自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ネジバナと昆虫(1) ~クチナガハリバエ~

2020-07-31 | 昆虫と花

ネジバナでクチナガハリバエが吸蜜でした。これまでにもこの種を見かけたことがあります

 

これは別の個体。これも下向きの姿勢をして蜜を吸っています。吻がずいぶん長い!

 

ネジバナの咲き方をよく見ると,やや下向きになっています。ハリバエの吻のかたちから推測すると,この方が花の奥に吻先を自然に,そして無理なく差し込めるのではないでしょうか。花のかたちに合った吸蜜方法に思えて来ます。

 

距離をとって写すのでなく,できるだけ近づいて撮るのがわたしの撮影方法です。いわゆる接写です。そうしながら,昆虫に気づかれないように,去られないように注意深くわたしも動きます。

 


コチャバネセセリの卵(1) ~発見~

2020-07-31 | 昆虫

7月22日(水)。

車を停めた空き地にササが生えていました。その辺りをヒメウラナミジャノメがゆっくり飛んでいました。

 

ふと,ササの葉の裏を見てみたくなって裏返すと……。

 

なんとそこに真っ白な卵が!  位置は葉の基部です。 

 

卵はヒメウラナミジャノメのものではありません。表面には縦方向に線条が付いています。

 

これはこれまでに観察したことがない卵です。調べると,どうやらコチャバネセセリのよう。それだとしたら,直径は1.1mm,高さ0.8mmです。真っ白なので,産付後日が浅いと思われます。もしかすると,発見したこの日が産付日かも。

継続観察する価値があります。できれば,すくなくとも孵化までは。それはそうと,たまたま裏返した一本目の茎で,卵があるだなんて! 虫の知らせというか。なんともラッキー!

 


ナスで見た卵の正体は?(続々々) ~孵化が近づいた!~

2020-07-30 | 昆虫

翌朝のこと。残った卵2つの様子を見ると,ひとつが孵化済み。幼虫はもう葉の裏側にいました。

残るはたったひとつ。これはまだからだが見えないので,孵化はしばらく先になります。孵化済みの卵とはずいぶん産付日がずれています。ということはクロメンガタスズメの成虫は度々ここを訪れているということでしょう。

線条模様が見えます。しかし,これまでのように窪みができていません。

 

24時間後。体節ができています。よく見ていると,わずかながら動きました。

 

反対側から見ると,頭部がくっきり。卵に窪みができていないのは,頭部が上側にあるからだとわかります。

 

「こうなると,変化を見逃したくない!」。

 


オニユリの季節

2020-07-30 | 

オニユリが咲き始めました。漢字で“鬼百合”。大そうな名をもらって,こころがあればどう思っているやら。名にふさわしく,強そうで大きく見えます。でも,名の由来がどうなのか,わたしは知りません。オニが接頭語としてついている植物名には,他にオニタビラコ,オニノゲシなどがあります。調べてみると,それらは大型を意味しているようです。

花が咲けば実がなるのは自然の法則。にもかかわらず,そしてスゴイ量の花粉があるのに,実ができることはまずありません。アゲハが吸蜜に訪れているのを見かけることもあり,受粉が成り立っているはずなのに,結実しません。

これはオニユリならではの事情があるからです。染色体が三倍体なのでユリ自身が願っても実を結ぶことが叶わないのです。その代わり,丈夫なムカゴをどっさりつくりますから,親と同じ形質を持った子がどんどん殖えていきます。道端や草原で,たくましく子孫を残していきます。この戦略の持ち主は,わが国ではこのユリだけ。

 

太陽に向かって,堂々と伸びていきます。まるで梢がはるか上にあるよう。花は茎の下方から順に咲きます。

 

上写真は畑で栽培中のものを写しました。その昔,人々はオニユリの鱗茎を食用にしていたらしいですね。このユリを見ると,祖先とユリのそんな関りをつい思います。

 


ナスで見た卵の正体は?(続々) ~クロメンガタスズメだった!~

2020-07-29 | 昆虫

前記事と同じ日。どうも今日生まれそうな予感。卵内の幼虫が盛んに動いています。

 

外出しなくてはならない用があり,経過の確認できず。帰ってから確認。すると,3個がすでに孵化済み! 惜しいけれど,止むをえません。

それではっきりしたのは,正体はスズメガの卵だったということです。尾角の存在がそれを証拠づけています。そして,尾角が黒いのは孵化後一定の期間が経ったことを物語っています。

 

卵殻を食べています。

 

食べ終えて,いよいよ自立していきます。

 

クロメンガタスズメの可能性が大きくなってきました。残る卵は2つ。

 


ヒカゲチョウの成長(2)

2020-07-29 | 昆虫

7月18日(土)。昨夜の撮影からたった6時間経っただけなのに,ずいぶん様子が変わってきました。前回の写真は,やはり脱皮後間もなかったようです。

突起が黒っぽくなりました。

 

歩いているとき,できるだけ近づいて撮ったのが以下の写真です。

糸を出しながら歩いています。万一に備えた落下防止用命綱なのでしょうか。あるいは,道を間違えないように道しるべを付けているのでしょうか。いつも糸を出しているとは限りません。どういうときに出すのか,本人(?)に聞いてみたくなりました。

 

糸が伸びている様子がわかります。どうやら顎の下辺りに吐糸管がありそうです。

 

脚を宙に浮かして頭部を大きく反らそうとしました。

 

2齢は始まったばかりです。

 


コオニヤンマの頭・顔

2020-07-28 | 昆虫

公園の遊歩道にコオニヤンマがいました。弱って飛べません。

 

せっかくなので,頭部の近接撮影をさせてもらうことにしました。

 

やや斜め上からも。

 

 

大顎はりっぱなものです。抱え込んだ獲物を,これでバリバリ食するのです。音がします。

 

複眼の一部です。単眼が密に詰まっています。

 

もっと近づいて。黒い部分は偽瞳孔。見る方向にいつも移動します。別にこちらをみているわけではなく,目のしくみによるものです。

 

ヤンマのなかまをこうして撮れるチャンスがあまりありません。弱っているコオニヤンマには申し訳なかったのですが,よきチャンスでした。

 


ニジュウヤホシテントウの恋

2020-07-28 | 昆虫

夕方,害虫退治に畑に行きました。ナスの葉のあちこちにニジュウヤホシテントウが葉を摂食中でした。

そのうち見かけたのが,ニジュウヤホシテントウの交尾。初めて見る光景でした。すぐ傍にはテントウムシが付けた特有の食痕がありました。

 

薄暗くなりかけで,フラッシュなしで撮りました。惜しいかな,ぼけてしまいました。

 

こうして畑の出来事に目を向けていると,昆虫の生態がいろいろ見えて来ます。話のネタに欠きません。

 


ナスで見た卵の正体は?(続)

2020-07-27 | 昆虫

発見三日目。かなりはっきり見え出しました。毛も見えます。ところで,こんなに黄色っぽく見えるものの正体って何なのでしょう。

 

やや遅れ気味ですが,同じ変化が見られます。体毛も見えます。

 

ナスの収穫中,さらに別の卵を3つ発見。1つは観察中の卵の付いている葉。他の2つはそれぞれ別の株の,葉表です。

一つ目。つまり全体では三つ目。下写真の右の卵です。

 

二つ目。つまり全体では四つ目。

 

たぶん同じ種による産付でしょう。

 

三つ目で,全体では五つ目。

 

まもなくからだが見え始めるでしょう。

 

この卵の変化は初めて見るものです。

ところで,これまでの経験を思い出してスズメガのなかまではないかと思えて来ました。それで,ネット検索をしたところ,どうやらクロメンガタスズメのよう。これなら,ナスやジャガイモで被害を被ったことがあります。さて,正解は?

 


ニジュウヤホシテントウの産卵(続々) ~孵化~

2020-07-27 | 昆虫

7月8日(水)。さらに孵化する卵を認め,画像記録。

 

「これはよい風景!」。

 

すこしずつ角度を変えて撮影。

 

もう一つ,出始める瞬間から記録できました。ヤッター!

 

脚が見えます。

 

からだが大きく出て来ました。

 

からだがほぼ出ました。

 

結局,産付から孵化まで5日と12時間余りかかりました。最も長くかかったもので,5日18時間程度です。この数値がこれからの観察時の目安になります。

粘り強く観察することで,「なるほどっ!」と感じることが山ほど出て来ます。やはり,そしていつも,好奇心からの出発です。