自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

カキ,合体花

2024-06-01 | 植物

外見上,ふつうの形質と異なった形態を持っている植物の場合,“変わり種”といっても許されるでしょう。変種とまでいかなくても,一般的なすがたと違っていれば稀で特殊な事例として,このことばを適用してもよさそうに思います。

このカキの雌花もその例の一つです。雌花が二つ合体したすがたをしています。子房が二分されているのでなく,花二つが合体しているのです。これはきわめて稀な例です。わが家のカキの木で見つけました。

 

このまま成長し続けたらおもしろいなあと思っています。一つの実をつくる養分が二分されると考えると,実は小さめになるのかもしれません。

 

さて,結果はどうなるでしょう。とにかく花が落下しないようにと願っています。

 


チューリップの実生,三年目の挑戦(11)

2024-05-23 | 植物

球根を掘り上げた日から数日後。秋の植付けに向け保存作業を行いました。球根以外の部分を取り除いてきれいにしました。

細長い,未熟な球根(鱗茎)には必要な養分が先に蓄えられていないので球根本来の役割が果たせないまま,ここで成長はストップ。これは捨てます。

 

きれいにした球根は大小さまざまです。小さなものには,「三年目にしてこれっぽちなのか」と驚くほどのサイズのもがあります。それも入れて収穫できたのは55個でした。なお,写真中の個数はそれより少数です。

 

大きな球根と一緒に撮りました。この写真では,今年できた平均的なサイズの球根を大きな球根に載せています。

 

おもしろさがこれから先も続くって,たのしいものです。

 


チューリップの実生,三年目の挑戦(10)

2024-05-17 | 植物

前回の続きです。

掘り上げの様子です。

 

土の厚さは6~7cm。箱の底に新しい球根が形成されています。

 

こんな中途半端で未熟な球根がいくつかありました。

 

全部を掘り上げました。

 

ふつうの球根と並べてみました。

 

なかなか感動的でした。新球根を乾燥させて今秋に植え付けます。

 


チューリップの実生,三年目の挑戦(9)

2024-05-16 | 植物

5月14日(火)。球根を掘り上げることにしました。実生三年目の球根がどのような様子なのか,どの程度膨らんでいるのか,早く見たいという気持ちがはやります。なにしろ初めて見る事例なのですから。

 

掘り上げ前です。地上部が枯れたもの,枯れていないものが混在しています。

 

いよいよ掘り上げます。掘り上げた球根を見ると,新しい球根が地中深くにできていることがわかります。元の球根から遠く離れたところに養分が運ばれ,その先が太るのです。これは前年同様です。

 

土の深さは6cmでした。球根が一つ,二つ。二つの場合,細長いものもあります。これは中途半端な出来です。

 

一円玉と比較。

 

球根の表皮が茶色くなっていきます。その過程が観察できます。

 

二個の例です。複数にすることで,生き残る確率を高めようというわけでしょうか。

 

地上部が枯れ始めると,球根の内部を環境から守るために表皮が形成されます。大きさを比べるとごく小さなものもあります。

 

まだ続きます。

 


フジツリー

2024-05-15 | 植物

4月の終わりに隣り村で見たフジの話です。

サクラが終わって,フジの開花シーズンに入りました。あちこちにあるフジの名所もよし,むらの自然の中で咲くフジもよし。どちらかといえば,人間に管理されないで野生のままに育つフジの方がわたしは好きです。しずかにそのよさを味わえるのも気に入っています。

まだ完全に満開とまではいっていないのですが,なかなか見ごたえがあります。というのは,縦方向に木を伝って登っているすがたがいかにもたくましさを感じさせてくれるように思えるからです。この母木はヒノキです。高さは20mほどあるでしょうか。

 

近くのこの木はクリスマスツリーを連想させてくれて,たのしさいっぱい。母木は同じくヒノキ。ヒノキにすればひどく迷惑な事態です。鑑賞者にはもってこいです。手前は放棄畑。畑と林の境界を形成するマント群落になっているのです。

 

ヒノキの梢まで花房があります。

 

しばらく目が離せません。

 


このツクバネ,雌株と判明!

2024-05-08 | 植物

実生から育てて来たツクバネの一本が,このほど雌株とわかりました。やっと,やっと。

ツクバネは雌雄異株です。数年栽培して花を付けないと雌雄どちらなのか,さっぱりわかりません。雄株はずっと前に大きくなって前栽に植わっていますが,雌株については途中で枯れたりしてさっぱり確認できるまでには至っていませんでした。

それで再び実生を行って,やっと今年小さな花を付けたのです。ほんとうにやっと! 種子をたくさん蒔いておかないと,この試みは大変苦労します。

雄花はこれ。

 

ユニークなすがたです。

 

そして,初対面できた雌花の蕾はこれです。右端の先にあります。

 

雄花とすがたがまったくちがっています。

 

この先端にも蕾が。

 

二日が経ちました。

 

うまく受粉することができたら結実に至るでしょう。今のところ,木自体が小さいので雌花は数えるばかり。したがって,結実の確率はとても低いと思われます。さて。

 


“わんだぁ”の森の生きもの ~イシモチソウ(続)~

2024-05-05 | 植物

イシモチソウがぐんぐん育っています。といっても高さは15cm程度ですが。

離れたところから見ると,チョウが被害に遭っていました。近寄ってよく確かめると,翅表が青く光っています。まだ動いているので翅裏までをも極めることはできませんでした。どうやらミドリシジミのなかまのようです。

 

これまでミドリシジミがこのように被害に遭ったのを目撃したことはありません。今回の観察から,この森にミドリシジミが生息していることがわかった点は収穫です。

この様子を虫の目レンズで撮影しました。捕虫葉に生える腺毛の先には粘液がたっぷり。

 

撮りながら,これが自然のありのままのすがたなのだと痛感しました。

 


“わんだぁ”の森の生きもの ~イシモチソウ~

2024-04-27 | 植物

“わんだぁ”の森は,わたしが勝手に名付けた呼び名。なんといっても,わが家の近くにあってひっそりとハッチョウトンボが生息しているという貴重な裾野です。

昨年も記事にしたように,イシモチソウが生えています。そのイシモチソウが今伸びて来ています。

 

初めて観察しました。

 

イシモチソウは食虫植物の一つ。といっても,昆虫を食べるわけでなく,それを捕獲して栄養分にして生きているというわけです。栄養分は肥料として,つまり昆虫を有機肥料として成長にあてているのです。そうするほかないほど痩せた土壌に追いやられた植物。いってみれば,草魂なり雑草魂なりのたくましい草なのです。

 

葉から生えた突起の先端にから粘液がにじみ出ています。もう昆虫が捕らえられています。

 

よく見ると昆虫が二匹被害に遭っています。

 

分解されたらかたちがわからなくなります。

 

三匹も捕まっています。複眼に構造色もつこの昆虫はまだもがいていました。しかし,逃れることはまったくできません。昆虫には突然の地獄!

 

昆虫を待ち伏せるクモまで!

 

昨年はハッチョウトンボが被害に遭っているのを撮影しました。イシモチソウは追いやられた植物なのですが,そのくらしぶりはじつにしたたかです。

 


チューリップの実生,三年目の挑戦(7)

2024-04-05 | 植物

3月27日(水)。二枚目の葉が出かけた球根があります。三年目にして初めてです。

 

よく見ていくと,根元にわずか見えかけた葉が。

 

ここにも。

 

球根が太っていきつつある姿です。

4月4日(木)。もっとも長い葉は15cmあります。

 

どれも順調に成長。

 

開花するものとくらべると大きさを比べると歴然とした違い。

 

水には肥料を溶かして与えています。充実した球根を得たいですから。