自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

"はりまる"の果実(実)

2022-06-30 | ジャガイモ

"はりまる"は近年育種された品種です。栽培が始まって間もない新品種といってよいでしょう。イモの外観で特徴的なのは目が薄紫だという点です。

 

"はりまる"の曾祖母にあたるのが"コナフブキ"。それがもつ結実しやすいという性質を受け継いでいるらしく,花が咲けば実がよく見られます(育種者談)。"咲けば"と書きましたが,わたしが実際に栽培してみると,花が咲くまでに至るのは多くはありませんでした。それでも,数例咲いたなか,今年も果実(実)がきちんと生りました。

 

表面の斑点はカメムシが吸汁した跡形です。カメムシはジャガイモの実がお気に入りです。

 

種子を取り出して,来春播種しようと思います。

 

ジャガイモは興味が尽きない植物です。

 


交尾 ~ジャコウアゲハ~

2022-06-29 | ジャコウアゲハ

知人のFさんは自宅の庭をチョウを招く数々の工夫を凝らしていらっしゃいます。

 

身近にすんでいるチョウの筆頭がジャコウアゲハです。ジャコウアゲハの食草はウマノスズクサです。かつてすぐ近くを走っていた線路の脇にこのウマノスズクサがどっさり生えていて,線路がなくなってから何年か後にウマノスズクサを自宅に移植。それがあれよあれよという間に育って,今ではずいぶんな茂りよう。

 

そうなるとジャコウアゲハがどんどん増えて,自宅のあちこちに蛹が付きます。その勢いでアゲハがわんさか飛び回るといったうれしい状況を迎えているのです。

訪ねた日,タイミングよくジャコウアゲハの交尾を目撃。それも二組です。

 

撮影していてすっかりうれしくなりました。

 

もちろん,花が咲いているからそこで安心して生きていけるのです。

 


捕食 ~シオヤアブ~

2022-06-28 | 昆虫

畑にて。

畑仕事をしていると,目の前にシオヤアブメス(メス)が飛来。どうやら獲物を抱えている様子。支柱にとまったので,そっと近づいて獲物の正体を確かめました。どうやらセイヨウミツバチか,ハナバチのなかまか,といった感じです。ハチはまだ脚を動かしていました。

 

こんなふうに抱え込まれてはおしまいです。これも自然の摂理です。

 

シオヤアブの暗躍する季節を迎えました。

 


'22 昆虫の頭・顔 ~ハッチョウトンボ(メス)~

2022-06-27 | 昆虫

ハッチョウトンボは,その数がオスの方が圧倒的に多く,メスは探すのにたいへんでした。これはわたしの単なる印象かもしれません。あるいは実際の絶対数がそうなのかもしれません。それで,顔写真といっても数えるほどしか撮れませんでした。

 

褐色を基調にした地味なデザインです。これは体色にもつながっているようです。

 

複眼はお椀のようなかたち。それが頭部をすっぽり覆っています。

 

まるで生きた構造物です。

 

真正面からも撮りたかったのですが,チャンスに恵まれませんでした。

 


'22 昆虫の頭・顔 ~ハッチョウトンボ(オス)~

2022-06-26 | 昆虫

ハッチョウトンボの行動範囲はいたって狭いので,近くに寄って撮影するのはそうむずかしいことはありません。じっととまっているとき,そっと上から近づきます。成熟したオスのからだは真っ赤。おまけに真っ赤な目が印象的です。よく見ると下の方が黒色を帯びています。

 

前の上方向から撮りました。複眼の赤と黒がくっきり分かれています。

 

なんだか見事な色分けになっています。

 

向きを変えて何枚も撮ります。

 

あちこちにいて,近づいて来て止まる個体もあります。トンボにとって視覚がどれだけ重要か,個の複眼のかたちと大きさを見ているとよくわかりそうです。

 

ちょうど前方向から撮るチャンスがありました。

 

うんとうんと近づいて撮りました。こうして見ると,黒い部分は単純な黒ではないことがわかります。この顔写真を見せられて「なんというトンボかな?」と問われたら,すぐにハッチョウトンボが浮かんだら大したものです。わたしには「赤トンボのなかまかな?」ぐらいにしか答えられません。

 

顔の表情は種ごとに異なっています。似ているようでも特徴がはっきりあります。ふしぎでもあり,納得もできます。

 


"準絶滅危惧種"ハッチョウトンボ ~オス~

2022-06-25 | 昆虫

あいにくの天気で,曇りがちで雨が降ることも。こういうときはハッチョウトンボの活動は停滞気味だそうです。

 

中には未成熟なオスが見られます。メスとは眼と腹部が異なっています。慣れると見分けは容易です。

 

成熟したらこのように鮮やかな色になります。

 

オスの縄張り意識は相当なもので,領域に他のオスが入って来たら途端に追い出しにかかります。それでこのように一定の距離感をもってくらしています。

 

ゆったりしている個体。

 

このような長い水草が生える環境は生息にはふさわしくないそうです。水面近くを自由に飛び回ることができません。

 

生息地を守るためには,長い草を抜き取る作業が欠かせなくなります。この湿地もまたそうした努力で守られています。

 


"準絶滅危惧種"ハッチョウトンボ ~メス~

2022-06-24 | 昆虫

わたしが訪ねた京都府ではハッチョウトンボは準絶滅危惧種に指定されて保護対象となっています。

たしかに,ハッチョウトンボは行動範囲が狭くて,生息環境が変化すると生存が危ういなあという感じがします。そうした昆虫が生き続けられるかどうかというのは,環境を見つめるたいせつな指標になります。本来なら,なにもしなくてもごくふつうに生存し続けるのが自然なすがたなのですが,ヒトという生きものが身勝手な方法で自然に手を付けたために,昨今のような状態になっているわけです。この例を取り上げるまでもなく,わたしの身近な自然から消えて行った生きものはたくさん。自然への手の付け方はよほど慎重で,思慮深くなくてはなりません。そのためにもまず,ヒトも自然を構成する一員だという考えに立たなくては。

ハッチョウトンボを撮影していて,つくづくそのことを感じました。

これはメスです。オスとは色がまったく異なっています。

 

メスがオスの縄張りに入って来たら,オスは猛然と追いかけるのだそうです。交尾は飛びながら,それも数秒だとか。それだったら,到底目撃できないという話になります。産卵はメスがオスと離れて水面で行い,オスはその様子をじっと見守っていると聞きました。

 

この小ささはとにかく印象的です。

 

左の個体は未成熟なオスです。複眼の色を見るとよくわかります。オスはやがて真っ赤に変色していくのです。

 

手を抜くと絶滅する恐れのあるハッチョウトンボ。これとの出会いはとても刺激的でした。

 


捕食 ~ササグモがセマダラコガネを~

2022-06-23 | 生物

畑にて。

セマダラコガネがジャガイモの葉にとまっていました。ネットにもいました。

 

ヤマノイモの支柱でササグモがなにかを捕えているのを見かけました。

 

近づいて見てみると,被害者はセマダラコガネでした。まったく動きかけしません。毒を注入されて,命果てているようです。

 

ササグモがどれだけ大きな甲虫を捕獲するのかわかりませんが,コガネムシのなかまを捕えているのを見るのは初めてです。

 

写真を撮っていると,ときには「邪魔者が来た!」とばかりにわたしの視野から遠ざかろうとしました。たぶん,なにがしかの警戒心が生まれたのでしょう。

このような場面も含めて生きもののさまざまな姿を見ていると,観察のたのしみは尽きません。畑は生きものがうごめく舞台。これこそが目の前の自然なのです。

 


'22春 虫の目レンズは友 ~アゲハ(幼虫) ~

2022-06-22 | アゲハ(ナミアゲハ)

春のこと。畑のレモンの木にアゲハの終齢幼虫が一匹。のんびりとした風景です。

 

草が伸びる前の季節で,農家の人が作業に精を出しています。幼虫は移動していました。

 

西日が山際に傾いています。まだ同じところにいました。撮影中,左前方から車が走って来たのでシャッターを切りました。

 

間もなく,遠景はすっかり変わるでしょう。

 


溜池のネキトンボ

2022-06-21 | 昆虫

自宅近くの山裾に溜池があります。その溜池にスイレンが群生しています。スイレンが生えているということは水深は程々で,底には泥があるということでもあります。そういう環境はトンボが生きていくのにぴったり。それで,結構いろんなトンボが棲みついています。

久しぶりに観察・撮影に出かけたら,ネキトンボがいました。翅の付け根部分が黄色っぽいのでこの名が付けられたそうです。体色は驚くばかりの赤。これはオスの特徴です。

水面から突き出した枯木にとまって,獲物が通りかかるのを待ち受けていました。シオカラトンボが盛んに侵入して来ました。そしたら,その都度追い出しにかかりました。なかなか強そうなすがたに見えました。下写真は糞をした直後に撮影したもの。排せつの瞬間を撮りたかったー!

 

戻って来て止まった姿勢は元通り。見ているときは捕獲に成功しませんでした。

 

わたしからはかなり離れていたので,位置を変えながら,なんとか撮ろうとしてみましたが,足元がぬかるんでいるのでたいへん。わたしからは10m以上離れています。

 

頭部をなんとか撮りましたが,あいにくの逆光。

 

夏場はトンボの季節です。今夏はちょっとばかり追いかけてみようと思います。