ツクバネはビャクダン科に属する落葉低木です。それに,雌雄異株で雄花と雌花が付く株がきまっています。実は4枚の羽根をもっていて,落下時に回転しながらより離れたところに移動します。羽根つきの羽根を連想させるかたちをしています。庭木としてはなかなか味わい深い木だと思います。
それの自生地で,数年前に実(種子)を拾って来て庭に植えていたところ,運よく発芽。雌雄両方が生長していたのですが,惜しくも雌株が枯れてしまい,雄株だけが残りました。これでは実が生るのをたのしめません。
それで,改めて種子を拾って,今度は雌株を育てたいと思い立ちました。といっても,種子で雌雄を見分けることは不可能です。複数発芽させて植え付け,花で判断するほかありません。それには4,5年かかるものと思われます。息の長い取組になりそうです。
というわけで,年の瀬,時間を空けて採種に出かけました。落ちた実もありましたが,残ったのがほとんど。残った実には羽根があるもの,ないもの,あっても1枚,2枚といったものもありました。実のかたちには優雅な趣きがあり,たくさんぶら下がっている風景はなかなかのもの。
うんと近寄って撮りました。羽根つきの羽根にそっくり! まるで大空に向かって飛んでいるよう。
林の辺縁部で見た光景です。
大部分は枝先に実が1つ。
撮っていると,小さなガが実に着地。すぐ飛び去りました。
なかには2個のことも。珍しい!
さらに珍しいことに,3個の例も見つかりました。
撮影後,実をいくつか採取。近く植えることにしています。