自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

'21昆虫の頭・顔 ~カマキリ~

2021-12-31 | 昆虫

12月30日(木)。午後。宮総代ということで,新年神事の準備で神社に。

境内の掃き掃除をしているとき,足元にカマキリがいました。ずいぶん弱っているものの,まだ生きています。こんな遅いときまで生きているなんて,とてもめずらしいこと。鳥に見つかることなくまだ生きているのはスゴイ話です。

もちろん,それを持ち帰って撮影することにしました。結果は下写真のとおりです。

やはり,カマキリには鎌がお似合い。

 

偽瞳孔は見当たりません。赤斑紋はなにかあったことを物語っています。

 

すまし顔に見えますが。これはわたしが勝手に解釈した印象にすぎません。

 

正面からです。

 

カマキリはいのちが尽きて,間もなく自然に戻って行きます。

皆様,今年一年お付き合いいただきまして,まことにありがとうございました。来年がお一人お一人にとってハッピーな年になりますように。

 

 


キャベツの葉裏にあるガの卵(6)

2021-12-30 | 昆虫

発見日は、薄っすらと側単眼が見えていました。翌日の朝は下写真のとおりです。

 

12時間経った夜。見た目の変化は感じられません。寒くなると,変化は遅々としたもののようです。

 

さらに12時間が経過。発見日から二日経ったことになります。変化はまったくわかりません。

 


キャベツの葉裏にあるガの卵(5)

2021-12-29 | 昆虫

落下した、孵化寸前の卵のことが気になります。観察をこのままやめたくないし。それでやむなく、万一に備えて併せて見てきた卵を観察対象にすることにしました。

朝見ると、それも同じように孵化が近づいていることがわかりました。口と眼が形成されています。「しめた!」。

 

夕方に見ると、頭部と毛がかなりはっきり見えて来ました。頭部後方の黒斑紋も認められます。できれば孵化を見ながらシャッターを切りたいですね。

 

ここまではよかったのですが、深夜に見ると、なんとなくなっているー! ショック! どうしたというのでしょう。一度あることは二度ある、そんな感じです。

この卵の代わりは手元にないので、改めて畑で探しました。そうしたら,なんと複数個が隣り合うようなかたちで産付されたものが見つかりました。見ると,側単眼がどれにも形成されているのがわかります。同じ成虫が産み付けたものなのです。これらを観察していくことにします。慎重に,慎重に。

 

 


'21昆虫の頭・顔 ~ミナミヒメヒラタアブ(前)~

2021-12-28 | 昆虫

畑のキャベツをネットで覆い、虫対策をしています。すると、中にヒメヒラタアブが紛れ込んで出られなくなっていました。たぶん、葉にアブラムシがいて、そこにヒラタアブの卵が産み付けられたのでしょう。孵化したものの、出られず困惑していたのかもしれません。

オスとメスがいました。下写真はメスです。体長は8mm。

 

オスも捕獲。まずオスの表情をご覧ください。

 

頭部付近だけをくっきりさせました。

 

正面からとりました。ハエやアブの複眼を構成する個眼は途方もなく数が多いのですが、この小さなからだにもこんなにあります。

 

なんとか数コマ撮影できました。感謝。

 


'22 昆虫の頭・顔 ~キイロアシナガバチ~

2021-12-27 | ハチ

 冬に咲くサザンカは目を引きます。花が少ない季節だけに,赤や白,ピンクの大型の花が目に飛び込んできやすいのです。

それを見ていると,ハチやハエのなかまが見つかります。冬に活動する昆虫が意外にも多いことに驚きます。冬の昆虫を撮ることに関心を抱いてきたわたしにとっては,この季節は大いなる撮影チャンスです。

前栽のサザンカにキイロアシナガバチが来ていました。寒いので動きは緩慢。

 

それを捕えてスタジオで撮ることにしました。低温だと動きがとてもゆっくりしているので,慌てることはありません。攻撃してくる恐れもまったくなし。

 

正面からすまし顔を撮りました。すましているようでいて,なんとも恐ろしい表情に見えます。風格でしょうか。この種固有のいかつさなので,文句がいえる筋合いはありません。

 

頭をわずかにひねり気味の瞬間です。

 

「おーっ,これはばっちりとすましましたね」。そんな誉めことばを掛けたくなる一瞬。

 

撮影には辛抱強さが必要でした。触覚と翅がやたらと動くのです。触覚は微動。翅はあるリズムをとるようにして上にあがったり元に戻ったり。あとで確認すると撮影がうまくいっていたのは10回に1回程度でした。動きのある被写体を撮るにはじつに苦労がいります。

 

 


(続)ため池にコウノトリ!

2021-12-26 | 生物

先日の写真だけでは物足りなかったので,出直しました。三日後のことです。しかし,そこにコウノトリがいるとは限りません。はかない期待を抱いて出かけた次第です。

すると,どうでしょう。池の光景ががらりと変わっていたのです。全体の風景は変わりませんが,水量が激減。「ははーん,農業用の水が必要なくなった今の時期,水を流しているのだな」と過去の経験とつなげて納得。水際と岸との間が広がって,泥面がうんと増えています。で,肝心のコウノトリは?

いました,いました! 水の中を移動しながら採餌中でした。期待どおりに出会えたのです。

さっそく撮影開始! 今回は300mmレンズを準備しました。これならなんとか撮れるはず。

 

こんなに頭を水に突っ込んで!

 

貝でも獲ったのでしょうか。

 

羽を少しだけ広げました。

 

水に影が写っています。しきりにくちばしを水中に入れ,餌を撮り続けました。

 

一度だけ羽ばたいて移動。突然のことだったので,うまく撮影できませんでした。

 

このときも,撮影者はわたし一人。贅沢なひとときでした。

 


ため池にコウノトリ!

2021-12-25 | 生物

つい先日のことです。隣り町の田舎道を自動車で走っているときのこと。そこは山間部ながら,比較的広くてかなり大きなため池がある地点でした。何気なくそのため池に目を向けると,コウノトリが一羽餌をとっている最中でした。もうびっくり! わたしのほかは人影なし。

ため池は水がかなり抜かれて水辺には泥が見えかけています。池の向こう岸を横方向に歩きながら餌をついばんでいる様子。わたしとの距離は100mはあるでしょう。自動車を停めて,撮影開始。惜しいかな,望遠レンズでもない限り迫力に欠けます。100㎜レンズしか持ち合わせていなかったので,やむなく証拠程度の写真で我慢せざるをえませんでした

以下がその写真です。

 

他の水鳥たちと共生しています。

 

警戒していないように見えても,向こう岸にいること自体が警戒しているすがたかと思います。

 

「それにしても望遠レンズが手元にあったらなあ」。そう思ったひとときでした。

 


(またまた)タケの花!

2021-12-24 | 

タケに花が咲くと,竹林は枯れ始めます。花が咲いて実を結び,次の世代に交代するのです。それはタケが草の性質を持つ一面です。草は木と違って,開花・結実を繰り返しながら世代交代を続けていきます。

 

開花後の竹林を継続して観察記録するのは地味ながらとても意味あることです。

すでに枯れてしまっているタケと、枯れかけているタケが林立しています。これらのタケは開花が今年以前だったことを物語っています。そして開花期間が複数年にわたることがわかります。

 

道路に面した竹林です。

 

いずれ,竹林の中に入って記録写真を撮るつもりです。それに種子をなんとか見つけたいし,実生に出会えるよう願っています。

 


(また)タケの花!

2021-12-23 | 

花の,花たる所以は生殖器官としての役割に尽きます。ということは,オシベ,メシベ,そして子房,この三拍子で花としての体裁が成り立つということです。

オシベとメシベについては前回記事にしました。ここでは残りの子房を見ることにします。メシベは子房とセット。子房の先に花柱を伸ばしているのがメシベ。先端,つまり柱頭は花粉を受け取りやすいようにこの種に固有の形態を持っています。イネの場合はに複数に分かれています。それぞれに突起が付いていて,表面積をできるだけ大きくしています。

 

メシベだけを拡大して写しました。根元にある子房の膨らみが確認できます。黄色い部分がそれです。

 

さらに近寄ってみました。これが種子に成長していくのです。

 

こうなると,熟した種子を見つけ出さないとお話にならない気がしてきました。さて。

 


(続々)タケの花!

2021-12-22 | 

タケの花が開花すると,オシベが垂れ下がります。と同時に,メシベの柱頭がそっと顔を覗かせます。柱頭は植物ごとに固有の形態をもっています。タケの場合はいくつかにわかれています。そして,たくさんの突起があります。もちろん,花粉をよりたくさん,より確実に受け取るためです。

 

わずかに葯が出始めた花を覗いてみました。花粉が吹きこぼれかけています。

 

別の花です。柱頭にも花粉が付着しています。

 

柱頭の形状がよくわかります。花粉がほんのわずか付いています。

 

また別の花です。できるだけ近づいてみました。メシベが隠れるようにして出ています。

 

同じイネ科植物のイネの花と比べて,メシベは観察しにくい印象があります。とてもひっそりと,地味な付き方をしているように思われます。