ネットに付いていた卵で,「これはもう孵化の見込みはないだろう」と思っていたものがじつは孵化寸前までいっていたことがわかりました。ルーペで確認したときはびっくり。
頭部辺りが黒っぽく見えます。
からだの赤みがはっきり見えます。
体毛もできていたのです。
もっと近寄ると,毛がくっきり。
改めてからだ全体を見ると,ここまで来ていたんだなあと思ってしまいます。
無事に誕生するって,考えてみれば,スゴイことなのですね。このいのちは惜しくも途絶えたのです。
ネットに付いていた卵で,「これはもう孵化の見込みはないだろう」と思っていたものがじつは孵化寸前までいっていたことがわかりました。ルーペで確認したときはびっくり。
頭部辺りが黒っぽく見えます。
からだの赤みがはっきり見えます。
体毛もできていたのです。
もっと近寄ると,毛がくっきり。
改めてからだ全体を見ると,ここまで来ていたんだなあと思ってしまいます。
無事に誕生するって,考えてみれば,スゴイことなのですね。このいのちは惜しくも途絶えたのです。
今回は超接写を試みた写真をご紹介します。
孵化直後の幼虫を前方から撮りました。瑞々しいツヤをしています。頭部のつくりが手に取るようにわかります。
すぐにUターン。そうして殻を食べ始めます。側単眼の高さがよく理解できます。
幼虫の体長は2mm。卵の直径は0.5mm。頭部の大きさは卵の直径よりずっと小さいですね。なにしろ,つい先ほどまでこの中に入っていたのですから。
食べている様子を前方から写しました。口が殻をくわえています。
懸命に食べ続けます。
ときにはからだをひねります。
午前2時12分。ひたすら食べ続けます。これ以上近づけないところまで近づきました。解像度に難がありますが,迫真性があります。
最後に残った卵が,唯一,わたしに孵化場面を激写させてくれました。徹夜をしなくても済んだー! 幸運も幸運,最高に幸せです。感謝。
せっかくなので,飼ってみようと思います。うまくいくかどうか。
午前1時33分。どういう格好で蓋を押し上げているのかと思ってしまいます。蓋の蝶番に当たる部分に顎があります。大きく開いた部分,つまり向かって右側に頭頂部があります。頭の上で押している感じです。
力を入れて蓋を上げます。側単眼が現れました。
次に顎が見えかけました。
「出たー!」。そんな感じです。
午前1時37分。頭を大きく出しました。すっぽり!
からだをねじるようにして出ようとします。
着地!
午前1時41分。 もう大丈夫。初々しい体色です。
午前1時44分。このページの推移だけで10分余り。
これが誕生物語です。この後は卵殻を食べるのです。それは次回に報告します。
6月8日(金)。 午前1時19分。卵を穂ごと撮っておこうと思い,一枚記録。そのとき,遠目ながらなんだかおかしいなと直感。ルーペで見ると,どうやら孵化が始まる様子です。
午前1時26分。頭部がまったく見えなくなり,片方の側単眼が見えています。それにひびが入りかけた感じなのです。
午前1時28分。微妙にガサゴソといった感じで,蓋が押し上げられています。それはまるでハッチを開けるといったふうなのです。とうとう孵化が始まったー!
割れ目がすこしずつ大きくなって,透明感のあるからだが覗いて見えかけました。
とても劇的なので,ここからはさらにくわしく記載したくて,経過記事を先送りします。ご了承ください。
6月7日(木)。夜。残ったのは2個。うち,ネットに付いた卵はどうやらダメのよう。いよいよ残されたのは1個に。
残った一個は穂に付いた卵です。なんとかこれに賭けるほかありません。順調に孵化に向かっているようなので,こうなれば徹夜を覚悟で結果を見届けようと決心。
角度を変えて撮っていてわかったのは,卵に入っている様子のことです。からだが丸く曲がって収まっています。
殻をとおして赤みがかったからだが見えます。
頭部の辺りを撮影しました。とてもよくわかります。
体毛がこんなにくっきりとわかります。
これで孵化場面を見逃しては後悔するだけです。「寝ずにがんばろう」。そんな強い気持ちで孵化を待つことにしました。
6月7日(木)。早朝のこと。残った一方の卵を見ると,まだ孵化していません。もうダメなのかと諦めていたときのこと。
1時間ほど経って,「それでも」と思い確かめると……。なんと孵化したあと! これにはもう,目玉が飛び出すほどびっくり。油断していたというか,生命力の強さを軽く見ていたというか。
殻を食べかけてているところでした。
全身の様子がわかる一コマです・
背から見ると……・
透明感のあるからだが輝いています。
体長はたったの2mm。
なんとか飼えないものかと思っています。
6月6日(水)。午後。双子の卵で,孵化が間近になりました。卵の中で幼虫が動くのが見えます。
もう一方も。
ところが,ここで取り返しのつかないうっかりミス。ネットに振動を与えたらしく卵が落下! 直径0.5mmの卵を探すのはたいへんなことでした。
ここからわかったのは,ネット素材は卵の付着に向いていないという点です。ちょっと触れただけで落ちることから,これまで卵の減り具合が目立ち,孵化率が低いと思っていたのはまちがいで,ネットから落下したためらしいことがわかりました。
ネット法で採卵する場合は,その点を考慮して慎重の上にも慎重を期さなくてはならないでしょう。結局,孵化寸前までいっていた卵2個のうち1個は孵化しませんでした。いのちには申し訳なくって。
6月5日(火)。昼。孵化にいちばん近づいた卵を撮影中,ネットに振動を与えてしまい,落下! 残念! 大失敗をしてしまいました。この時の写真を載せておきます。
あとは,残された卵をだいじにだいじにしながら観察を続けるほかなくなりました。結局ほんの4個です。万一に備え,ネットを卵の部分だけ切り取って保存することにしました。
6月6日(水)。朝。直径0.5mmの卵のふしぎが見えます。
これを接写で撮影しました。
眼と口ができています。
この卵の変化はかたちだけです。これからどうなるでしょうか。 ちょっと不安。
唯一イネ科植物の穂に産付された卵です。
確かな変化があります。側単眼が2つ見えかけています。
6月5日(火)。朝。成長段階の進んだ卵では,もう頭が整って来ています。
これもそうです。
卵の中には,なにかのトラブルがあって孵化に至るまでに死を迎えたものもあります。
こうした例はほぼ半数を数えます。
6月4日(月)。夜。朝撮影してから12時間経ちました。かなり変化してきています。特定の卵を追ってはいないので,以下の写真は大ざっぱな変化とみてください。
二つの黒い点は複眼の始まりなのかもしれません。
複眼ができています。
黒点は複眼でしょう。 中心のやや右上に線条のものが見られます。
これもそうでしょう。へこむのはからだが形成されてゆく印。
あと12時間経てば,頭部が薄っすら見えかけるでしょう。
これは双子です。成長の進み具合がそっくり!
こんなに観察対象が揃っていれば,孵化を見届けられるにちがいない,と思っているのですが……。