自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

象糞紙を漉く(5)

2016-07-03 | 野草紙

煮た繊維を使って,さっそく紙を漉いてみました。

叩解工程では,今回は手作業をやめてミキサーを使いました。手早く作業をしたかったからです。下写真で上に載っているのが,叩解したあとの繊維,つまり紙料です。ふつうのイネ科植物の繊維となんら変わりません。


それを水に溶いて,これに粘剤を加えます。ここがポイントなのですが,今回は先日作っておいたサネカズラの粘剤を使うことに。とろんとした,いたって粘りのある液なので,うんと薄めて使いました。効果抜群!

ここまでは首尾上々。

これを溜め漉き法で漉きます。サイズは葉書大とA4。


漉き終わったら,水切りをしながら乾かします。今の時期は,梅雨であっても,カラッと晴れていれば一日もあればじゅうぶん乾燥します。


終始問題はまったくなし。

ステンレス網に付いたままの状態で,ミュージアムに持ち込みました。それを,おとな対象の『サイエンス講座』で見本として見ていただき,網からの剥がし方について理解していただくためです。じつは,7月の同講座は象糞紙を漉くことになっているという次第です。このときの報告は次回に。

 


キタキチョウの成長(2)

2016-07-03 | 昆虫

6月25日(土)。体長22mm。ずいぶん長くなった感じがします。スマート! これだけの体長があるからこそ長い消化器官を備えることができるのでしょうし,これだけ長い消化器官があるからこそ栄養分を効率よく取り入れてからだをつくり上げていけるのでしょう。葉の色に溶け込んだ体色も印象的です。

 

ばりばりといった勢いで葉を食べています。ひたすら食べることに集中します。複眼が確認できます。

 
6月27日(月)。体長28mm。なんだか,「優雅な」とでもいいあらわせそうなラインを描いています。


もっと頭部に近づいてみましょう。頭部の網目模様や複眼がはっきり見えてきました。


前方から見ると,「ほほーっ!」と感嘆の声が出てきそうな光景が広がります。複眼が一つひとつ膨らんで並んでいます。口器の鋭さが光ります。


小さな世界の大きな光景です。