自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

'24夏 虫の目レンズは友 ~麦田~

2024-06-14 | 自然一般

撮影地に向かう途中,道端に麦田が広がっていました。家がまばらに見える山あいの田です。車から降りて田に行くと,小麦の芒がとにかくあちこちに伸び放題。向こうの方で刈り取りのコンバインが動いていました。

 

空にはきれいな雲が浮かんで,いかにも夏の風景です。

 

コンバインが音を立てて刈り取っていました。

 

ムギの収穫期はホタルと重なります。今頃のムギを見ると,少年期だった頃,麦田の間の道を通って蛍狩りに行った思い出がよみがえります。

 


雪の結晶 ~灰雪~

2023-02-06 | 自然一般

よく降る雪,当たり前に見かけるこの雪は灰雪。細雪と言い換えると,なんとなく情緒があります。

たまたま降って来たので,コンデジで結晶写真を撮ってみました。雪の結晶は積もっているところを選んで撮るのは禁物。周りや背景が白いのでくっきり浮かび上がりません。マツや竹ぼうきのような細長いものやクモの糸に付いたものなどがねらい目です。

結晶を単独で撮るのは困難。雪の結晶はふつう複数のものがくっ付き合って出来上がっており,結晶はその一部,すなわち一構成部分にすぎません。自然のもとで,単体結晶だけを完全なすがたで観察・撮影することは不可能です。

下写真には結晶の一部が写っています。枝分かれしているのがわかります。

 

比較的きれいな結晶が見つかりました。五角形を連想させる結晶もあります。

 

背景が黒っぽいのが理想です。かたちがよくわかります。六角形の結晶が見えます。

 

時間をかけて探すと,かなり条件の良い結晶が見つかるものです。でも寒いのでたいへん。

 

クモの糸に付着した結晶を見てみました。

 

これはきれいに撮れました。右の羽根をよく見てください。微かにクモの糸が縦方向に走って見えます。

 

完全に近い結晶はなかなか見つかりません。繰り返して観察しながら,見つけるコツをつかむほかありません。

 

雪の日は結晶の撮影にひとときを費やそうかなと思っています。

 


雪の結晶 ~粉雪~

2023-01-21 | 自然一般

1月21日(土)。最低基音-1.1℃。起きて外を見たら雪が薄っすら。出てみると,雪がまだすこしだけ降っています。ごく小さな丸い粒,いわゆる粉雪です。これが屋根や田にわずかながら積雪。今日が今冬初めての平地積雪となりました。

さっそく結晶を見たくて撮影。背景が黒い方がよいので,場所はプランターにしました。乾いてさらさらしていています。パウダースノーと呼ばれているとか。

 

とても小さな水滴が氷となってどっさり集まり一つの結晶を構成しています。

 

大きさはご覧のとおりです。小さな氷一粒は直径が0.03mmほどらしいです。

 

乾燥してパサパサした雪質なので,雪だるまをつくったり雪合戦をしたりするには適していません。

 

湿度が低く,気温が低いときに降る雪が粉雪。さらっとしているのでスキー場にはぴったり。ただ,積もりにくい雪だそうで,この地方でこれがたくさん積もったのを見た記憶はありません。

天気のおかげで朝から雪の勉強をした気持ちです。

 


"魚露目"で見た霜の朝

2023-01-11 | 自然一般

朝日を浴び始めた畑にて。

霜の朝。身が引き締まります。地面は霜で覆われています。その表情を魚露目写真に収めました。

ホトケノザは寒さに強い草です。びくともしません。

 

日陰にある,チューリップの球根皮。表面には霜柱がたっぷり。

 

青ネギの葉にある霜は独特の模様を描いています。

 

イチゴの葉は霜をまとっています。強い,強い。

 

土の表面にも霜がどっさり。

 

セイヨウタンポポの花だって。繁殖力の旺盛な種だけあって,あっぱれな姿です。

 

真冬ならではの風景です。雪があまり降らないこの地方ゆえに,こうして観察できる風景でもあります。

 


わが町,遠望

2022-11-21 | 自然一般

濃霧注意報が出たこの日,霧が薄っすらとしてきた頃,裏山に上りました。そこから見えるわが町を撮るためです。

転落防止のためにフェンスと階段が付いています。これは下に国道と市道が走っていて,危険なためです。久しぶりに登って息切れがしました。霧がわずかにかかっています。その上に突き出した山は三角点が設置されています。川は右奥に流れています。

 

人工物ができるだけ写り込まないように草の中に入りました。ススキと枯れ葉が見え,晩秋の陽射しが感じられます。遠望する自然の風景はこころを癒してくれます。

 

斜面手摺りの下にアザミが。総苞が鐘形なので,ノハラアザミと同定できます。分布は本州で中部地方以北らしいので,とてもめずらしいといえます。

 

体力は年齢と共に衰えて行きます。すこしでも歩いて,すこしでも登って,心地よくからだに負担をかけたいと強く思いました。

 


公園の春(2) ~続 コブシ~

2021-03-29 | 自然一般

ぽかぽか陽気です。一気に春が来て,花々が喜んでいるように見えます。わたしもうれしくなって,その花をちょっとだけ撮っています。

公園のコブシが大きく開きました。花弁がわぁーっと広がっている様からまことに雄大な印象を受けます。これはまちがいなくレンズの効果です。この花弁がまた真っ白で,中央に薄赤の筋が。日が西に傾きかけています。太陽の位置は左前方。つまり半逆光です。これにより花弁のわずかな起伏が見えます。ずっと奥にある白いドームの陰影がくっきり。

 

花弁には小さな昆虫(➡)が! その花弁の向こうに光源があります。それによって,青空のグラデーションがはっきり。

 

公園から帰宅の途につく人が次々に。残った人の歓声が響きます。日暮れ近くの静かさが漂う頃です。

 


公園の春(1) ~コブシ~

2021-02-20 | 自然一般

近頃の天気は春の雰囲気を漂わせています。気温も日差しも,そして草木の姿も。レンズを通してみていると,冬芽は今か今かと待ちわびている感さえします。

公園では人の動きも声も,表情も春先を思わせます。ただ,新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクを着けた人がほとんどで,世の中がすっかり変わりました。しかし,それにしても警戒心が薄れてしまい人出はここも驚くばかり。休日の午後ともなると,信じがたいほどの人,人,人,です。簡易テントが林立します。怖くって,そうした間に入って行く気にはなれません。

話は変わります。ミュージアムギャラリーで,四月,公園の春風景を紹介する写真展を行う予定です。出展者はスタッフです。わたしは,作品の中にコブシを定点撮影したものを入れることにしています。

下のような作品で,主役はあくまでコブシ。風景全体に早春を詰め込んだつもりです。さて,その匂いをお感じいただけるでしょうか。

 

コブシの蕾が膨らみ,花弁がわぁーっと開くまでを追っていくことにしています。本ブログでもご紹介していくつもりです。

 

 


春! 虫の目写真シリーズ(30) ~ツクシ・サクラ・飛行機雲~

2020-04-12 | 自然一般

ツクシとサクラのコラボ写真を撮っていると,空高く飛行機雲が伸びていきました。

近景と中景,それに遠景を一枚に収めようと,試みました。

でもこれは贅沢な願い。ある程度はなんとかなるにしても,なんだかわかりにくい部分が出て来るのはやむなし。サクラの花は小さな花の集団なので,「これはサクラだ!」とすぐに合点はゆかぬかも。色とか雰囲気とかで感じとるほかなし,かも。

空の飛行機雲は,なんとかそれらしく見えるのではないでしょうか。直線になった一筋の雲は飛行機によってつくられたことがわかりそうです。写真は逆光下でかなり無理をして撮りました。

 

このように曲がった筋の場合は解説がいるかもしれません。「魚眼レンズなのでこうならざるを得ないのです」。たとえば,そんなふうに。

 

伸びてきた草の上を這うようにしてカメラを構えます。春ならではの匂いが感じとれるひとときです。

 


雪の朝,葉の水玉氷

2018-12-29 | 自然一般

12月29日(土)。地面は薄っすらと雪化粧。予報どおり,そんな朝を迎えました。スイセンの葉の縁に付いた水玉が凍っていました。雪が融けて凍ったのです。 

 

それを写しました。空気が閉じ込められて,泡になっています。雪結晶がいったん融けて(融けかけて)凍るときに,空気が複雑に閉じ込められたのでしょう。

 

葉を指で持って撮りました。丸い気泡,長丸の気泡,大きめの気泡,ごく小さな気泡,それらが散らばっています。氷がレンズになって,指がわずかに入り込んでいます。

 

こんなふうにでこぼこした水玉もあります。複雑なかたちをした気泡があります。

 

じつにごつごつして,無数の気泡が入って。 

 

ふしぎな造形美です。 

 

自然界で固体になった水に,こんな表情が見られるのです。おもしろいものです。気持ちの引き締まる朝,ゆかいな出合いをしました。

 


晴れた日の虹

2018-08-24 | 自然一般

8月23日(木),夕方。台風20号が接近して暴風雨警報が出ている中,それらしき兆候はなし。警戒心過剰な傾向なのか,最近警報発令がどうも早めになっているように感じられます。早めは注意喚起でよいのですが,早め過ぎるのはどうなのでしょう。事があれば「警報を出していたのに」と責任を逃れることだけはできそう。ともかくこの時刻,風は大したことなく西日が容赦なく照り付けていました。

外から帰って来た職員が「東の空に虹が出ていますよ」と教えてくれました。「彩雲じゃないの?」というと,「青空に大きな虹が出ているので,彩雲じゃありません。めずらしい虹です」と答えるのです。

さっそく出て,見てみることに。見た瞬間叫びました。「ほんとうだ!」。たしかに虹です。

 

よく見ると,青空というもののごく薄い雲が空を覆っています。澄み切った青という感じはしません。ということは,その辺りには極小の水滴か氷の粒が浮かんでいると考えてもよさそうです。おまけに,この日はとても蒸し暑い日で,湿気をたっぷり感じました。台風が湿った空気を運んで来ているのでしょう。そこに強い西日が差していると考えれば……。状況は,虹が出てもなにもおかしくないことになります。

すてきな現象を見て,一日の疲れがとれそうでした。