自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

マンサク,今(26)

2018-02-28 | マンサク

偶然のこと。体長が2mmほどのごく小さな黒い昆虫がいるのが目に入りました。それがなにか,肉眼ではわかりませんでした。

カメラをとおしてやっとわかりました。それほどの小ささ! シマバエの一種です。昨シーズンまでにも見かけて撮影したことがあります。ほんとうに久し振りの姿を見て。「ほっ,ほーっ!」の気持ちになりました。 

 

じっとしていたので,もっと近寄って全身を撮りました。口吻がちょっとばかり出ています。頭と腹に花粉がすこしだけ付いています。花の中に入ってはず。頭のそれは葯よりも口を下に潜り込ませた証拠。腹のそれは葯の上に乗っかった格好になった証拠。

 

シマバエは一瞬にしていなくなりました。ピンと跳ねたようにして。

めったに見られない昆虫。また合えるかなあ。期待して待ちます。 

 


マンサク,今(25)

2018-02-27 | マンサク

今冬は,ユスリカのなかま2種が躍動する姿をたっぷり目撃できました。耐寒性が強いことにずいぶん驚きました。

 

花の中にいるときは,たいていは上からしか写せません。

 

この時は運がよくてたまたま位置関係がよく,真横から撮影できました。吻が曲がった状態で収まっています。これが巧みに伸びて,花弁や蕊の表面を舐めるのです。 

 

真横からはめったに見られないこのユスリカ。花弁にとまってじっとしていました。

 

小さなからだの細かなつくりには驚きます。 

 

口吻にピントを合わせました。折り曲げた吻 が二本。似た者同士です。

 

接写の世界は驚きで詰まっています。

【付記】

今日2月27日(火)は,日中春を感じさせる陽気でした。最低気温-2.0℃,最高気温14.7℃。我が家の玄関前でテングチョウと再会!  わたしにとっての初見日になりました。暖かさに浮かれて眠りから覚めたようです。2月の出現にはびっくりしました。

 

 

全身で日を浴びているって感じ。気持ちよさそう!

 

  


マンサク,今(24)

2018-02-26 | マンサク

タネバエのなかまがいました。花にとても関心があるようです。 

 

と思っていたら,やはりそうでした。花に入って行きました。 

 

口吻を葯にペタペタ。これはもう花粉を舐めているまさにその現場です。 

 

もっと近づいてみようと思って,どんどん近づきました。

 

ここまで近寄ったのですが,花弁が視野を遮ってしまいました。残念! 

 

花から花へと渡っているうちに,からだには花粉が付着。花の作戦はうまくいっているようです。

 


セツブンソウの受粉方法

2018-02-26 | 植物

セツブンソウのふしぎの一つに,受粉方法があります。

 

2月から3月にかけ群落を形成して開花するほどなのに,ふつう昆虫が訪れる気配がしません。他家受粉なのか自家受粉なのか,よくわかりません。ネットで調べると,ハナバエが吸蜜に訪れている一コマがありました。これを撮影した人は大したものです。

解説をいくつか読むと,自家受粉であるとか,ときには風を頼って送粉しているとか,昆虫が送粉の手助けをしているとか,じつに曖昧模糊とした説明が続いています。人工授粉する場合は,異なる株同士でやれば結実率が高まるそうです。これは実際にそのようにして殖やしている人がいるという根拠に基づいた話なのでしょう。したがって,信頼してよさそうです。

 

基本的には,近親交配を避けるのが種族維持の原則ですから,人工授粉のこの策は妥当でしょう。虫媒花という見方はごく自然です。萼片,花弁,蕊ともに地味ながら有色です。明らかに昆虫を念頭に置いたアピール策と解釈してよいでしょう。

しかし,風媒花としてはどうなのでしょうか。なんとなく腑に落ちません。理屈としては成り立つ話であれ,確かめようがないからです。そういうこともあるかあ,マアそんなところです。風の力を強調する場合は根拠をぜひ示していただきたいですね。

結局,本に書いてあったとか,人から聞いたとか,そんな次元での思い込みには問題がありますね。自分がもしかしてそれを信じ,まちがった情報かもしれない知識を流布する手助けをするかもしれないのですから。いわゆる鵜呑みっていうのです。

生きものは多様な遺伝子を残そうとします。同じ遺伝子を持つことは,環境などの外的要因で種として全滅する恐れがあります。それを避けるためにも,それぞれの植物は受粉にはできれば他家受粉を期待しているはず。それができないときのために,自家受粉という保険に頼っているのです。ともかくまず他家受粉ありき,とわたしは信じています。

さて,セツブンソウの真相は? 

 


冬,虫の目写真(17) ~セツブンソウ(続)~

2018-02-25 | 植物

この日は晴れ。霜が降りていて,ぶるぶるっと身が震えました。晴れた日はセツブンソウの撮影に好条件とばかりに,再訪。

花と葉に霜がびっしり付いて,いかにも冷え冷えとしていました。花はたいへんだなあと思いつつ,これでよく耐えているなあと感心。

 

やがて日が差してきました。そして霜が解け始めました。

 

日が昇って,霜がすっかりなくなり,白い花が輝きかけました。花は氷点下の寒さに負けていないのです。この姿,青空に映えます。 

 

一か所にきょうだいのように固まっています。たぶん,同じ株から種子が落ちて殖えたのだろうと思われます。

 

根元にツクシが! いかにも早春の風景です。

 

わたしが撮影している間,人は一人も見かけませんでした。セツブンソウが春を告げる,静かな午前でした。

もう一度,近くの大群落を訪れたいと思っています。そこは2万株咲くとか。地元の人たちが保護に力を入れているとのこと。見応えありそう。撮り応えもありそう。 

 


マンサク,今(23)

2018-02-24 | マンサク

ふと見ると,ケブカミバエが! これは過去にも目撃した昆虫。ノゲシケブカミバエのようです。金属光沢をもった複眼が光ります。 

 

からだには花粉がたくさん付着しています。花を巡って来たのでしょう。ここでも歩いてゆっくり花に入って行きました。

 

思ったとおり,口吻を伸ばしました。

 

体長が3mm程度。このアングルからはこれ以上近寄れませんでした。

 

たった一例ですが。ケブカミバエとマンサクのつながりが確かに見えます。

 


マンサク,今(22)

2018-02-23 | マンサク

このユスリカも再登場です。

吻がこれだけ写し込めるのはかなり珍しいこと。葯の表面を舐めています。 

 

こんどは葯の下,花糸を舐めています。吻がしなやかに伸びて,先が花糸に触れている様子がわかります。 

 

この姿勢で摂食を続けていれば,花粉がからだに付いたり,からだの花粉が柱頭に付いたりするでしょう。 

 

これだけくっきりと画像記録できるのはハッピーです。 

 

花と昆虫とのつながりを追っていくと発見物語が綴れそう。 

 


マンサク,今(21)

2018-02-22 | マンサク

何度も記事にしてきたこのユスリカの行動を見ていて,「これはすごい!」と感じる画像が得られたので報告します。

からだに付着した花粉と,懸命な摂食行動とがつながって見える場面を目撃しました。頭部・胸部の花粉は見事なばかり。触角にもどっさり。

 

口器を使って葯辺りを探っている様子。

 

複眼にもたくさんの花粉が!

 

それでも摂食を続けます。左上に葯が薄っすらと見えます。この姿勢で花を巡っていれば,頭部を中心に花粉が付くはず。

 

びっくりする風景です。

 

こういう世界を,わたしは「いのちの小宇宙」と呼びたいと思います。肉眼では見えないこんな宇宙で,ドラマが刻々と展開していることは驚異です。 

 


2018,ホッカイコガネ栽培記(1)

2018-02-21 | ジャガイモ

久々に近くのホームセンターに出かけました。買いたい日用品があり,ジャガイモの種イモも見たい,というわけです。このセンターでは一昨年にホッカイコガネを買ったものの,昨年は台風の影響で北海道産の種イモが入荷しませんでした。やむなくネット注文をしてかろうじて栽培にこぎつけたという経緯があります。

多少割高感はあったものの,すべての株で果実が実り,大きめのイモがどさっと収穫できました。結果は良好。この年も充実感をたっぷり味わえました。

今年は男爵はやめて,ホッカイコガネ,メークイン,アンデスレッドの3種にするつもり。ホッカイコガネは欠かせません。そんなことを思いながらホームセンターの売り場を見ていくと,なんとそれが置いてあったのです。うれしくって飛び上がりました。

 

1kgが398円。メークインより高値です。味はメークインに負けていません。これを2kg購入。今月下旬には植え付ける予定です。

 

果実ができる品種をわざわざ栽培するのは,ただただ果実を観察するたのしみを味わうため。花を訪れる昆虫たちを目撃するため。品種として結実する遺伝子をしっかり残しているので,100%実ができるというシロモノ。もちろん。果実のから取り出した種子を蒔くと,発芽します。この間の経緯はこれまで本ブログで繰り返し記事にアップしてきたとおりです。

よろしければ,わたしと一緒に栽培してみてください。まずは購入から。

 


地域ミュージアムで考える(80)

2018-02-20 | 随想

ミュージアムが抱える一般的な課題として,オリジナルグッズを開発したいけれども時間のゆとりがないという点があります。人が足りないのに,グッズ開発に回す時間があるわけがない,というわけです。それも一理あります。しかしわたしは,一概にそうとばかりはいえないと思っています。

レベルの高いオリジナル性を求めるのならいざ知らず,さほどでもないと割り切ればそれはそれで結構できるものだと思うのです。

問題は,開発の必要感を職場で共有できていてそれをたのしめる雰囲気があり,なおかつ好奇心旺盛な担当者がいるかどうかでしょう。義務感から開発するというのは無理でしょう。新たにつくる喜びというものは,知的探求を生きるエネルギーにしている人間ならではの味わいなのですから。

つくることにはいつも壁が立ちはだかります。人から見て無理と思えることでも,少々の壁ならそれを乗り越えることはかえって心地よいのではないでしょうか。乗り越えることで,自分の可能性がぐっち広がるのですから。さらに高い目標が見えてくるのですから。

オリジナルグッズの開発にもこのことが当てはまります。時間を忘れても,失敗を繰り返しても,なんとかしたいと思いながら求め続けることは,ある意味では心地よい緊張感が漂う話です。

そうはいっても,仕事は趣味ではないというわきまえがいります。仕事は共同作業であり,個人プレーは許されません。開発を専門にする部署にいればそればかりを考えていればよいでしょうが,ふつうはそうはいきません。したがって,❝無理なく,すこしずつたのしみながら❞,これが原則です。たのしむこころを感じながら,こころがたのしむのをたのしむっていう感じかな。

この点からすると,スタッフ間での仕事量の分担なりバランスなりを十分検討したうえで,取り組むべき事柄になってきます。わたしに関しては,あれもこれも適度に分担しなくてはミュージアムが円滑に運営できない立場にありますから,口でいう以上汗をかいて当たり前。

そんな立場から,つくる喜びをお伝えできたら最高にハッピー!

今回のバランスバードのオリジナル工作もこの例に入るでしょう。なんとか開発にこぎつけました。どれだけ歓迎されるかわかりませんが,わくわく,どきどきしながら反応を見守っていきます。

ツバメ型です。

 

 

ゾウ型です。

 

 

ガ型です。

 

 

おしまいはカエル型です。

 

色塗りは各自がします。いかがでしょうか。

今後様子を見ながら,イヌやネコなどパターンを増やすことにしています。また報告しますね。