自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,そして昆虫(9)

2016-02-29 | マンサク

見かけない姿をした昆虫が一匹。「はて,なにかな」と思いながら,近寄って行きました。じっと見ると,やっぱり見たことのない訪問者です。まちがいなく花を覗き込んで,興味を示しているようです。花粉でも食べに来たのでしょう。  


こういうときは,絶対にチャンスを逃してはならないという強い気持ちになります。慎重にも慎重を期して,それでいながらできるだけ近接撮影を試みたいと思ってしまいます。

細長いスマートなからだ,脚とからだ本体との色のコントラスト,尾端から突き出た産卵管状の器官だけで確かに特徴あり,です。それに,産卵管状のものはノコギリのようにギザギザになっています。おもしろいからだつきをしているものです。体長は8mm。 


どうもハバチかヒメバチの一種かなと思うのですが。うんと絞れば,チビキアシヒラタヒメバチかもしれません。しばらくすると,花から離れて脇の枝に移りました。真横から見ると,触角と管が際立っています。 

 
ゆっくり歩いて移動していきました。姿からは機敏な動きが予想できますが,わたしには気づかず落ち着き払っていました。

 
葉の上に移っていったので,幸い真上から撮ることができました。


新しい訪問者を,こうしてきちんと画像に残せるのはありがたいこと! 感謝,感謝。 

 


キッズ探検活動“2月! 春見っけ!”

2016-02-28 | 随想

2月下旬の話題です。

本格的な春はまだ先ですが,3月を目の前にした雰囲気からいえば,身近な自然をとおして春の兆候がちらっと見えてきてもなんのふしぎもありません。それを敏く感じとる感性を,人生の早い時期を生きている子らの内に呼び覚ましておくのはたいせつなことです。みずみずしい季節感が失われ,自然の息吹を感じる感性が鈍りがちな現代人にとって,いのちが示すわずかな動き・変化を見つめる営みはとても価値があります。

探検活動で春の兆候がどの程度キャッチできるか,できないか,やってみなくちゃわかりません。それができれば,だれかがなにかをキャッチしてなかまに伝達できたら,活動がとても盛り上がるはずです。それを試したくって実施したのが2月のプログラム『春探し!』です。風が強くって,ときどき雨がぱらつく午後のこと。参加者はおとな2人を含めて11人。

わたしが設定した農道コースで発見が期待できるものは,フキノトウ,ツクシ,ウメの花,菜の花,スギの花,カンサイタンポポの花,木々の芽吹きなどです。すべてを子ども任せにしてしまっては発見チャンスを逃す恐れがあります。それで,「この道にはフキが生えていたなあ」「春,ツクシが伸びていたっけ」「第一発見者になったら立派!」などと刺激して,探索心をくすぐることにしました。もちろん,「教えることは禁物!」の大原則を踏まえたうえでの話です。

持ち物はルーペ,スコップ,カッターナイフ。さっそく出発!

まずは,わたしが日頃から注目している森林辺縁部にある草むらへ。


ここでは目新しいものではアオキの芽吹きが見つかりました。花芽でした。同時に細長い赤い実も! 足元ではテントウムシやヨモギの新芽が! 「お餅にしたいなあ」なんていうつぶやきも出ていました。子らは,崖で粘土を見つけて大喜び。「これ,そうでしょう」と確認してもらいたくって,持って来ました。「確かに!」と答えると満足気!


移動中に土手で滑り始めました。敷物もないのに勇敢なものです。枯れ草が残っていて意外と滑れそう。段ボールでもあればもっと楽しめるのですが,あいにくこの日は「春見っけ」に集中せざるを得ません。


大きなウメの木が2本あって,花が咲いていました。子どもの間では,ウメかサクラかでもめました。「そんなことでもめるのかなあ」とふしぎに思ったのですが,それも体験というふるいをとおして感じとるほかありません。幸いおしまいは,ウメでまとまりましたが。


予想外にカンサイタンポポがあちこちに咲いていました。後ほどセイヨウタンポポも見かけるでしょうから,この機会にと思い両者の違いについて伝えておきました。これは例外的な教え。


山際ではスギの花粉を放つ雄花を観察。ここはスギの植林地だった!


今度は農道に移動。ここではナズナの花がどっさり! しばらく行くと,脇にある自動車修理工場の敷地でフキノトウを発見。たくさんあって,「こっちも」「そこも」「まだまだある」という具合で,盛り上がりました。匂いを懸命にかぐ子も!


さらに別の農道に。歩いていると,一人の子が「この間ツクシを見つけたんだよ。頭がちょこっと出てた。そこは春になると,ツクシがいっぱいあるところなんだ」なんていうものですから,みんなにその話をしてもらいました。そのうえで,わたしは「じつは,この道はツクシがいっぱい生えてくる道なんだな。目を凝らして探してごらん。きっと見つかるからね」と話しました。子らはさっそく地面とにらめっこ。


しばらくして,一人の子が見つけました。「見っけ!」。大きな声が響きました。みんなで,生えている様子を確認。「ほんとう!」「ツクシだ!」「よし,おれも見つけるよ!」なんていって,夢中になり始めました。そのうちにどんどん見つかって「もう7つも見っけ!」「また見つかった!」「今度は長いよ」,そんな声が聞こえて来ました。


それに,ホトケノザの花を見つけて蜜を吸ったり,セイヨウタンポポの花を見つけたり。

ここまでで1時間半。もっと続けたいのですが,“ちょこっと”を売り物にしたプログラムなので,これにて終了。欲をいえば,セイヨウカラシナの葉を噛む体験をしてほしかった! 味体験ですね。

この日の体験をとおして子らから出てきたことば遊びをいくつか。

  • うれしいな つくしとれたよ はるさがし
  • 季節感 味わう体験 たのしいな
  • フキノトウ ツクシの芽 春いっぱいだ
  • おもしろい ナズナにタンポポ いろいろだ
  • ツクシとね フキノトウはね いっぱいだな
  • テカテカ ピカピカ 光ってる/ツルツルしてるよ/とってもかたくて われないね/春はすごいね/しぜんはすてき(「じゅず玉」と題して)
  • はるさがし 自然とふれて 感動だ 

 


実を生(な)らそう! ジャガイモのプランター栽培(3)

2016-02-27 | ジャガイモ

種芋の植え付けには深底の大型プランターを準備します。高さは30cmもあれば上々。芋を2個,30cm間隔で植えることにして,横幅は70cmあればじゅうぶんです。

以下,作業手順にしたがって解説していきます。なお,露地栽培法をそのまま応用することにして話を進めていきます。

① 水はけと通気をしっかり考えておく

畑は自然に排水できますが,プランターはそうはいきません。排水用の穴が詰まっていないか,確認しておきます。そのうえで,鉢底用石があれば敷き詰めておけば安心です。水はけ・通気が悪いと根腐れを起こしたり,病害虫が発生したりしやすくなります。


② 薄く土を入れる

厚さは5cmぐらいでいいでしょう。わたしが使う用土は畑にあるもので,とくべつに肥料を入れたものではありません。土を入れた後の状態は,露地栽培に当てはめると畝の中央に溝を掘った直後と同じです。


③ 堆肥・化成肥料を入れる

元肥を施肥します。これが基本的な肥料になります。はじめから培養土を入れる場合は,この必要はありません。


④ 間土を入れる

③を終えたあと,直に種芋を置かないように。土を5cmほど入れ,肥料分と種芋との間の緩衝地帯とします。これを“間土”と呼んでいます。ここまでで底からの高さは15cm程度です。

⑤ 種芋をのせる

種芋を置くとき,ふつうは切り口を下側にします。目の部分は上側になります。その方が,地中に浸み込んでくる雨水などの影響を受けにくく,結果腐りにくいからです。芋を2つ置く場合は,間隔が少なくとも30cmは必要です。種芋の外側にも隙間がないと生育が抑えられてしまいます。種芋の周囲に15cm程度土がある,といえばいいでしょうか。ジャガイモの茎は驚くぐらい伸びるのでそれだけの空間を予め確保しておきます。


⑥ 覆土をする

種芋の姿がすっかり見えなくなるぐらい,土を入れます。これを“覆土”と呼びます。目安はおよそ5cmです。


⑦ プランターを所定の場所に置く

野外なら灌水をしなくても,雨が降ったりして適度に湿り気が補給されます。ベランダだと,わずかに灌水しておけば大丈夫。

以上が作業手順です。今後3度にわたって追肥及び土寄せ作業をします。したがって,新たに土を高さ10cm程度加えることになりますので,プランターの側面に余力があるか確認しておいてください。1カ月もすれば芽が地表に現れてきます。厳密にいえば芋の目から芽が出るのを“出芽”と呼び,種子から芽が出る“発芽”とは区別してことばが使い分けられています。それに沿って,本記事でも両者を使い分けることにします。では,出芽をたのしみに待ちましょう。

なお,今回はとくべつにもう1つ新品種「はりまる」を4個植えました。これは近隣にある大学農場で育種されたもので,果実がほぼ確実に生る形質を持っているそうです。今後市場に出回る可能性があるようで,一足先に譲り受けました。いただいてから日が経っているために,すでに出芽してストロン(匐枝)が伸びています(下写真)。それに,出芽に使った養分だけ芋が貧弱になって,シワだらけ。地中ではストロンの先に養分が蓄えられてイモが形成されていきます。

 

 


冬のフタスジナメクジ

2016-02-26 | 生物

2月。寒い朝,自宅脇の路上でフタスジナメクジの成体を見かけました。大きなからだは,初め木の葉を感じさせました。「おやっ? なんの枯れ葉かな?」と思って確かめると,お馴染みの在来種フタスジナメクジだったというわけです。体長にはびっくり。なんと10cm(!)で特大!

 


ナメクジというと,そのかたちと生態ゆえに大抵の人に歓迎されていませんが,あらゆる生きものはわたしたちが生きる環境を構成しているたいせつないのちという目でひとまずは捉え,客観視しておきたいと思います。そうでないと,自然界のバランスを維持する構成員としての役割を見失ってしまうでしょうから。

こう書くわたしは,多くの人と同じように,ナメクジには度々被害に遭ってきました。野菜各種はもちろん,野草紙も! 紙の場合は湿紙を夜間乾燥しているときに,やられるのです。湿り気をちゃんと嗅ぎ付けてやって来ます。部分的に食べられて,おまけにギラギラ光る足跡を残して消えています。ときには,まだ湿紙上にいることも! それは冬も含め四季をとおして起こりうることです。またあるときは,カタクリの球根を植えていたら全滅させられました。

でも,ナメクジはナメクジで人間のそんな都合にはまったく関係なく淡々と自分のいのちを生きているに過ぎません。それゆえに,一方的に非難するわけにもいきません。


さて,「ナメクジは冬も活動するのか」という疑問がふつうは起こるでしょう。起こって当たり前です。「からだが凍らないのか」というふしぎが湧いてきても当然でしょう。わたしはナメクジの生態についてはほとんど知りませんから,はっきりしたことはなにもいえません。ただ,目撃・被害経験から「冬も活動しうるからだである」とだけはいい切れます。

「活動しうる」ということなので,盛んに活動しているというわけではありません。活動するのは個体維持のために餌を探すとか,繁殖行動に忙しいといった理がなくてはなりません。厳冬期は変温動物にはダメージがそれなりに大きな時期でしょうから,盛んな活動が見られることはないでしょう。

からだが凍るかどうか,この点はどうなのでしょうか。情報を探すと,「ナメクジは凍っても大丈夫」というものがありました。凍結と解凍を繰り返しているのでしょうか。わたしの推測は,昆虫のからだと同じように相当な低温までは凍らない(めったに凍らない),体内に凍らない液が生産・分泌されているのではないか,というもの。そして,万一凍っても,それにはなんとか生き延びるだけのしくみがあり,その力を備えた種が今生き残って来ているというものです。

凍りうるということよりも,からだから水分が失われることの方がはるかに,ナメクジ自身には恐ろしい事態ではないでしょうか。体内成分の6,7割が水分らしいので,日差しや乾燥に殊のほか弱いという点は合点できます。 

 


冬,ツマグロヒョウモン(7)

2016-02-25 | ツマグロヒョウモン

2月17日(水)。プランターの幼虫はずっとそのまま。1月24日にこの位置で確認して以来,動いていません。背には,雨ではね上がったと思われる石粒が載っています。


コンクリート上の幼虫は相当に弱って縮んでいるように見えます。なにしろ寒風にさらされ続けているのですから。体長10mm。


2月21日(日)。コンクリートの上にいる個体に,大きな変化が起こっていそう。弱っていたからだが昨日の雨で移動。反転しています。からだの格好を見ると,なんとなくいのち絶えている感じがします。指で触れると転がりました。


新たに確認できた個体が道の隅でじっと寒さに耐えています。

 
現在確認できている個体数は4。 

 


マンサク,そして昆虫(8)

2016-02-24 | マンサク

今年のマンサクは2月15日頃満開を迎えました。目立たない花ですが,ちりちりっとした細長い花弁を広げ,数輪がかたまって咲く花々は,よく見ると寒さに耐えながら昆虫をなんとか誘おうとけなげな姿に見えます。近寄ると,花の集合体が微かに放す芳香が鼻をくすぐります。なんとも形容しがたい香りです。


わたしがそうなのですから,敏感な昆虫たちがこの匂いを逃すわけがありません。

晴れて風が吹いて,寒さを感じる日の正午。気温6.9℃。「よもや,いまい」と思いながら,とりあえずという気持ちで花を確かめていくと,なんとヒラタアブが1匹! もちろん蜜を求めてやって来ているのです。寒さのせいで動きの鈍いこと! お蔭でゆっくり画像に残すことができました。

花の中をじっと覗いています。脚には花粉が。


しばらくすると,からだの向きを変えます。複眼にも花粉がすこしばかり。 


手で枝を支え,カメラの位置を変えて撮ります。それでもヒラタアブは気づきません。 


隣りの花に移動。口吻を撮りたいと思い,アップで撮影です。こうした場面を深度合成写真にできれば申し分ないのですが,動きがすこしでもあれば願いは叶いません。 

 
同じ花で行動する姿を,今度は顕微鏡モードでとらえました。画質が落ちるのは止むを得ません。

 
口吻を掃除するのはいつものくせ。うんと近寄っていますが,ちっとも気づいていません。

 
ときには,このようにふしぎなほどじっくりと付き合ってくれる被写体があります。それにはこちらの接し方,付き合い方がとても大事なので,自然となかよくする術を積み上げていくほかありません。この日のヒラタアブに感謝。 

 


実を生(な)らそう! ジャガイモのプランター栽培(2)

2016-02-23 | ジャガイモ

ジャガイモの芋は,あくまで芋。植え付け用の芋は「種芋」と呼ばれていますが,けっしてジャガイモの種(種子)ではありません。ほんものの種は,花が咲いた後,花にあったメシベの根元“子房”が膨らんでできる果実(実)の中に詰まっています。

市販されている種芋を植えてできる芋は,種芋とまったく同じ性質(遺伝子)をもっています。つまり,クローンなのです。

植物は一般的には,受粉で殖える有性生殖のほかに,芋や挿し木,葉挿しのような,花に頼らない無性生殖(栄養生殖)によっても殖えます。それらはすべてクローンですから,自分自身の分身になります。さらに言い換えると,自分のコピー版というわけです。

したがって,芋を植えると親の形質をそっくり引き継いだ芋ができるのです。今回植えるホッカイコガネは実がたいへんできやすいという性質をもっているので,とにかくこの性質が発現しやすいわけです。

さて,植え付けに使う芋には出芽してしばらく育つだけの養分があれば十分です。それにはふつう,一片が30g~50gぐらいを目安に分割すればよいでしょう。小さい芋ならそのまま使います。下写真で切り口が見えない芋がそれです。大きいものだと,2分割か,3分割するようにします。分割する際気をつけることは,“目”と呼ばれている箇所を2つ以上残すように切ること。目は窪んでいるか,小さな芽が頭を覗かせているか,いずれかなのでよくわかります。


切り終わったら,切り口を上に向けてそのまま日陰で4,5日放置します。そうすることで,切り口が空気に触れて乾燥します。その様子は,ちょうどわたしたちが擦り傷を負ったときにきれいに洗ってそのまま放置していたら,カサカサ状態になるのと同じです。自然治癒力によって傷口をふさぐ現象だといえます。この状態になれば,傷口から雑菌が侵入する心配はありません。


指南書あるいは販売店が配布している栽培ポイントには,切ったときに草木灰を付けるように指示しているものがあります。それは切り口から病原菌が入って種芋が腐らないようにという趣旨です。切ってすぐに灰を付け,そのまま植え付けるということなのでしょうか。指南書によっては,そういうことをするとかえって腐りやすいのでやめておこうと書かれたものもあります。手元にある本の著者である研究者は,わざわざ付ける必要はなく,切り口を乾かしてから植え付けるとよいと書いています。なんだか,混乱してしまいそう。

草木灰を付ける方法は昔から行われていました。今でも頑なに迷信を信じているかのようにやり続けている人があります。切って灰を付けて乾かすという丁寧さです。そんな頓着などまったくせずに済ませている人もいます。わたしは後者の方で,これまで一度もそんなことをした試しがありません。人がやっているから鵜呑みにして同じようにする,それで済ませてしまうというのはいかがかものでしょうか。やはり自分なりに“理”を点検しつつ,理にかなった自然との付き合い方を鍛えるのがよいと思うのです。そう,わたしは経験から感じています。

切ってから5日が経ちました。ご覧のとおり,切り口はすっかり乾燥しています。もちろん植え付けても大丈夫。

 


灰を付けても付けなくても,自然のことですから時には腐ることもあって当たり前です。でも,ほとんど(めったに)腐らないという点こそが重要なのです。

 


冬,京丹後の旅

2016-02-22 | 旅行

カニツアーで,友人と誘い合って本場の京丹後市網野(旧網野町)に出かけました。交通手段はマイカー。カニ料理といい,温泉といい,申し分なしというところでした。それはさておくとして,こころに残った風物詩をいくつかご紹介しましょう。

その1。日本海の荒波でサーフィンをたのしむ人がかなりあるということ。


夕日ケ浦にて。冬なので海は相当な荒れようです。それでもサーフィンをしようと都会方面から訪れる人が多いようです。早朝わたしが話しかけた愛好家は伊丹市からやって来たのだとか。近頃のウエットスーツは性能がよくなっていて水がほとんど入らないので,冷たさは感じないらしいです。男女を問わず,寒い中沖に出て行く姿になかなかたくましいこころを見ました。このあと散歩中のお年寄りと話していると,雪の日にもサーファーが訪れているそうで,波間に沈んだ人の頭が再び見えるとほっとするという話題も出ました。

その2。マンホールの蓋には,子午線が通過するまちである印が誇らしく表示されていたということ。


これは偶然足元を見て気づいたことでした。135の数字が輝いて見えました。じつはわたしの住むまちもまたよく似たことをPR中で,それをマンホールのデザインに生かしています。

その3。子午線が通過している最北端のまちであることを示すために,日本海を見下ろす断崖上にシンボル塔がつくられているということ。


塔のあるミニ公園はマイカーでなくては訪れることができないようなところにあり,平日でもあったので,人影はありませんでした。遠望すると水平線がみごとに真一直線を引いて,海の雄大さを語っていました。そこで子午線を跨いで写真を撮りました。日本標準時とグリニッジ世界標準時とが併せて表示されていましたが,どうも故障中のよう。遠くを見ながら友人いわく「この子午線を北にたどっていったら朝鮮かな。ロシアかな」。

その4。鳴き砂で知られた琴引浜(ことひきはま)で砂の音に納得できたこと。

 
荒波が大きな音をとどろかせて,打ち寄せていました。浜辺の砂のきれいなことったら,スゴイ! そこで漂流物を集めて清掃のしごとをしておられる方がありました。鳴き砂を守る会のメンバーです。実演も含めて説明をしていただきました。

 
足でも手でも鳴った! すてきな音色! “こ・と・ひ・き・は・ま”ということばの響きと重なってみえました。

説明の中でこころに残ったのは次のことでした。ここの砂は石英粒が70~75%も含まれているので,とてもよく鳴るという話題。砂をペットボトルに入れ,水を加えて振っても,まったく濁らないという話題。海岸の裏手にある砂で同じことをすると,逆にずいぶん濁るという話題。夏の海水浴シーズンになると,人の油気が砂に付着するせいか,音が鳴りにくいという話題。

自分たちの住む地域とは異なった“ここならでは” の自然に関心を寄せるのは,いつものくせ。よい社会勉強になりました。旅はいいものです。 

 


ヒヨドリと餌(続)

2016-02-22 | 生物

先日の記事で,リュウノヒゲの実を食するヒヨドリの話題を取り上げました。そのときにご紹介した糞写真の,その後の話から始めましょう。

後日,その糞のある石をたまたま見たら,新たな食べ残しの実がいくつか。それらは赤い皮が付いたむき出しの種子でした。もちろん,ヒヨドリのしわざです。


赤い実はすぐ脇に植えているセンリョウのそれです。と思って,センリョウの木を見ると,なんとも見事に実がなくなっていました。つい先日までヒヨドリは口にしていなかったのに! リュウノヒゲの実がなくなったので,「今度はセンリョウ」とばかりに食べ尽くしたのでしょう。


考えてみると,これまでにもこうした事態が繰り返されて来ていて,いつの間にか,前栽のあちこちにセンリョウの木が生えて来ています。これはヒヨドリの貢献(?)の結果です。センリョウは,種子を真っ赤な皮で包んで,その存在をアピールすることに大成功したわけです。


そんなにまでして食べ物を漁っているヒヨドリのことですから,もしかするとナンテンの実もまたなくなっているのではないかと思いました。ナンテンも同じように,赤い小さな実を無数に付けて,鳥の訪問を待っているのですから。ちょっと確認しておこうと思い,自宅敷地内のナンテンを見に行きました。

すると,予感どおり! 赤い実は一粒残らずなくなっていました。ナンテンの作戦はものの見事に成功したのです。実際,敷地内にはナンテンの実生苗があちこちで育っています。


身近な自然にも,生きものたちがつくる共生のつながりがあります。単純ですが,“食べる”“運ばれる”“落ちる”“芽生える”,そんな一連の流れが見える営みです。

 


クロヒラタアブ,1月の卵(もっともっと)

2016-02-21 | ヒラタアブ

2月13日(土)。雨。蛹化から一日経ちました。見た限りでは変化は感じられません。

 
2月15日(月)。全体の色調は変わりませんが,透明感が消え,これまで確認できていた白い複雑な器官が見えにくくなっています。

 

 
なお,もう1つの幼虫は見当たりません。今のところ行方不明です。 

2月17日(水)。大きな変化はありません。