庭のキクが花をちらほら開きかけました。でもまだほとんどが蕾の状況です。
朝,庭の手入れをしていると,そこをいちばんに訪れたのがオオヒメヒラタアブ。「これは,これは」と思いながら,その様子をしばし観察。わずかに開いた花に行くのかと思ったら,そうではありません。蕾ばかりに行く,あるいは茎の間に入って行く,そんな行動をするのです。ふしぎでしかたありませんでした。
しばらく見ていて,「そうか!」と合点。よくよく見ていると,腹端を曲げて,蕾や葉にくっ付けるしぐさを繰り返しました。「ははーん,これは産卵なんだな」と思ったのです。
産卵にまちがいないと思って,去った後を確認しました。すると,そのとおりで,そこには細長くて真っ白な卵が一粒,ポツンと産み付けられていました。長さが0.6mm。
くわしく見ると,卵の表面に小さな小さな突起が無数に見えました。こんな特徴的な卵を産むのにビックリ。
産卵行動を繰り返すので,カメラを向けて撮るうちに,産卵のまさにその瞬間場面をとらえることができました。
腹端を曲げて,産卵姿勢に入ると……。
排卵孔から卵がポツリ……。
部分拡大してみると……。「これはスゴイ,スゴイ!」。 頭部は,手前の葉が邪魔になって写っていませんが,キクの株間でこんな風景を撮影できるなんて,まるで夢物語です。
孵化した幼虫の餌はアブラムシです。アブラムシが殖えるとよくわかるのですが,一目見ただけではまだ見当りません。それで蕾付近を探していきました。するとちゃんといたのです。わずかなアブラムシを探知するヒラタアブの能力はさすがです。それでこそ,種として生き残れるというものでしょう。
それで,孵化や羽化を観察できればしようと思い立ちました。孵化は2,3日後のなるでしょうか。