公園にて。
シオヤアブが葉にとまっていました。オスです。じっとしているので,「ははーん,獲物を捕らえたんだな」と直感。近寄ってよく見ると,ハエのなかまが捕まっていました。腹端からは体液が滲み出ていました。
シオヤアブは,どうやらわたしが目障りになったようで,場所を変えました。幸い砂利の上に着地。
吻を突き刺して体液を吸い上げています。脚も頭も,からだの何もかもが最強のハンターらしさで溢れています。
いのちは互いに関係し合っています。これもその一場面です。
公園にて。
シオヤアブが葉にとまっていました。オスです。じっとしているので,「ははーん,獲物を捕らえたんだな」と直感。近寄ってよく見ると,ハエのなかまが捕まっていました。腹端からは体液が滲み出ていました。
シオヤアブは,どうやらわたしが目障りになったようで,場所を変えました。幸い砂利の上に着地。
吻を突き刺して体液を吸い上げています。脚も頭も,からだの何もかもが最強のハンターらしさで溢れています。
いのちは互いに関係し合っています。これもその一場面です。
朝です。仕事は休みで,庭の手入れをしかけたときのこと。ミヤマアカネが目の前で翅を休めています。近づいても逃げる気配なし。「虫の目レンズで記録!」。そう思って家からレンズを持ち出して来て,撮影開始。
隣家から出て来た自動車が通り過ぎました。
反対側に回りました。前翅の先辺りに太陽があります。
また元の位置に戻りました。ミヤマアカネは向きを変えています。やや下から見上げるようにして撮りました。
朝はまだ動きは鈍いようです。ささやかでもこういうチャンスを見逃したくないですね。
ゴマダラカミキリが草の葉にいました。
カミキリムシは接写には理想的なモデルです。外観のたくましさは文句なしに見事です。ただ,じっとしていないので撮影にはなかなか苦労がいります。
生の自然とはちがって,室内撮影ではとても細かな部分までとらえることができます。生きた迫力感は野外ほどもありませんが,雑多な情報を排して表情の細かさを観察するのに程よい迫り方ができます。
真正面からです。
カミキリムシのすごさがずばーっと伝わって来ます。
キマダラセセリの幼虫が一つ見つかれば、その近くをよく探すとまだ一つ、二つは見つかるものです。これは数少ない観察経験からもいえます。
ササはキマダラセセリの大すきな食草です。食痕か、綴られた葉か、そうした形跡を探せば見つかります。
葉が綴られていました。
覗くと、頭がちゃんと見えました。奥の方に潜んでいます。
葉を開くと……。
すぐ近くにも綴られた葉がありました。開くと、アリが襲っている最中でした。肉片を口にしているアリがいます。
しばらくすると、アリがわんさか集まって来ました。アリ“軍団”の迫力が伝わって来ます。
葉を綴るのはハチのような大きな外敵のみならず、アリのような小さな外敵の目からも逃れるためのようです。しかし、このようにいくら身を隠しても見つかるときは見つかるのです。いのちの受難!
7月18日(日)。午後激しい降雨あり。雨が上がったあと,公園で昆虫の観察をしました。目当てはカメムシの卵です。残念ながらそれを見つけることはできませんでしたが,思いのほかすてきな出会いに遭遇。
ササの葉に食痕があって,葉先が綴られているのを見かけました。何かがいるなと思い,開けてびっくり。そこにはヒカゲチョウのなかまにちがいない幼虫が一匹潜んでいました。よく見ると,黒っぽい頭の後ろ側に白い丸いものが! ふしぎなかたちをしているなあと思って,ルーペで見ると,なんと脱皮中だったのです。黒いものは脱ぎ捨てようとしている古い殻だとわかりました。
「これは撮影しなくちゃ」。さっそく室内に持ち込んで撮影開始です。
頭部上側の黒い筋は見覚えのあるもの。キマダラセセリのそれです。今ちょうど殻を脱ぎ終わったところです。
至近距離から頭部の殻を撮りました。
脱皮し終えたあとに残した古い皮があります。
殻が脱げたあとの頭は真っ白。
少し時間が経つと、うっすらと黒っぽみが出て来ました。
もっと時間が経つと、黒みはっきり現れました。
横から撮りました。
もっと時間が経つと、焦げ茶色になりました。
ここから観察を開始!
6月にも同じシオカラトンボで,よく似た光景を記事にしました。場所はまったく同じ。
出勤のために我が家の車庫に向かっているとき,ネットにシオカラトンボのメスが頭を突っ込み,出られなくなっているのを目撃。「かわいそうに」と思いつつ,とにかく「こんなことがあるんだ。記録に残しておかなくちゃ」とカメラを持ち出して来て,撮影開始。もちろん仕事先には遅くなる旨を連絡した上でのことです。
なぜこんな羽目になってしまったのでしょう。よくもまあ,こんな網の目に頭を突っ込んだものです。
なんとか脱出したくてもがいています。
と思っていたら,自力で脱出! 「ほっ!」。すぐには去らず,疲れをとるかのようにしばらく休んでいました。
こうしてワンチャンスを記録できました。朝からなかなか印象深い場面を撮影できてうれしい気持ちで出勤しました。
すこし前になります。この日が梅雨明けでした。朝からスカッとした青空と白い雲が競演して,心地よい雰囲気でした。
朝からツバメシジミが躍動していました。花から花に移っている様子から産卵行動であることはまちがいなさそう。
背の低いシロツメクサの花にとまれば,それより低い位置から写したくなります。膝を地面に付けて,そして見上げるようにして撮ります。
足元の自然を,普通は撮らないアングルで撮るおもしろさをいつも感じています。主役をどーんと強調して,うーんとたいせつにしたいという思いがあります。
生態をとらえたければ本気でその姿・くらしに迫ろうとしなくては,まことに申し訳ないですから。
7月22日(木)。猛暑です。昼間,自宅横の更地にあるシロツメクサ群落でモンキチョウが産卵しているのを目撃。見ると,卵が。
さらに,見つけたのが孵化直前の卵。仕事があっても日中の孵化は見逃せないので,スタジオに持ち込んで撮影準備をしました。
タイミングのよいことに,正午を少し回った頃,孵化が始まりました。
間もなく頭を出すというところ。
すっぽり頭を出しました。
着地!
すぐに向きを変えて殻を食べ始めました。印象に残る姿・風景です。
アオメアブの特徴はなんといってもその名のとおりの,"アオメ"。といっても,鮮やかな金属光沢を放つ複眼です。離れたところから見ても,青やら緑やらが目立ちます。
赤っぽい色もひと際目立ちます。
個眼の並び方に特徴があります。色が切り替わるところで,それの配列がたしかに変化しています。
この眼のはたらきで,近くに飛び込んでくる昆虫を目ざとく発見します。動くものには視力が如何なく発揮されるようです。
さすがにハンターの眼です。
わたしの周りで,ふしぎなことに,昆虫とのめずらしい出会いがよく起こります。それはまあ,“自然となかよしおじさん”とあつかましく自称していることに対する,自然からの贈りものなのかなと思っています。
「さて,ウォーキングに出かけるか」。気合いを入れて玄関を出たすぐのところでの出来事。そこは路上です。2mほど前方のアスファルト面にひょっこりとキタテハが現れ,静止。まったくの休息です。
急いでカメラを取り出して撮影開始。これは望遠レンズでの撮影です。
今度は,コンデジを持って近づきました。もちろん接写を試みるのです。
意外にも気づいていないよう。複眼は印象的です。
しばらくすると舞い上がって,1m先に降りました。今度は真上から撮影。
複眼の毛も写りました。画質が落ちるのは止むを得ないところです。
ほんとうは真正面からも撮りたかったのですが,前には塀があり無理でした。結局チャンスを半分生かしたということでしょうか。なかなかすてきな贈り物でした。