自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(52)

2018-03-31 | マンサク

オドリバエなのか,ケバエなのか,わたしにはわかりません。さらにいえば,厳密な同定にはさほどこだわらなくてよいと思っています。

このハエには今冬度々出合いました。花を覗き込むようにしなあら長めの吻を花の奥に付けます。脚をしっかり固定してからだを支える姿はいかにもどっしり風。

 

いつもの撮影流儀「もっと近寄って!」の好奇心の赴くままに,写すことに。すると,吻の伸び様が確認できました。

 

花弁に戻って来ても,吻をペタペタくっ付けて食餌を続けました。

 

 

真横に来たので,タイミングよくシャッターを切りました。吻に生えた毛も見えます。

 

 

じっと観察を続けると,また花の中に入りました。今度はカメラ位置を変えて撮りました。 

 

 

同じ花に長くいたので,角度を変えて撮りました。 

 

 

これだけ観察をしていくと,食餌行為がよくわかってきます。 

 


ギフチョウ,今(その2)

2018-03-31 | 昆虫

ギフチョウの交尾場面を写しました。地面でペアになって,じっとしていました。

 

成虫期間はわずか1,2週間。それが産卵して,幼虫に変態し,さらに蛹に。一化性で,蛹期間は10カ月にも及びます。つまり,成虫は誕生直後に交尾・産卵して,いのち絶えるのです。わたしたちにとっての勝手な見方でいえば,まことに“はかない”生を閉じることになります。

 

そう思いながら種族保存の行為を見つめると,チョウの必死さにこころ打たれます。

 

ほんとうに。 

 

こうして保護しなくてはならない自然環境にしたのは人間の行為。人間はまったく馬鹿げた行為を,いとも簡単に繰り返し過ぎます。 

 


ビロウドツリアブ,接写!

2018-03-31 | 自然一般

花壇のムスカリにビロウドツリアブが訪れているのを目撃。背の低い花なので,撮影には苦労はありません。ただ,しゃがんで後を追うのみ。 

今回はできるだけ近づくことにしました。壺型の花に口吻を差し入れています。時間をかけて吸蜜するので,ありがたい,ありがたい。

 

こういう姿勢で食餌ができるのは,もちろん翅の力に頼れるからです。 

 

吻や脚には花粉がたくさん付着しています。

 

ムスカリの花粉と思えば,なかなか愉快になります。見事な送粉者! 吻先をよく見ると,曲がっているのはもちろん,極細の毛のようなものが確認できます。それにも花粉が付いています。吻のしくいはさらに巧妙になっているようです。 

 

 

前方からも撮っておきました。 

 

 

撮影中,ビロウドツリアブにはほとんど気づかれなかったはず。急な動きはしないように気をつけていましたから。 なんとか撮れましたが,この花の中での吻の動きは当然見えません。吻先を見るのは,ホシノヒトミが最適ですね。 

 


マンサク,今(51)

2018-03-30 | マンサク

アシマダラブユと思われる昆虫と再会。

口吻の様子を撮りたいという気持ちが強く,チャンスを待ちました。

 

花から出て来たときに吻が見えました。まだ花弁を舐めています。

 

次の花に移動。花粉の運び屋さんらしい動きです。 

 

ここでも,うんと近寄ってみました。

 

花弁の根元付近を舐めています。吻の様子がわかります。 

 

もっと近寄りました。ちょっとばかり脚が視界を遮りました。それでもなんとか吻が見えます。

 

超接写はやはりおもしろく,魅力に富んでいます。

 


ハコベの昆虫たち(7)

2018-03-30 | 昆虫と花

「へぇー! コツバメがやって来たか」。びっくりしました。なにしろ,ハコベとホシノヒトミの混ざった群落で観察中に飛来,そのままハコベの花の一つに降り立ったのですから。もちろん初見です。口吻が伸びているのがよくわかります。こういう例はきちんと記録しておかなくてはなりません。

 

そのつもりで,さらに近づきました。翅裏を特徴づける,このチョウならではの濃褐色紋様がひと際光ります。

 

このコマを撮った直後,一瞬にして舞い上がりました。まことに俊敏そのもの。

この花でコツバメが吸蜜するのを目撃したのは初めてです。それゆえ,貴重な画像記録となりました。

 


ビロウドツリアブ,吸蜜の瞬間

2018-03-30 | 昆虫

ビロウドツリアブの出現期は限られていて,3~5月,つまり春だけ。ということは今が観察のチャンスなのです。そんな気持ちで野の花を見ていると,目に入ってくるものです。慎重に後を追いながら,シャッターチャンスを待ちます。

地表に降りて休んでいるとき。

 

ホシノヒトミを巡回しているとき。口吻の先をよくよく見ると,曲がっているような。

 

 

ここはやむなくトリミング。やはり曲がっています。先だけをうまく動かして蜜を吸っているようです。 

 

 

ちょうど後ろ側から見ると,やはり先が曲がっています。

 

 

同じようにトリミングしました。どうも先が二股になっているように見えます。チョウなどとも共通しています。 

 

 

目を凝らすと,新しい事実が見えてきます。 

 


マンサク,今(50)

2018-03-29 | マンサク

ヒラタアブのなかまはいくつか目撃したものの,撮影できたのはこのフタホシヒラタアブだけです。他のヒラタアブは早春だったためか,警戒心が強くて逃げてしまいました。

夢中になっているときは,慎重に近寄ると大丈夫。このときは気づかれないですみました。

 

とにかく近接撮影だけは欠かせない流儀なので,花の間を狙ってなんとか一枚撮影に成功。口吻が伸びています。

 

このときは歩いて移動しました。 

 

次の花に向かいます。 

 

マンサクを訪れる昆虫がずいぶん多いことに驚きます。気にしているだけでこれまで報告したものを確認できたわけです。もし,もっと時間をかければもっとゆたかな様相が見えて来るでしょう。 

 


ハコベの昆虫たち(6)

2018-03-29 | 昆虫と花

ホソツヤヒラタアブが花粉を舐めていました。なかなかお気に入りの様子。

 

蕊先を舐めているのがよくわかります。脚の一部も蕊に触れています。

 

しばしの食餌で上機嫌なのでしょう,味が忘れられないようで吻はまだ花弁も舐めていました。

 

ハコベの花弁はとても小さいのですが,その白さが意外にも昆虫を誘うようです。ハエやハチのなかまがまだまだやって来ました。それらについては次回以降に。

 


ギフチョウ,今(その1)

2018-03-29 | 昆虫

ギフチョウは「春の使者」とも「春の妖精」ともいわれるほど,早春とぴったり重なるチョウです。その気品は,小さめのチョウながら,まことに見事なばかり(とわたしは思います)。

そのギフチョウを人工的に殖やそうと努めている方が身近にいらっしゃって,これまた近くの公園内に設置されたドームに毎春放蝶するほどの熱意で保存運動に取り組んでおられます。そのドームを訪ねて画像記録をしているところ。春のほんの限られた時期に出現するだけのチョウなので,貴重なコマになるでしょう。その一部をシリーズでご紹介します。

今日は吸蜜をテーマとした記事です。

ムスカリの蜜を吸っているのを見たのは初めて。

 

こういう場面は吸蜜行動をクローズアップするに限ります。

 

 

見事な程長い口吻です。 

 

 

活動,生殖行動の前にエネルギーを補給します。わずかな期間生き抜くいのちのためのたいせつな行動です。

 

 

伸びた口吻が花の奥に入っています。

 

 

日が当たると,色合いが健康な色に見えてきます。そのまま表現できたら最高です。

 

 

まさに気品の漂う姿です。 

 


マンサク,今(49)

2018-03-28 | マンサク

マンサクはもうすっかり花弁が散り落ちています。しかし,多くの昆虫がやって来て,昆虫と花との多彩なつながりを見せてくれました。貴重な記録なので,一日一話でおしまいまで報告することにします。

 

ハバチが枝を歩いていました。オオセグロアオハバチか,タカラヅカキモンハバチあたりでしょうか。  

 

花のところに来ると,興味ありげなようす。

 

入ろうと決めたようです。

 

からだは逆立ち状態になりました。なにかを食べているようです。 

 

まもなく出て来ました。頭部に花粉がすこし付いているように見えますが。 

 

歩いて別の花に移動。そこでも中をじっくり見ていました。

 

そうして,花弁の根元辺りに口先を向け食餌をしているようす。

 

やはり,なにかを食べているのです。

 

外向きになったハバチのようすは満足気。がっちりと花弁をつかんだ脚もまた印象的です。