自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

森の体験,火の体験

2015-03-31 | 日記

3月31日(火)。

今日,隣りの市で,親子自然教室が開かれました。教室は,一年の区切りとしてすてきな自然環境に集い,交流をとおして子の成長を確かめ合う場。親は,大自然のなかで子どもを育てようという気持ちを強く抱く人たちばかり。

わたしの勤務施設は,この教室の一部で協力させていただきました。その一部とは,野外料理に使う火を起こす場面です。ふつう,こういう場合はマッチやライターを当たり前の如く使うでしょう。それではあまりにも発想が陳腐で貧弱です。「そうではなくて,火の体験そのものをしっかり組み込んではどうか」「親自らが火を起こすのはどうか」と,わたしの方から提案したのです。

リーダー役のYさんとOさんには,提案にきっちり乗っていただきました。わたしは火起こし案内人に徹し,様子を見守っていくわけです。

かまどは二つ。一つは火打石で火を起こしました。それはYさんの役割。一撃で成功です。


もう一つはマイギリ式発火を使いました。これはOさんの役割。難なく成功。


あとは調理です。下写真のように,自然の雰囲気がたっぷり感じとれる体験です。


林間から煙が上り,辺りに楽しそうな声が響いていました。


わたしの提案はまずまず成功したように思います。これからの時代は,ホンマモノの自然体験とはどういうものか,細部に至るまで点検し,それを実現していくために筋道をつけることがますます重要になるでしょう。自然離れの傾向を考えると,納得できる人は多いはず。

発火体験をとおして,参加者から出てきた疑問は次のものです。

  • モグサはどうやって作るの?
  • 冬でもモグサは作れるの?
  • 炭は何なの?
  • 炭はどうやって作るの?

こころに残る平成26年度の締め括り日となりました。

 


春,タンポポ

2015-03-31 | タンポポ

道端にタンポポの花が目立つようになりました。在来種が花を開き始めたことにもよります。

3月31日(火)の午後,恒例のウォーキング。歩いていると,前方のタンポポにキタテハがとまっているのが目に映りました。近づくと,口吻を伸ばして蜜を吸い上げているのがよくわかりました。わたしにはまったく気づいていません。お蔭で,下写真が撮れました。 

 


しばらく行くと,今度はモンシロチョウが蜜を吸っていました。もちろん口吻が確認できました。タンポポは在来種です。写真を撮っていると,チョウは舞い上がったものの,また近くの花にとまりました。たぶん,わたしには気づいていないはず。

 
タンポポの花を見ていると,黒い小さなものが付いている花がありました。よくよく見ると,それはごく小さなハエでした。一匹どころか,数匹いました。ショウジョウバエのなかまでしょう。


目が慣れてきてわかったのですが,あちこちのタンポポで同じハエが見つかり始めました。いったい何をしていたのでしょう。ふしぎです。 

 


ホトケノザに昆虫3種

2015-03-30 | ホトケノザ

ホトケノザの群落で,ウリキンウワバの幼虫を見かけました。ホトケノザはどうもカビが生えているようで,群落全体が白っぽくなっています。そのうちの一本の茎の先端付近にちょこんと取り付いて葉を食していました。 

 


初冬,卵はあちこちで見られたのですが,無事に成長してきた個体はずいぶん少ない気がします。

よく観察していくと,ほかにも昆虫が見つかりました。アシナガヤドリバエのなかまです。葉に付着している餌を舐めていました。ハエは,場所を選ばずいろんなところに現れます。そのたくましさは見事なものです。

 


ガガンボがとまっていました。どうやらミカドガガンボのようです。 長すぎる脚を巧みに引っ掛け,上手にぶら下がっていました。何をしていたのでしょう。

 

 
3種の昆虫をタイミングよく写せました。ほかにヒメヒラタアブも吸蜜に訪れていましたが,とても敏感で,パッと逃げられてしまいました。 

 


早春,マンサクの花と訪花昆虫(21)

2015-03-30 | マンサク

マンサクの開花期間が終わってしまいました。今回の記事は,その終了近くの目撃例です。

まだ花に付いている花弁は随分色褪せ,散った花弁は地面をぱらぱらっと覆っていたある日。 

まだ訪れる昆虫が! ヤセバエの一種でしょうか。全身が黒っぽいのが特徴です。小さいながらも,かなり丈夫な脚に見えます。名残りの餌探しに夢中でした。

 
ずいぶん長い口吻が,ぐっと突き出しています。


口吻を精一杯に伸ばして,というか,突き立てるようにして吸蜜。 しぐさは,じつにゆっくりしたもの。


ある程度空腹感が満たされると,花弁の端に移動しました。脚には花粉が付着しています。 

 
飛び去るのかなと思っていると,同じ花に再び戻って行きました。もちろん,吸蜜のためです。お気に入りの餌のようです。 

 


子らが「火打ち式発火法」でボランティア(1)

2015-03-29 | 日記

わたしが子どものガイドになって活動を組み立てる際,「子ども自身が考え,行動する力を育てる」のが基本線です。ふつうほとんどの場合がそうなのですが,おとなが準備して体験させて,かたちだけの「たのしかった」「よかった」という感想を引き出しておしまい。これでは,体験の醍醐味をからだに沁み込ませることは叶いません。

ほんまものの子育て応援とは,子どもの自立の筋道を踏まえ,周到に手を打っていくことが要かと思います。

この“ほんまもの”をいつも脳裏に描いて,活動を組み立てることにしているのです。そこからは,「あー,たのしかった」だけでは終わらず,「しんどかったけど,満足感たっぷり!」という充実感を引き出せるでしょう。こころの芯から湧き出すことばを期待できるでしょう。

その一例が,今回計画している「火打ち式発火法」ボランティア活動です。いわゆる,社会参加っていうヤツです。4月4日(土)に,事業協力をしている博物館で『サイエンスショップ』が開催されます。先頃,博物館からブース出店の協力要請がありました。それなら,『火打石で火を起こそう』をテーマにしたブースはどうかと考えたわけです。そのときにひらめいたのが,子どもが主体者になって活動できる場にできないかという点。貴重な機会なので,子ども店員さんとして,来場者に発火法を手解きできたら意義深いでしょう。

それを実現するためには,実際に子ども自らが材料調達から発火法までのノウハウを知らなくてはなりません。事前にそれを伝授するのが,わたしの役割になります。ノウハウを知る苦労があって初めて,火打ち式の醍醐味が理解できます。こう考えると,参加する4人の子どもたちには最高の贈り物のように思えます。

伝授一日目。「火口(ほくち)」「付け木」の作り方を伝えるのです。前者は火種を作るための炭,後者は火種を炎に変えるときに使う道具で,薄い木片先にイオウを付けたもの。

これまでの活動で作った子が一人いますが,他はまったく初めて。それで,経験した子に説明をしてもらいながら作っていきました。


炎,熱,臭いを感じながら作るのですから,まずは安全最優先の作業になります。子らには,手の位置や風向きなどをいつも気にかけ,危険防止に心掛けるよう話しながら作っていきました。


結果は上々でした。次回は4月に入ってからの予定です。 

 


ジャガイモ栽培物語《真正種子編》(8)

2015-03-29 | ジャガイモ

3月29日(日)。播種後21日(3週間)が経過。生長の早さには差がありますが,順調に育っています。

まずポット植えの様子です。 

 


次に,連結ポット植えのものです。

 


その次は行儀よく並べて蒔いた育苗箱です。

 


おしまいは,育苗箱にばらばらと蒔いたものです。

 


よく見ると,子葉の間から本葉が見えかけているものも。

 

 

 
間もなく,この本葉,くっきりと姿を見せるでしょう。 

 


科学教室『ジャガイモを種子から育てよう』

2015-03-28 | ジャガイモ

3月28日実施の科学教室,テーマは「ジャガイモを種子から育てる」こと。種子はいうまでもなく,タネイモではなく,真の種子を指します。いい換えると,実生種子です。 

はじめに,ジャガイモがどんな野菜のなかまなのか,わたしがクイズを出して,子らに解いてもらいました。子らは,かたちや育ち方などからサツマイモのなかまだとか,タマネギのなかまだとかと考えました。トマトと同じナス科植物とわかり,びっくり。

出芽したイモ,それに種子を見て,またびっくり。「こんなに小さいの?」「ゴマみたい」「1mmだ!」。そんな驚きの声を上げていました。せっかくなので,イモと種子のちがいについても考えました。


発芽した種子を提示。それでまたまたびっくり。じっと見つめていました。自分たちも種から育てたいという気持ちが膨らんできたようです。 

 
続いて外に出て,種蒔きの準備をしました。ふるいを使って培土作りです。


種をぱらぱらと蒔いて,わずかに土を被せます。そして灌水。 

 
これで,作業は終了。10日後には発芽が始まるでしょう。始業式の頃です。すてきなプレゼントになります。 

 


パンジーの訪花昆虫!

2015-03-28 | 昆虫と花

花が色鮮やかだったり,匂ったりするのは,当たり前のことながら昆虫を招く手。

そうだとはわかっていながら,「ほんとうにこの花には,どんな昆虫が訪れるのかな」とふしぎに思う花があります。その一つがパンジー。

パンジーに昆虫が頻繁にやって来て吸蜜している風景なんて,まったく頭に浮かんできません。なのに,長い開花期間中,鮮やかな色彩で自己の存在を主張し続けているのです。

そんな疑問を抱いてパンジーを気にかけていた矢先のこと。たまたま,訪れた昆虫を目撃することに! それはキタテハです。


プランターのパンジーにヒラヒラやって来たと思ったら,すぐに花にとまりました。何をするのかなと思って見ていたら,口吻を伸ばしたのです。いやはや,びっくりびっくり。

すぐにコンデジを取り出して,この場面を写しました。ピンボケ気味なのですが,状況証拠としては貴重な資料になりそうです。

しばらくして舞い上がると,近くの花に降りました。そこでも吸蜜行動が続きました。これだけ目立つチョウが飛来するのは珍しいのかもしれません。


花弁が大きい割りには蕊のある空間が小さいので,これまで,この花がどんな昆虫を歓迎しているのか,想像がつきませんでした。ずっと観察を続けたら,もしかすると,かなりおもしろい事実が見えてくるのかもしれません。しかし,そこまでする余裕はありません。

まずはキタテハが訪問者だとわかっただけでも,大満足!

 


ホシノヒトミと訪花昆虫と(7)

2015-03-27 | 昆虫と花

3月27日(金)。

今日がルリタテハの初見日となりました。公園を歩いていると,どこからともなく飛来したルリタテハ。さっさとわたしの頭上を越して向こうの方へ行ってしまいました。うれしくて,はしゃいでいるのかなと,ついつい思いました。ふつうなら,その辺りをヒラヒラと舞うのに。

ホシノヒトミの群落を見ていると,ヒメヒラタアブのなかまが数匹飛び回って吸蜜行動に勤しんでいました。

「よしよし,これは撮っておく値打ちありだな」。そう思って,そっとそっと後を追いました。そして,タイミングを見計らって写真に撮りました。 


口吻が伸びているのが,確かに確認できました。 


ホシノヒトミは,結構いろんな訪花昆虫のお世話になっていることが見えてきました。ちょっとの観察でも,慣れてくれば,ポイントを逃さずに見えてくるものだなあと,今感じています。

 


ナズナと昆虫(2)

2015-03-26 | 昆虫と花

昆虫と花の関係ということで,近頃,ナズナの訪花昆虫について気にかけています。なにしろ,ナズナは人間にとってとても身近な野草でもあるし,至る所に生えている草ですから。

ところが,この花ならいつでもたくさんの昆虫が見られるだろうと思っていると,とんでもありません。なかなか目撃できないのです。たぶん,それは花がごく小さいので,わたしたちの目に付く大きめの昆虫が訪れるのはとても少ないためでしょう。花弁にしても,白いものの遠くからではほとんど見分けが付かない程です。それに,匂いだってうんと頼りないはず。

時間をかけて観察していれば別ですが,ふつうはそんなわけにはいきません。実際,少し立ち止まって見ていてもほんとうに少ない感じがします。なのに,ちゃんと結実するのですから,とてもふしぎに思えます。

さて,そう思って見ているときのこと。たまたまホソツヤヒラタアブが目にとまりました。一瞬,「スゴイ!」と,こころが踊りました。「どうか飛び去らないで」と願いながら,撮ったのが下写真です。


口元を見ると,確かに,餌を口にしている様子です。


慎重すぎる程慎重に近寄れば,ちっとも気づかないようです。お蔭で,ナズナの新たな送粉者と対面できました。

こういうときは,とにかくうれしい限りです。