自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その399) ~孵化~

2023-09-24 | ジャコウアゲハ

9月22日(金)。

「これは孵化が近い!」。そう思える卵が二つ並んでいました。それをスタジオで撮影することに。卵は葉裏にあります。したがって,じっさいの見え方は……。

 

このようになります。

 

一つの卵で殻に穴が開けられ始めました。

 

頭が見えてきました。

 

出始めました。いよいよ誕生です。

 

頭部がすっぽり出てきました。背部の体毛でわかります。

 

「よいしょ!」。そんな感じです。ゆっくりとした動きなので,撮影に慌てることはありません。

 

誕生です!

 

続いてもう一つの卵も孵化。それが終わって卵殻を食べます。もうウンコをしています。まあいっていれば,胎便。

 

冬を迎える前に蛹化します。こうして季節が確実に移り変わります。

 


ジャコウアゲハ観察記(その398)

2023-09-23 | ジャコウアゲハ

9月22日(金)。アゲハの庭園にて。

猛暑の夏から一転。確かに暑いのですが,適当に雨が降ります。お陰で雑草も野菜も元気そう。ウマノスズクサを見ると,葉裏には卵や幼虫が。これらは今冬を蛹で越します。ウマノスズクサはあちこちに生えています。

まず卵です。

 

幼虫はあっちに。

 

こっちに。

 

そっちに。

 

中には脱皮直後の個体も。頭部の殻も落ちないまま。

 

そして,孵化近し,の個体もありました。これは次回にご紹介します。

 


交尾 ~ジャコウアゲハ~

2022-06-29 | ジャコウアゲハ

知人のFさんは自宅の庭をチョウを招く数々の工夫を凝らしていらっしゃいます。

 

身近にすんでいるチョウの筆頭がジャコウアゲハです。ジャコウアゲハの食草はウマノスズクサです。かつてすぐ近くを走っていた線路の脇にこのウマノスズクサがどっさり生えていて,線路がなくなってから何年か後にウマノスズクサを自宅に移植。それがあれよあれよという間に育って,今ではずいぶんな茂りよう。

 

そうなるとジャコウアゲハがどんどん増えて,自宅のあちこちに蛹が付きます。その勢いでアゲハがわんさか飛び回るといったうれしい状況を迎えているのです。

訪ねた日,タイミングよくジャコウアゲハの交尾を目撃。それも二組です。

 

撮影していてすっかりうれしくなりました。

 

もちろん,花が咲いているからそこで安心して生きていけるのです。

 


ジャコウアゲハの孵化(1)

2022-05-04 | ジャコウアゲハ

4月19日(火)。庭のウマノスズクサにジャコウアゲハが卵を産み付けました。その瞬間を目撃したわけではないので,産付日は定かではありません。しかし,その場所でそれまでは見かけなかったので昨日か今日あたりかと思われます。

 

近くにあるのは,もちろん同じ成虫が産み付けたからです。

 

4月30日(土)。10日経つと,孵化が近づいている様子がはっきり窺えます。卵全体に黒っぽさが出てきています。そして濃いめの線が並んでいます。それはからだを覆う毛が束になっているのを物語っています。

 

向こうに薄っすらと見える薄めの卵は,後日産み付けられたものです。

 

いつ孵化するかわからないので,室内で観察することにしました。

 


ジャコウアゲハ観察記(その397)

2021-05-13 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハが元気に活動しています。アゲハの庭園にはウマノスズクサがあちこちに生えています。ジャコウアゲハが次々に訪れて産卵します。

 

こんなに翅がボロボロです。相当苦労を重ねてきたのでしょう。

 

産卵数は複数のようです。腹部をまた葉裏にくっ付けています。

 

産卵にはかなりのエネルギーを費やすようです。ホッとした感じが伝わって来ます。

 

ゆっくり葉から離れて行きました。まだ産卵するのでしょうか。“母”はたいへんです。

 


春の孵化 ~ジャコウアゲハ~

2021-05-07 | ジャコウアゲハ

アゲハの庭園にて。

ジャコウアゲハが飛び回っています。食草に産付された卵を見ると,偶然孵化寸前のものが! ラッキー! 卵の直径,高さはともに1.4mm。

 

急いで撮影準備。もう出て来そうな感じなのに,なかなか出て来ません。

 

やや時間が経過して,顎が盛んに動き始めました。いよいよ誕生の瞬間を迎えそう。

 

頭部がすっぽり現れました。

 

ぐうっと身を乗り出します。背伸びといいますか……。

 

着地! 

 

今季初めての幼虫誕生の撮影となりました。ウマノスズクサの葉にはあちこちたくさんの卵が産み付けられています。どんなシーンにお目にかかれるでしょうか。

 


夏! 虫の目写真シリーズ(30) ~ジャコウアゲハの前蛹・蛹~

2020-08-27 | ジャコウアゲハ

アゲハの庭園にて。

ハツユキソウの茎にジャコウアゲハが登り,そこで前蛹に。

 

朝で,あいにくの曇り空。しごとに出かける前でしたが,貴重な撮影機会と思い撮影。

 

順調に推移して,羽化が近づいてきました。晴れた日はやっぱり撮影には好条件です。

 

羽化まで見届けることはできませんでした。羽化した成虫が元気に活動していますように……。

 


ジャコウアゲハ観察記(その395)

2020-05-26 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの幼虫が孵化する,その場面をできるだけ近接して,できるだけリアルに撮りたくて,粘ってみました。ジャコウアゲハの場合はさっさと誕生するのでなく,割合ゆっくり,時間をかけて出て来ます。それで,慌てることなく,幼虫の動きにじっくりと合わせながら撮影できました。ただ,被写界深度が極端に浅くなるのはいつもながらやむを得えません。

頭部下に見えるからだのねじれからは卵内でからだが曲がっている様子が想像できそう。

 

さあ,誕生! 口の両側にあって,白く光る長い毛はアンテナ。機械感覚毛です。触覚のはたらきを担っていて,これにより環境から刺激を感じるのです。

 

アンテナが葉の表面に触れようとしています。

 

アンテナの先が葉に触れると,信号が神経をとおして脳に伝えられます。「葉に着いたよー!」。そんなふうに。

 

「よし,出ようか」。こうして次の判断につながっていきます。

 

第一歩を印した瞬間。大急ぎでカメラの向きを縦方向に変えました。後方を見ると。からだの一部がまだ殻に残っていることがわかります。

 

無事に誕生しました。ほっ。

 


ジャコウアゲハ観察記(その396)

2020-05-25 | ジャコウアゲハ

別の"だんごきょうだい"のその後について報告しておきます。

この日は昨夜から続く雨が止まないまま。朝撮ったのが下写真です。幼虫がいつ誕生してもおかしくない様子。

 

仕事から帰って確認。上に載っていた卵はすでにすっかりなくなって,幼虫一頭下の卵に関心をもっているようでした。その卵は孵化している最中で,表面が雨しずくに覆われていました。この幼虫は上にあった卵から出てきた個体だと思われます。もしかすると,もう一つの殻を外から食べかけたのかもしれません。

 

幼虫が去った後,卵内の幼虫はじっとしたまま。水滴が妨げになっているのかも。

 

葉を切り取って家の中で観察。時間が経ってから見ると,水滴は蒸発していました。そして,幼虫が出てくるまさにその瞬間が観察できました。殻の中の様子までリアルに見えました。なお,殻に空いた穴は前より大きくなっています。きっと何かの判断がはたらいた結果でしょう。

 

これで無事に誕生!

 

「ほっ!」。

 


ジャコウアゲハ観察記(その394)

2020-05-23 | ジャコウアゲハ

"だんごきょうだい"の一つ,下の方が先に孵化した例について,おもしろい結果を報告しましょう。

孵化したばかりの幼虫は基本どおり卵殻を食べました。

どのくらい食べたかといえば,ほとんど! でも,上の卵が落ちる前に止めました。こういう事態だとわかっているようなのがふしぎです。

上の卵の存在を知っているのでしょうか。

 

幼虫は見当たりませんが,前より殻が小さくなっています。

 

殻がもっと減っています。

 

反対側から見てみました。かろうじて支えの部分だけが残っています。よくもまあ,これだけ残したことよ。隣では孵化が始まっています。

 

次は上の卵から孵化した幼虫の行動を気にしておきましょう。

 

(追記)結局,上の卵は孵化せず。孵化中の幼虫は,どうしたのかこのまま力尽きて出ることができないままで終わりました。