから,来年ぜひ試みてください。

 

 


“大阿闍梨”酒井さんの死

2013-11-27 | 随想

今年お亡くなりになった方のうち,酒井雄哉(哉のノなし)の死は一際こころに残るものがあります。

酒井さんは,比叡山天台宗大阿闍梨で,延暦寺長寿院不動堂の住職であった方です。46歳で千日回峰行を始めて,なんとこれまでに二度もそれを成し遂げられたのです。ひとことで二度というのはたやすいことですが,過去千年で三人しかないといいます。荒行ゆえに回峰行の多くは30代での達成であるのに対して,酒井さんは二度とも53歳,60歳という高齢での満行です。年齢を考えただけでも,途方もなく困難な壁を乗り越えた意志力の持ち主であることがわかります。(講演で「自分にはそれしかできない」とじつに謙虚ないい方で振り返っていらっしゃる姿は実直そのものでした)

手許に,酒井さんの口述をもとに書かれた古い本があります。書名は『行道に生きる』,著者は作家の島一春さん。カバー表写真は幽谷の山中を回峰行で歩き続ける酒井さんがポツンと写っています。白装束から,行道の荘厳さが伝わってきます。カバー裏面は回峰行で使い古した草鞋の列。荒行の経過を物語っています。

 

表表紙を開けると,酒井さんの署名があります。

 

 

その経緯について触れておきましょう。

生き方や考え方について真摯に語り,黙々と実践に徹する人には,どこかこころが惹かれるところがあります。酒井さんのそれは,わたしにはかなり強烈な印象を与えました。『行道に生きる』で語れられていることばは,まことのやさしさ,ごまかしのない厳しさを感じさせてくれます。押し付けのない,普段着のことばに,生き方の指針を感じとることができます。

学校管理職時代,わたしは文中のことばをよく思い出し,ときには引用もさせていただきました。それほどにわたしのしごとに影響を与えた本なのです。

あるとき,酒井さんが神戸市に講演に来られるという情報が入りました。主催は神戸市教育委員会です。もちろん,まずはなんとか聴講できないかと思いました。当時わたしは教育委員会勤務だったので,比較的時間の都合がとりやすい立場にありました。それで仕事の都合をつけ,会場である神戸市総合教育センターに出かけていくことにしました。

初めて目の前で話をお聴きする酒井さんは,気さくな,柔和なおじさんという感じでした。ぼそぼそとした口調で語られる話は,流暢な話術と正反対で,とても親近感が感じとれました。ちっとも,えらそぶったところがないのですから。ご自分の生い立ちや考えてきたこと,回峰行のこと,今考えていること,そんなことを赤裸々に平易なことばでとつとつと話されていきました。

講演が終わって,わたしは窓口に行き,酒井さんとの面会を是非お願いしたい旨を申し出ました。係の方が確認に行かれると,「すぐに来てくださいということです」とおっしゃって,わたしを部屋に案内してくださいました。そこには,酒井さんや関係者がいらっしゃいました。わたしは手早く面会を希望した趣旨を伝え,著書にサインをしていただけませんかとお願いしました。

すると,酒井さんはわたしの持っているマジックではなく,部屋にあった筆ペンを手にして,「そういうことなら,サインをさせていただきしょう。わたしの好きなことばです」といいながら,書かれていきました。なんとも気安く。

その日の出来事がくっきり脳裏に刻み込まれています。酒井さんのこころは文字として残り続けます。酒井さんの人となりは,わたしのこころに残り続けます。合掌。

 


ヒメハラナガツチバチのからだ

2013-11-27 | 昆虫と花

キンケハラナガツチバチのメス個体を見てから数日後,こんどはヒメハラナガツチバチのオスが訪れました。 

腹部の黒さ,その光沢感が際立っています。黄色い帯紋もまた艶があります。その後縁には黄色い毛が並んでいるように見えます。

 

触覚の立派さはオスのシンボルです。体長の半分の長さはあるのではないでしょうか。からだで花を抱え込むようにして蜜を吸っています。これでは,他の昆虫は近寄れないでしょう。 

 

口吻が花の奥に入り込んでいます。いかにも突き刺している感じがします。ゆっくりゆっくり吸っていました。 

 

さらに近寄って,からだの横側から観察しました。頭・胸・腹,それに脚もしっかり毛で覆われています。 

 

動きが機敏だなあという印象はありませんでしたが,あっさり花から離れたのには驚きました。パッと飛び上がったかと思うと,羽音を残して,舞い上がっていきました。その滑らかな動きは威風堂々としたものでした。 

 

 


ジャガイモの真正種子と,その周辺の話(2)

2013-11-26 | 随想

ジャガイモはよく,サツマイモと比べて話題になります。あるいは,サツマイモとの組み合わせで話のネタになります。ともに根菜類に分類される野菜です。

そして,二つとも種子植物でもあります。植物は,種子植物と胞子植物とに大別されます。そのうちの種子植物はすべて花を咲かせて種子をつくります。自分の目で花を見たことがある,ないに関わらず,そうなのです。花は生殖器官なので,実・種子をつくるという使命を帯びて生じてくる器官です。花が咲かないのに実・種子ができることはありません。

したがって,ジャガイモもサツマイモも,花を咲かせて実・種子をつくります。ただ,それを見たくても,実際はなかなか見られない背景があるわけです。

ところで,植物は種子や胞子だけで子孫を増やしているわけではありません。長い生命史の中で,種子植物は種子だけに頼らず,いろんな手を身に付けてきました。それは,たとえば挿し木・接木であり,たとえば球根です。挿し木・接木は人為的に行われるクローン繁殖法です。この典型例は二十世紀ナシやソメイヨシノ。世界中の二十世紀ナシもソメイヨシノも,種子でなくたった一本の木から増えてきたのです。つまり,すべての二十世紀ナシ・ソメイヨシノは自分の分身だというわけです。今風にいえば,DNA鑑定すると完全に一致することになります。

球根は,植物自体がより確実に次世代を残したくて意図的につくり出したカプセル(栄養体)です。花後のチューリップを掘り起こせば,カプセル,つまり球根がいくつかできているのがわかります。同じ品種のチューリップはすべて球根から栽培されます。

私事になりますが,家の庭に植えている樹木で,わたし自身が挿し木で育てたものが相当数あります。サザンカ(下の上写真)・ツゲ・マキの生垣及びサツキの植え込み(下の下写真),それにロウバイです。古いものは20年以上経っています。

 

挿し木・接木や球根のほかにもたくさんの繁殖法がありますが,すべてに共通しているのは“再生”原理がはたらいている点です。今でいう再生医療という用語を思い浮かべればいいでしょう。要するに,からだの一部からからだ全体,あるいは必要な組織をつくり出す,ぐらいの理解で十分です。

挿し木・接木をすればからだ全体がよみがえる,球根を植えれば元のからだとそっくり同じものが生まれる,そうしたすばらしい能力を植物はとっくに身に付けているのです。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(それでそれで)

2013-11-25 | ジャガイモ

11月23日(土)。以下,本シリーズの『ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(それで)』の続きです。

その他のポット苗を見てみましょう。茎の長さは長いもので15cmです。肥料はまったく与えていません。

 

以前,どのポット苗にも,ストロンが地中に埋まるように土をかけておきました。その後灌水によって土が流れたり,塊茎が膨らんで土を押しのけたりして,一部塊茎の見えているものがあります。

 

塊茎は光に当たると,表面が白っぽい色から黄や紫に変わります。 

 

ストロンが大きな弧を描いて,地中に伸びています。その先が膨らんでいるのが見えます。 

 

地中でじっとしていられなかったようで,あくまで地上に出ようとするストロンもあります。 

 

下写真に写ったストロンも同様です。腋芽はすべて伸びて光合成の担い手に徹しようと決めたようです。 

 

ポット苗から,いろんな様相が見えてきます。 

前回掲載した写真のうちの4枚目・5枚目と,今回掲載分の最終写真とを比べると,たいへん興味深い事実が見えてきます。腋芽がストロンになる場合と,ふつうの枝になる場合がありうるという点です。畑では後者の成長が通例です。地上部分は光合成によるデンプン製造を担うからです。

ここでは前者・後者ともに,入り交ざるということがなく,どちらか一方に決まっているという点に注目しておきたいと思います。もし,茎が倒れてかなりの部分が土に埋まった状況を仮定すれば,腋芽は,たぶんすべて塊茎になるのではないでしょうか。これは,わたしのような素人観察者には試みる価値があります。