自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

中蒜山登山(前)

2013-10-31 | 旅行

快晴の一日,深まる秋を感じながら,中蒜山登山を堪能してきました。登山口は,その朝,薄氷が張ったとか。氷点下の寒さです。自動車から降りて,一瞬,ひやっとした空気を感じたはずです。登山口地点は標高520m。

ススキの穂を横に見ながら,さあ,出発!

 

真っ赤に熟した実が秋を鮮やかに彩っています。登山者を歓迎するかのように。

 

1合目を過ぎてから沢を五つ越え,整備された林間の登山道を一歩一歩進みます。この日,岡山市の中学生250人が登山で訪れていました。先に出発したわたしたちを,すいすいと追い越していきました。

 

途中,植林されたヒノキの根元を通過しました。根が階段になっています。人間にずいぶん貢献しているようですが,ヒノキはけっしてそれを喜んではいないでしょう。わたしにはなんだか殺風景に見えました。

 

大山を訪れたときの紀行文でも書きましたが,人の通る道にオオバコが生えていました。5合目付近です。種子が靴に付着して運ばれ,蒜山でもここまで分布を拡げてきているのです。 

 

 

ブナを見ると,こころが安らぎます。その昔は,もっともっとたくさん林立していたのではないかと思うと,さびしい程のブナ模様でした。 

 

 

やっぱり,登山道には落葉樹がピッタリです。秋の匂いがたっぷり漂っています。 

 

 

沢を過ぎると,もう一直線といわんばかりの道です。ひたすら,前を見て,上に向かって登り続けるのです。わたしたちは,体力に合わせてじつにのんびり登って行きました。急峻ですが,階段が整備されていて,まことに快適な登山道です。林間に差し込む日差しの気持ちよさは上々。目で秋を満喫しながら,肌で風を感じながら,ゆっくり,ゆっくり進みます。 

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(再)

2013-10-30 | ジャガイモ

その後の芽生え第一号及び第二号について書いておきます。

10月23日(水)。第一号は双葉脇から出たストロンがようやく伸びてきて,先が地表に届きました。地表面に触れることが刺激になって,地中に潜り込もうとするかもしれません。先を見ると尖ったかたちになっています。潜り込もうとするときの一連の動きに,ぴったり適応しています。

一枚目の本葉脇から出たストロンが地表方向に伸び,間もなく地表に達しようとしています。

二つのストロンとも,体内にクロロフィルを増やし続けています。ストロンはまさに茎だといわんばかりです。観察を続けていると,その主張がはっきり理解できます。

10月25日(金)。ストロンの先端が地中に入る気配がありません。地表面が,土とはいえ,固まりすぎているのでしょうか。それで,それぞれの先付近(上の二枚写真)に土をわずかに寄せてみました。

一方の芽生え第二号はストロンの軸が緑色になり,上向きに伸びようとしています。葉の様子から見ても,ふつうの茎に近づいていくようです。やはり地中に潜れない状況下では方針を転換するのでしょう。

 

  


ブログ4年目,よろしくお願いします

2013-10-29 | 随想

平成22年5月にブログの立ち上げ作業を始めて,原稿をストック。その年の10月にブログ開設。以来,3年が経過しました。原稿数は単純に一日一本3年分というわけではなく,ずっと多くなります。一日に複数アップすることもありますから,自ずと原稿は増えます。

気ままに,あるがままに,時間に任せて書き綴って,そして撮り続けて,今に至ります。ブログというものは,ご覧いただいている方にお届けするご挨拶状だと思っています。わたしが元気でいる限りこのご挨拶を続けたいですね。自分自身にとっては,書くことをとおして元気印がもらえる刺激物のようなものです。

さて,ずっとお付き合いいただいている皆様,記事をお読みいただき,ありがとうございます。いただくご感想はわたしの財産。わたしの目の向け方について,はたまた自然の広さ・深さについて,あれこれご感想をいただくのをたのしみにしてます。わたしは,ものの見方・考え方・感じ方のようなものをお伝えしたいと思っているので,それに沿ったご感想をいただくと,心強い味方を得た気持ちになります。

「心ここに在らざれば見(視)れども見えず」ということばがあります。目に映っているのに,こころがそこに向いていないために意味づけができない,それでは見えていないのも同然という意味で使われます。あるいは,目の前にあるのにその存在に気づかないということでもあります。そういうときは,見る人の意識なり認識なりの網にかかっていないわけです。いろんな事象・現象が身の回りで生起しています。わたしの関心の柱は自然にかかわるのものですが,もし,それが見えていないためにザルの目をすり抜けるように落ちていったら,まことに勿体ない,勿体ない。

この勿体なさをできるだけ減らしたくて,いろんなものにいろんなふうに目を向けたいと思い続けています。3年前より今の方がその気持ちはずっと強い感じです。この調子でいけば,今よりこれからの方がずっとずっと強くなるのかもしれません。 

齢を重ねても,わからなさを探るたのしみ,マア言ってみれば好奇心を失っちゃおしまい,今,そう思っています。

自然への関心を持ち続けていると,千載一遇のチャンスがやって来たり,一瞬でチャンスを見逃したり,いろいろです。幸運を味方に付けられたら「ヤッホー!」という気分に浸れます。見逃せば,「今度は是非!」と思う気持ちが募って,先送りするチャンスを待ち続けたくなります。

このブログを読んでくれている子がいます。これからも,自然との付き合い方を手ほどきするつもりでわたしのドキドキ感を届けたいですね。「自然となかよしおじさんは,今も自然から学び続けています。まるで,少年のこころで」「あなたの知的好奇心の目をうんと耕して」と。 

結局,子どももおとなも,好奇心こそが学びや生きがいの原動力なのではないでしょうか。ヒトが知的動物だといわれる本質は,ここにありそうです。しかし,あたまでっかちになっちゃダメ。五感を総動員して感じ,からだで理解する,これが自然との付き合いのいのち。

以上,好きなように書きました。4年目のブログ。どうぞ,呆れることなくお付き合いください。

(注)写真は本文とは関係ありません。

 

 


ようこそ,ルリタテハの幼虫(再々々)

2013-10-28 | ルリタテハ

成虫を持ち帰って写真に残すことにしました。 実際に写そうとすると,なかなかうまくいきません。警戒心があって,なかなか静止してくれないのです。そんななかで,なんとか何枚か撮ることができました。

壁に付いているときに大急ぎで全身を撮りました。瑠璃色の帯がなんともみごとです。

昆虫の観察では,なんといっても眼が見逃せません。眼には毛が密生しています。眼の機能を保護しているのは明らかです。樹液を吸うために木を訪れます。樹皮やら他の昆虫やらがいるでしょう。ふだん雨に濡れることもあるでしょう。いろんな災いに対する備えのはず。 

別の角度から撮りました。毛も翅裏も脚も,樹皮の色に似せていることがわかります。これだと,外敵に見つかりにくいでしょう。その上で,厚い毛がからだを守っています。これによって,冬を無事に越すのです。 

頭上から見てみました。眼の毛がこんなにも密集していることに驚いてしまいます。個眼一つひとつから生えてきているのでしょうか。瑠璃色の毛が非常に特徴的です。 

眼をトリミングしてみました。毛がまるで針のようです。これで,雨粒は弾かれて入らないでしょう。ゴミも途中で引っ掛かっています。さらにようく見ると,その根元に個眼が見えます。 

脚の毛は棘状になっています。先の爪は,ものにしっかりつかまるためのもの。脚も保護色で,たいへん細かな色彩であることがわかります。 

触覚も保護色。まことに地味です。

ルリタテハの生き残り戦略は,これまでのルリタテハ自身の積み上げの結果,功を奏してきたもの。しばし,すてき写真モデルになってくれました。撮影後,来春の再会をたのしみにして外に放ってやりました。  

 


ようこそ,ルリタテハの幼虫(再々)

2013-10-27 | ルリタテハ

10月24日(木)。職場の駐車場に着いてびっくり! 羽化した直後でした。成虫は翅が縮んだまま殻から離れて,移動していました。大急ぎで,部屋に飼育箱を持ち込んで撮影開始。午前8時30分。翅はまだ弱々しい状態です。翅の裏側は枯葉を連想させる擬態模様をしています。みごとなほどの色合いです。

 

撮影していると,やがて翅がずいぶん開いてきました。そうして,時折,表側の瑠璃色紋様がちらりと見えました。“瑠璃”,なんとすてきな響きなのでしょう。日本独自のこのような色表現を前にすると,カタカナ表記の色文字が吹っ飛んでいきそうです。

 

しばらくすると,どのチョウもするように,口のウォーミングアップを始めました。口吻を伸ばしたり,また元に戻したりして。

 

蛹期間は2週間でした。

ほんとうはなんとしてでも羽化の瞬間を撮りたかったのですが,願いは叶いませんでした。しかし,幼虫は無事にここまで変態を重ねて,成長したのです。それを喜びとしましょう。この成虫はこのまま越冬するでしょう。また,来春,我が家のアゲハ庭園で再会したいですね。そうして,そのときは羽化場面をきっちり目撃したいです。

 


ろうそくで回る風車作り ~おもしろ科学教室~

2013-10-26 | 日記

10月26日(土)。『おもしろ科学教室』を開催。参加者は2年生一人。科学に興味があるT君です。2時間で二つも完成させました。風車が回転するしくみも理解でき,思うように工作できたことで十分充実感を味わったようです。

 

事前に工夫を試みていて思ったことがあります。 それについて書いておきます。

科学工作のネタを収集するために,いくつかのマニュアル本を活用しています。なかなか,おもしろいネタが入手できて,参考になる場合が多いので助かっています。ただ,必要な説明が抜けている,あるいは肝心要のポイントが書かれていない,そんな例もときにはあります。今回もその例の一つです。

風車を回すためには,熱エネルギーが運動エネルギーに変わり,そのうえで,一定の質量を持つ回転体(風車)を静止させている摩擦力に打ち勝たなくてはなりません。回転体の質量と摩擦力の総和に打ち勝つには,ロウソクの熱エネルギーが小さ過ぎるのです。そのために摩擦力を極力小さくすることが,成否のポイントになります。以上のことは,試作段階でうまくいかずにあれこれ考え,市販されているキャンドル・スペルの回転を調べていてわかった点です。

このおもちゃとは,下写真のものです。きちんとしたデザインでもあり,回って当たり前のはずなのに,ちっとも回転しないのです。三年前に買ったときは,確かに回った印象が残っています。「おかしいな」と思い,ちょっと指で加速してみました。しかし,間もなく止まるのです。何度やっても同じ。

 

ロウソクで熱せられた空気は,しっかり上昇してきているというのに。これはしくみに根本的な問題が潜んでいるはず。ひょっとしたら中心の回転部分,つまり支柱との接点の摩擦が大き過ぎるのかもと思い,針を付けて,その上に回転体を載せたところ,まことにスムーズに回転し始めました。これで一気に納得,です。おもちゃで使われている針金は太くて,その先は丸く仕上げられていたのです。不良品か,ほんものを真似た,いい加減なコピー商品なのでしょう。

今回参考にしたマニュアル本は複数の教師による共同執筆本です。この項の執筆者は,支柱材料に針金か金串を使うことを勧めています。しかし,わたしの苦労話につながる問題についてはまったく触れていません。不親切だという印象が拭いきれません。針金を使うのなら,先をきれいに磨いて一点にするのがポイントになります。そして,それはヤスリがあれば簡単にできるのです。どうしてその記述が抜けているのでしょうか。支柱に竹串や竹ひごを使って,先に虫ピン・針などを取り付ければ効率よく作業が進められます。金串を購入するまでもありません。

さらに二つ。まず,一点で支えるために回転の中心をうまく見つけなくてはなりません。これがなかなかたいへん。バランスがとれないと,工作としてはさっぱりです。次に,アルミ製の回転体を使うので加熱されることへの配慮がいります。ときには素手だと危険な場合があります。今回,わたしもヒヤッとしたことがありました。工作は安全にできることが前提です。「気をつけよう」ぐらいの記述はほしいと思います。

こうした,誰にでもすぐに理解できてすぐ応用がきくポイント,さらには留意しておきたい製作上のポイントを欠くのは解説書としていかがでしょうか。ほんとうに,いろいろ試した上でこのマニュアルをお書きになったのだろうか,そんな疑問さえ浮かんできます。編者にも注文したいですね。「マニュアル本は初心者にやさしく!」が原則です。

 


プラズマ撤退とプラズマディスプレイ研究者と

2013-10-26 | 随想

10月10日の朝刊を見ると,経済面第一記事の次の見出しが目に飛び込んできました。

「パナ,プラズマ撤退」「『テレビで利益』 厳しく」「液晶技術が向上 劣勢に」

見た途端,なんともいえない気持ちになりました。そして国際競争がどんなに熾烈なものか,その現実を垣間見た気がしました。

わたしのこころにある“プラズマ”は,その研究者である篠田傳さんと重なります。篠田さんは富士通に勤務されていたときに,プラズマの原理をカラーテレビに応用できないかと考え,苦難を乗り越えて実用化への道を開拓されてきた第一人者です。それで,“プラズマの生みの親”と呼ばれている方です。NHKの番組で,プロジェクトXや特集で取り上げられたことを思い出します。特集で紹介された超大画面薄型ディスプレイの迫力はスゴイものでした。

そんな経緯があって,当時富士通がプラズマ技術に関して得た基本特許はかなり多いはずです。

数年前,篠田さんの講演をお聴きできる機会がありました。県の理科研究会の講師としてお招きしたときです。わたしは当時,地区の理科世話係でしたから,よく覚えています。

わたしの印象は,細身で健康面で気遣わなくてはならないからだでありながら,困難を克服しようと全霊で会社組織や研究領域と対峙されてきたスゴサでした。これはまさに開拓者精神のかたまりだなあと思ったのです。

その後,篠田さんは元の勤務会社の協力を得て自分でベンチャー企業を立ち上げられました。もちろん,プラズマの可能性を追求し,製品を開発・製造・販売するために。大手企業には,国際競争が激化する中,そうした研究を進めるゆとりはなく,切り離すほかなかったのです。新しく出発した会社名は『篠田プラズマ株式会社』。

HPで会社概要を見ると,こんな文やことばが目に留まります。

 弊社は、世界のどの会社にも負けない大きな夢を持ち、その実現に向けて真摯にまい進する先端ディスプレイ技術をもつ会社です。この会社には次のような思いと目的があります。

  1. 超大画面ディスプレイを実現して、新しい産業と新しい映像文化を創る
  2. 若者へ、“企業家精神が夢を実現する”とメッセージをおくる
  3. 成功の暁には、若者の夢を援助する

ロマンと夢と愛に満ちた会社です。“チャレンジャーよ、来たれ”。 (以上,会長挨拶より)

また,『社是』にはこうあります。

  一 夢を育む

  二 成功を信じる

  三 ともかくやってみる

  四 考えて,考えて考え抜く

  五 決して諦めない

こんな社是を社是とする会社はそうないはず。次の『会社理念』にはこう書かれています。

近い将来,壁一面の表示装置を通してネットワーク通信を行う社会が生まれると期待される。それには超大画面で高精細な自発光型ディスプレイが不可欠となる。今まで育成してきたプラズマディスプレイ技術を応用し,新しい社会に貢献するとともに,社員の夢の実現を援助する。

若いエネルギーへの期待感で満ちています。経営者としてのこの感覚には,現場で叩き上げて来た研究心・自負心のようなものがくっきり見えます。この雰囲気なら,情熱をもって働く人には働き甲斐があるのではないでしょうか。

プラズマ撤退が篠田プラズマにどのような影響すを及ぼすのか,素人のわたしにはわかりませんが,国際環境が激変する中での新たな視点づくりと,競争力の向上は今後一層厳しさを増すでしょう。プラズマ方式のフィルムディスプレーを何枚もつないで大画面にするとか,曲面にするとか,いろいろ開発の方向があるとはいえ,あとを追いかけてくる海外勢にも勢いがあります。我が国の技術力・開発力に強く期待し続けたいですね。 篠田プラズマ,ファイト!

(注)写真は本文とは関係がありません。風景は,災害後のカワウの群れです。

 


アカタテハの受難

2013-10-25 | 昆虫

畑の手入れをしていると,ダイコンの葉にアカタテハが一頭。弱っているような,からだつきがふつうでないような。おかしいなと思って,それでもそっと近づいてみました。すると,左の翅がどうやら縮んだままのようです。メガネを掛けてもっとよく見ると,やはり変形しています。道理で飛べないはず。

いったい,どんなところでどんなふうに翅が災難を受けたのでしょう。翅が伸びない状態は,どうも羽化直後の異変を物語っているように見えます。

しかし,アカタテハの幼虫の食草はカラムシやイラクサなので,羽化時の災難なら,畑の近くに食餌植物が生えていなくてはならない理屈になります。ところが,そうした草はまったく見当たらないのです。 

となると,こうなった経緯を推し量るのはますます困難です。無理に解釈すれば,この個体が鳥に襲われたぐらいが浮かんでくるだけです。その解釈にしても,翅の縮れとは簡単に合いいれそうもありません。

ところで,アカタテハは成虫越冬をします。もしこの成虫が飛べたなら吸蜜を繰り返してこのまま来春まで生き抜くのではないかと思われます。急に冷えてきましたから,間もなく霜が降ります。今から産卵を経て一代を繰り返すとはちょっと考えられません。かわいそうですが,ここでいのちのリレーは途切れるのでしょう。これも自然のありのままの姿です。

 


ようこそ,ルリタテハの幼虫(再)

2013-10-25 | ルリタテハ

採集した終齢幼虫が前蛹に変わって,前蛹が蛹に変わって,そうして間もなく成虫になろうとしています。

10月22日(火),夜。ルーペで見ると,翅の辺りがなんだか黒っぽいような,紋様が見えそうな,そんな感じがしています。そろそろ羽化期が迫った感じです。

10月23日(水),朝。昨夜と比べて様相が大きく変わってきました。見るからに黒ずんでいます。

翅の部分がなんだか透きとおって,紋様が薄っすら見えているような感じがします。この後激変して,中が見えるようになるでしょう。そうして,あと一日ほどで羽化すると思われます。 

夜。透明感が増して,翅の姿がはっきり確認できます。 

10月24日(木)朝。一日でからだがどんどん透き通ってきました。なかでも,翅の紋様がくっきり見えます。空気層が万遍なく全身に行き渡ったようです。いよいよ羽化に向け,準備完了の合図が出たと思われます。その臨場感が伝わってきて,目が離せません。

 

なのに,この日はしごとに出かけなくては。飼育箱を自動車に積んで出発です。運転中に羽化するかもしれない状況です。どうなることやら。

 


ジャガイモの種子,予備的発芽実験の試み(更に更に更に)

2013-10-24 | ジャガイモ

10月21日(月)。芽生え第二号のストロンについて書いておきます。先に何枚か小さな葉があって,すこし開いています。「ストロンは茎だ!」とはっきりわかります。

このまま放っておいたら,地中に入るのでしょうか。しばらく様子を見て,もし入らなければ土をかけてみることにします。アンデス地方に自生する野生種の場合は,土が被さる環境下にあるかも,です。たとえば雨が降って,土が流れたり動いたりして地中に入ってしまうとか。

あるいは,ストロンの先がさらに伸びていって,なんとか地中に入ろうとするのかもしれません。よくよく考えてみれば,ストロンの長さが短いままだとイモができないわけですから,種の保存の観点からいえば不都合です。やはり,ある程度は伸び続けるのではないでしょうか。

10月23日(水)。 変化が出てきました。

意外なことに,ストロンの先が反り返るようにして水平方向,あるいはいくぶん上向きになりつつあります。光合成に不可欠な成分色素クロロフィルが急激に増えて,緑が濃くなってきました。小さくても,葉が増えそうな勢いです。地中に潜るのをすっかり諦めたのでしょうか。「このままじゃ,地中に潜り込んでイモがつくれそうもない。それならここで決断! 光を吸ってデンプンをつくる役に回るか」と方針転換したのかもです。ストロンの,二刀流の生き方はまことにあっぱれ! この時点でのストロンの長さは,右8mm,左6mmです。

それ(①,③)に代わるような感じで,ストロンの分枝現象がはっきり見えてきました。右(①)のストロンから二本のストロン(②,⑤)が,左のそれからは一本のストロン(④)が伸びてきています。こうした分枝現象は一般的なものなのかもしれません。

せっかくなので,一つの比較実験を試みることにしました。左側のストロン(③,④)に土を被せるというものです。一気に地中環境におくわけです。その土を②及び⑤にはかからないようにしておき,②⑤の先が潜り込もうとすればそうできるように土を軟らかく保っておくのです。 

さっそく,今日(10月23日), 実験に着手。