自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クロヒラタアブ,1月の卵(また)

2016-01-31 | ヒラタアブ

1月18日(月)。順調に大きくなっています。体長1.5mm。見ると,ちょうどアブラムシを捕らえていました。


くわえていたアブラムシを放しました。このあとは,まったく知らんぷり。たっぷり体液を吸い取って,満腹でしょう。

 
1月24日(日)。体長4mm。ずいぶん成長しました。突起の盛り上がりがスゴイ! まるで鎧と兜で武装した感じです。

 
細かな毛まで見えます。尾部にちょこんと付いているものは肛門でしょうか。

 
しばらくしてから見ると,別の葉に移動してもうアブラムシを捕らえていました。被害者アブラムシは,突然襲われてなすすべがありません。


休んでいるか,食べているか,いずれかのような大した生態ぶりです。


こんな調子ですから,道理ですくすく育つはず。今は天敵がほとんどいないでしょうし。  

 


ロウバイの花と昆虫(6)

2016-01-31 | ロウバイ

1月27日(水)。晴れ。厳しかった寒さが和らいだ一日でした。ロウバイの花がパアッと開いてもよさそうなのに,どうも異変が起こりかけているのです。開花しそうになって花弁が萎れる,開花してまもなく枯れ始める,そんな花がわんさか。これまでにもこういう風景を見たことがあります。たぶん,花が開きかけている時分に大寒波に襲われた結果,萎縮気味になったのだと思われます。


ということは,暖冬で花が平年よりずっと早く開きかけたのに,あまりの低温に襲われて急に成長が阻害されたというところでしょう。


こうなっては,ロウバイを訪れる昆虫を期待できそうにありません。しばらく様子を見ておきます。 

1月31日(日)。花がどんどんすぼんで,萎れていく中,まだなんとか持ちこたえている花があります。昼近く,そこにいくつもの昆虫が訪れているのを発見! 花が少ない分,花一輪あたりの訪花率はぐんと高まっているようです。たくさんの場面を目撃しました。複数回に分けて記事にしましょう。まずは1回め。

ツマグロキンバエのほかで,まず目に留まったのがフタホシヒラタアブ。わずかに開いた花にからだをぐっと入れ,懸命に餌を口にしようとしていました。


慎重に観察していると,いくつかの花を巡りながら食餌行動を繰り返していました。からだには,ちゃんと花粉が。タダでは餌はもらえません。


わたしの気配を感じたのでしょうか,ときどき花を離れました。しばらくすると,どこからともなく姿を現してまた花の中に入りました。この冬,フタホシヒラタアブの行動からいくつかの情報を得ることができました。観察は真理を見極める基本です。

続きは次回に。

 


ヤッホー! これが“本”クズ粉!

2016-01-30 | 随想

タイトルに「ヤッホー!」だなんて,ずいぶんはしゃいだことばを使っていますが,ほんとうにそんな気分に浸っています。その経過を記事にします。

何度も何度も上澄み液を捨てる作業を繰り返し,その結果,液が透明感を増してきました。ただ,デンプンは思ったほど純白にはなりません。純白層ができるのですが,わずかに褐色を帯びた層もでき,結局全体としては褐色がかった色合いになりました。マア,素人としてはこれでじゅうぶんかなと割り切ります。

 
最後に上澄み液を捨てました。そして,このまま一日放置。


沈殿して固まっているデンプンを,スプーンで掘り起こしました。そうして,大ざっぱに潰して,これをこの状態で自然乾燥させます。

 

 
一日経つと,水分がぐっと減ってきました。それで,デンプンの塊りを潰していきました。あとは,新聞紙の上に薄く広げて乾かしました。


数日後,これらをさらに細かく潰して,ふるいで粉をふるいました。

 


網目を通らずに残ったデンプン粒をさらに細かく潰し,同じ要領でふるって,これで終了。

 


ついに,サイコーの本クズ粉が採り出せました。色は地味で,鈍い白。「これぞ,まさにほんまもん!」。重さにして70g。もともとの含有率からみれば,採り出せた量はいたって少ないはずです。しかし,苦労のしがいが詰まった70gです。葉というデンプン製造工場でつくられ,太陽の恵みが詰まった70gです。 

 


ここまでチャレンジしたお蔭で,クズ粉づくりについての体験知はたっぷり蓄えられました。なにしろ,わたしにとっては極上の体験でしたから。土の匂いが強烈にする,こういう体験をこそ今の子,親子にしてほしいなあと強く思います。学校では学べない生きた科学です。クズに感謝。

近く,この本クズ粉を食する計画です。そのときの様子をいずれ報告しましょう。 

 


ロウバイの花と昆虫(5)

2016-01-30 | ロウバイ

1月24日(日)午前11時。気温0.8℃。寒風が音を立てて吹き抜けていきます。寒い,寒い。「こんな中,ロウバイに昆虫がいるかなあ」と思い行ってみると,いたんです。いつものツマグロキンバエです。蜜を得るというのでなく,花の外でじっと寒さに耐えているとでもいった様子。からだには花粉がどっさり。


完全に休んでいるのかと思ったら,そうでもなく,そのうちにすこしばかり動きました。こんなに寒いのに,動くんだあ!

 
午後3時。すこし位置は変わっていましたが,同じ場所にいました。写真を撮っていると,わたしが視野に入ったため遠ざかろうとしました。飛び去るほどのエネルギーはありませんが,警戒心だけはきっちりあるのがおかしなほどです。

 


夕方見ると,姿はもうありませんでした。あまりに寒くて,移動していったのでしょう。 

 


ロウバイの花と昆虫(4)

2016-01-29 | ロウバイ

1月18日(月)。昨夜から早朝にかけて雨。ロウバイは五分咲き。雨上がりの昼前,さっそく訪れていたのがツマグロキンバエ。「やっぱり」「当然」というべきほどの歓迎昆虫です。


花に入った個体を観察・撮影しました。からだに付いた花粉が光ります。


花の中で位置を変えながら餌を舐めます。このとき,オシベを完全に抱え込んだ格好です。


別の個体のからだにも花粉がどっさり。


寒い季節でも,比較的活動しやすい日中だと,ちゃんと現れるツマグロキンバエ。小型ゆえに,環境への適応性が相当に大きいのでしょう。適者生存の環境を生き抜いてこられたわけがあるはずです。 

 


再々クズ粉採り

2016-01-28 | 随想

先頃の話。食育に目を当てて,日頃から和食献立づくりで実践的な仕事をされているAさんと話す機会があって,クズ粉採りについて話題を提供したら,なんとスゴイことをおっしゃいました。

「あなたのその試み,いいですねえ。それで,ミルを使うのたいへんでしょう。材料を乾かしてから潰さなくてはいけないし。それなら一層,ミキサーでやってごらんになったら? それなら根を乾かす必要はありませんよ。できるはず」

すいすいとおっしゃるのです。ミキサーで繊維をほぐすのなら,野草紙作りでいくらでも,飽きるほどにやってきたのに,そこには目が向かなかった! なんだか,根がもつ頑固さからつい先入見にとらわれてしまっていたような。我ながら,なんと遠回りの試みを重ねてきたことか。マア,手作業でやるというのが大前提だったもので,ある程度の迂回は止むを得ないにしても,びっくり!

Aさんの助言どおり結果はばっちりでした。以下,その工程を報告します。

残っている根を短めに切って,ミキサーに入れます。

 

水を加えて繊維をバラバラにします。紙作りの経験から,根の量はすこしだけ(ミキサーの回転部が隠れる程度),水は根が浸る程度に抑えます。回転開始時はバリバリッという音がして根が粉砕されますが,すぐに音は消えます。もうこれでおしまい。

デンプンの多くは水に混ざっているので,最初にガーゼに入れるのは水部分にします。こうすると,効率よくデンプン液が採り出せます。水中で揉んで,デンプンをしっかり絞り出します。確かに,白い濁りとなってデンプンが流れ出ます。

続いて,繊維から同じ要領でデンプンを採り出します。


以上の作業だけで,これまでより多くのデンプンが効率よく採り出せた印象がありました。それはガーゼから流れ出るデンプン量と,容器中の水面近くに見えるデンプンの流れでわかりました。

下写真は残った繊維団子です。捨てるのはもったいない! これを使って野草紙を漉こうと思っています。


あとは,これまでと同様にデンプンの沈殿を待って,上澄み液を捨てる,また水を入れて撹拌する,……,この繰り返しを何度か行えば完結です。


以上が作業工程です。Aさんと話さなかったら,こんな簡単なことが見えて来なかったなんて,なんとも恥ずかしい限り。しかし,“ナットク”体験知になりました。感謝! 

まだ続きますが,次回に。

 


再びクズ粉採り

2016-01-27 | 随想

これまでの経験を踏まえ,一層きれいなデンプンが採れるように採取方法を改善しました。改善といっても,不純物ができるだけ混ざらないようにするだけです。

つまり,不純物の最大のものは根皮です。これをはじめに剥いておいてから,ミルミキサーで粉砕するのです。ミルを使うのは,手作業による労力を省くためです。人力ではたいそう苦労しますから,電気器具の力に頼ることにしました。

下写真は皮を剥いた根です。ある程度乾いている状態です。根の中を走る繊維の,なんとスゴイこと! さすがに野生らしさを備えた根の持ち主です。「こんな中にデンプンがあるのかなあ」「どんなかたちで含まれているのかなあ」とふしぎが広がります。


そんな中,意外にも根の中にデンプンが集まっている部分が観察できました。そこは根を縦方向に裂いて乾かしていたところ。


これを拡大して写してみると……。


さて,根を1cm程度に切り,それを適当な大きさに分割して,その後ミルで分解することにします。


次に,ガーゼで包み,水中で徹底して揉み洗いをします。すこしでもたくさんデンプンを採り出したい!


こうして採れた液にはデンプンが詰まっています。前回のような濃い液ではありません。実際,精製にあれほど手間取らずに済みました。やはり皮を除いてからミルにかけるのがよさそうです。 

ボール容器に入れて,しばらく置きます。純デンプンが沈殿したことを確認してから,上澄み液を捨て去ります。そして,もう一度水を入れてかき混ぜ,放置します。デンプンが底に溜まったとき,上澄み液がずいぶんきれいになっています。

 


「これでおしまい!」といきたいのですが,そうはいきません。再び水を入れ,かき混ぜてデンプンを沈殿させます。乳白色の混濁液ができて……。デンプンがすこしずつ沈んで行って……。


上澄み液がほぼ無色透明になりました。デンプン層の表面もかなりきれいです。これで採り出し作業は完結! 

今回採り出し作業を2回行いました。結果,根掘り葉掘りおじさんを名乗るわたしとしては,貴重な“体験知”を得ることができました。ありがたいばかりです。もしすべての工程を子どもたちと共体験できていたら,気分は爽快そのものだったでしょう。 

続きは次回に。

 


1月26日,ハナバエ!

2016-01-26 | 昆虫

1月26日。晴れのち曇り。風は強くないものの,肌をツンと刺すように吹いていました。昼間の気温はたぶん5℃前後でしょうが,風が吹く分,体感温度はグッと下がって感じられました。

こんな昼下がりでも,歩くには歩かなくちゃと思い,いつもどおりにウォーキング。そのときは曇っていたので,ホシノヒトミやらタンポポやらわずかな花は堪えたようにして花弁を閉じていました。


それでも昆虫がいないか,活動していないか,こだわるのが生来の好奇心。ホトケノザの小群落で見かけたのが,例のハナバエのなかま。目を凝らしていると,パッと動くものが目に留まったのです。メガネをつけて注視しました。すると,タイミングよく動いているのが目に入りました。それがイネ科植物の葉に留まりました。


そしてそこで,盛んに動いています。「しめ,しめ。急いで写真に」と思い,接写撮影。向こうは気づかない様子。細長い葉を上に行ったり下に行ったり,表側に出たり裏側に回ったりしながら,どうやら葉の表面を舐めているようです。「5℃でも,風が当たらない場所なら,こうして活動しているのか」「なんと環境への適応性のあるハエなんだろう」と,感心しきり。


長い間イネ科植物の葉にいましたが,突然飛び上がりました。「あっ!」と思ったら,すぐ脇のホトケノザの葉に着地。


低温下では,活動してもさほど運動量は多くなさそうです。摂取するエネルギーとの関係も計算に入れなくてはなりません。小さな小さな事実でも,わたしにはでっかいでっかい発見です。

 


ハクサイで見かけた昆虫

2016-01-26 | 昆虫

先日,畑でハクサイを収穫していて見かけたのがこの昆虫。枯れて腐りかけた葉の間からからだをちょこん。 


見慣れない昆虫なので,ちょっと触って表に出しました。体長1cm。体形からみれば,どうもカメムシのなかまのよう。翅が小さいので,幼虫なのでしょう。わたしには到底同定はできません。 

 
ついでにひっくり返してみました。すると,しばらくこの姿勢のままじっとしていました。そうすることが身を守る作戦かどうかはわかりませんが,ふつうの姿勢のときに触っても急に静止するというふうでもありませんでした。冬に活動しているのはまことに立派。

 
そんなことを思って,ほかに虫はいないか,すぐ近くを見ると……。アリが1匹いた! 動きはじつにゆっくりとしたものでしたが,確かに餌を探している感じがしました。



ハクサイの間は,吹きっさらしでなく,適度な無風地帯があります。空気が淀むとでもいえる空間です。そうしたところでは,地温が高めで比較的生きものが暮らしやすいのかもしれません。 

なんでも観察です。ちょっとしたことが微細な事実との出合いをつくってくれます。 

 


冬,ツマグロヒョウモン(5)

2016-01-25 | ツマグロヒョウモン

1月25日(月)。午前8時,-5.8℃。水道が凍結すると困るので,昨夜は蛇口から水がわずかに流れるままにしておきました。台所は相当に冷え込んだとみえて,布巾が凍っていました。こんな経験はめったにありません。水道のトラブルはなし。

玄関先にはわずかに雪が積もっていました。プランターにも。幼虫はもちろんそのまま。

 
雪に囲まれてじっとしていました。


他の幼虫を見ると,昨日からまったく動いていない個体もあれば,ほんの数センチ移動しているものもありました。厳寒期でも,完全に眠りに入っているわけでもなさそうです。

今日の最低気温は-7.7℃,最高気温は6.3℃でした。