自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

アゲハ,交尾

2017-09-30 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの卵の様子を見にレモンの木のところに行くと,交尾中のアゲハがとまっていました。わたしが不用意に近づいたので,びっくりしたのでしょう,舞い上がりました。「しまったー!」。

 

見ていると,別の枝に移動。遠くに去らなかったのは幸い。しかし,高い位置なので腕をぐっと伸ばして撮影しなくてはなりません。

 

全体を入れてパチリ。

 

撮っているうちにまた移動。どうも邪魔されていると感じたようです。それでもっと慎重に接写しました。

 

何回か移動しましたが,ペアは別れませんでした。

 

翅を大きく広げたので,大急ぎで撮りました。上がメス,下がオスです。斑紋の鮮やかさ(濃さ)がくっきり。

 

また移動。より優雅なスタイルを撮りたくて,ここでもパチリ。

 

ぐっと近づいてパチリ。 

 

このペアはわたしが迷惑をかけたに違いないのに,期待を裏切ることなく,様々な姿を披露してくれました。感謝。 

 


モンシロチョウ,スゴイ孵化!

2017-09-29 | 昆虫

モンシロチョウほど孵化が観察しやすい昆虫はいないでしょう。畑の野菜にいくらでも産卵するので,観察しようと思えばいつだってできる昆虫です。なのに,孵化の瞬間を見ることはなかなかたいへんです。というのは,今か今かと待っていてもなかなかその瞬間が来ないし,待っているうちにさっさと孵化を終えていることがほとんどなのです。

そんな観察を続けているうちに,孵化が始まるときから観察ができることだってあります。以下の例はその一つです。

卵の高さは1mm。殻をとおして複眼も口も見えています。 

 

観察中に卵が葉からぽろりと落下。わたしの不注意です。「しまったー!」。このときの気持ちです。「どうしてもこの卵の変化を見届けなくちゃ!」と思い,なんとか葉の上に置きました。 

その後何度となく注意しながら見ているうちに,たまたま孵化が始まりました。

 

頭が出始めました。透明感のあるきれいな頭!

 

身を乗り出して殻から出ようとします。

 

さっさと出終わりました。なにもかも透明感があって,初々しさが漂っています。

 

始まりから終わりまでを観察できると,ほんとうにハッピーな気持ちに浸れます。この事例はそんな事例の一つです。 

 


超接写がたのしい秋(3) ~モンシロチョウ,孵化前後~

2017-09-28 | 生物

卵は,産付状況によってはこのように倒れ気味になる場合がよくあります。孵化が近づくと,殻をとおしてからだが見えかけます。側単眼・口が見えています。 

 

上部を見ると,詰まっていたはずの液が減って見えます。

 

体内の濃い黄色の部分が緩やかに動くのが観察できます。

 

葉面に降り立った瞬間です。透明感のあるからだが光ります。ありふれたモンシロチョウの孵化であれ,観察する者のこころを動かす一瞬。

 

誕生後,殻を食べたものの途中から葉を口にし始めました。気まぐれです。

 

 

“生まれる” という事実の重みが伝わってきます。ありきたりのことばですが,種を超えていのちはほんとうに尊いものです。 

 


アカタテハの卵,その孵化(7)

2017-09-27 | アカタテハ

幼虫の誕生が続きます。タイミングがよければ,忙しいほどに次々に撮影できます。 

 

頭部を出した直後の幼虫の,なんとも愛らしく見える姿!  

 

横向きに出て行きました。 これはカメラ位置からすれば,殻にもからだにもピントが合って理想的です。

 

次々に生まれるといっても,生まれる寸前になにかが原因で成長停止に陥る例もあります。下の例は,突然,妙な粒状のものが現れた例です。なにものかが寄生しているのでしょうか。誕生までの経過写真を撮っていただけに残念な結果になりました。もちろん,最終結果を見届けようと思います。

  

 


“かわりだね”合体タンポポ

2017-09-26 | 植物

道端で合体タンポポを見かけました。このタンポポは花が単に二つあるだけではなく,二つの花茎がくっ付いたものです。

タンポポの花にはこうした事例を含めて,時に珍しい形態をもったものが出現します。品種はセイヨウタンポポです。 

 

傍に寄ってみます。確かに花茎がくっ付いたかたちをしています。さらによく見ると,花のすこし下に小さな葉のようなものが見えます。葉の名残りです。大きめの葉が花茎から出ているかわりだねも,稀に見かけることがあります。ほんとうに稀ですから,運がよければという感じです。 

 

自然は多様ないのちの集合体なので,どんなものがどう出現するやら予測不能です。出現したときに,人間がこれまでに蓄えてきた知識で解釈を試みるほかありません。それも確かさはけっして100%ではなく,一仮説としての解釈にすぎません。知ったかぶり風に断定なんて到底できません。

このタンポポの出現もまた「生長点が……」とか,「先祖返りが……」とかといったふうになんとなく解釈はできるでしょうが,確定には至りません。それにしてもふしぎな事例です。 

 


超接写がたのしい秋(2)~アオマツムシ~

2017-09-25 | 生物

家の周りは田や山があって,我が家にも昆虫たちがたくさん訪れます。それを観察・撮影するだけでも飽きることはありません。先日など,アオマツムシが網戸にとまっているので,家の中から見ていたら,おやおや5匹にも増えていました。急いで外に出て撮ったのが下写真です。

 

おまけに別の個体がいつの間にか家の中に入って,床でじっとしていました。メスです。動きが鈍いので,写真に収めておこうと思い,座布団の上に置きました。

後脚をすーっと伸ばして,スマートな姿を見せています。

 

 

頭部から後方に向かって,黄色のラインが際立ちます。 

 

正面方向から撮りました。アオマツムシ独特の逆三角形態が際立ちます。 

 

真正面から近づいて撮りました。バッタ類に共通した口元です。顎の発達ぶりが窺えます。 

 

複眼を確認。

 

反対側からも。当たり前のことながら,眼や触覚といった感覚器官の発達がいのちを生き抜く苦労を物語っているように見えます。 

 

複眼をさらに拡大して撮りました。昆虫一般,昆虫ならではの構造が迫って来ます。“ふしぎ”の小宇宙です。

 

これらの写真を撮る間,アオマツムシはほとんど動きませんでした。いつか,翅を立てて鳴くオスを撮れたらなあ。  

 


ヒメウラナミジャノメの幼虫発見!

2017-09-24 | 昆虫

ヒメウラナミジャノメの孵化を見届けてから,「竹で育っている大きな幼虫はいないだろうか」と,ふと思いました。思ったら急げ,です。探してみました。卵を見つけた辺りで,葉を適当に裏返して確認していったのです。すると,また新しい卵を二つ見つけました。真っ白! ジャノメがその後も訪れていたのです。

それに続いて,今度はなんとすぐ近くで大きな幼虫が!  体長20mm。 

竹の葉に付いているので,たぶんこれは竹を食草とするジャノメチョウだろうと推測して調べてみました。どうやら,ヒメウラナミジャノメの幼虫らしいのです。というより,まずまちがいないでしょう。

 

印象的な姿をしているので画像を残しておくことに。たぶん終齢幼虫でしょう。

 

頭部を見ると,なんだかクマを連想してしまいます。頭部の突起二つと,配色がユニークです。

 

正面から見ました。まことにりっぱな顎です。竹の葉を食べるのは相当にたいへんなのかも。

 

羽化まで見届けたいので,幼虫の付いた葉を含み葉を数枚ネットで包んで観察することにしました。成虫の活動期間は10月まで,越冬態は終齢幼虫ということなので,どうなることやら。できれば垂蛹になる様子を撮影したいですね。

 


ジャノメチョウの産卵(またまた)

2017-09-23 | 昆虫

三つ目の卵が孵化しました。

見たときは,もうからだの半分が出ていました。

 

力を入れて,出ようとします。

 

すこしずつからだが出て行きます。 

 

これで出終わりです。卵の隙間からなんとか出ようとしていたことがよくわかります。 

 

さっそく卵殻に向かいます。

 

顎を使います。バリバリと音が聞こえて来そうな。

 

食べ続けます。なんともおいしそうな。 

 

この幼虫は,たぶんヒメウラナミジャノメでしょう。 

 


ジャノメチョウの産卵(また)

2017-09-22 | 昆虫

二つ目の卵で孵化が始まりました。割れ目ができるときは目撃できませんでした。頭部で押し上げたのでしょうか,口で切り込みをいれたのでしょうか。

ゆっくりと頭部が出始めて……。

 

頭がぐうっと出かけて……。上部の卵殻をよくよく見ると,薄くなったことろ,厚いままのところがあるように見えます。

 

完全に出て,口が突き出て……。

 

続いて,純白のからだが出始めて……。

 

からだ全体を使って,出ようとして……。

 

ほぼ出終えました。ここまでで10分の誕生ドラマ。

 

卵殻に取り付いて,懸命に食べます。顎がこんなにはっきり見えます。側単眼だって。

 

生まれたばかりの幼虫は卵を食べ尽くしました。

卵の直径は1mmもありません。肉眼ではよく見えない世界の出来事です。一部始終観察できたのは,なんともハッピー!

 


ジャノメチョウの産卵(続々々)

2017-09-21 | 昆虫

9月18日(月)。いつ孵化してもおかしくない状況です。

 

 

午後3時30分。産付後,ちょうど5日が経過しました。様子を確かめてびっくり! 卵から出てしまう瞬間だったのですから。大慌てで撮ったのが下写真です。動きがとてもゆっくりしているので,なんとか間に合いました。卵を見ると,切れ目ができて,上の部分が押し開けられています。もしかすると,口で開けたのでなく,割れ目ができて押し開けたのかもしれません。

こんな出方があるのかと驚きました。そういえば,とても単純ですし,頭のかたちもこの出方に都合よくできているように見えます。つるつるしているようで,脱出しやすいのかもしれません。 

 

 

からだは純白で,毛が生えています。卵の内部にいたときに見えた姿とつながって見えます。幼虫は,出終わるとすぐにUターン。殻を食べ始めました。それこそ貪り食うということばがぴったり。

 

 

向こう側から撮りました。

 

 

休むことなく食べ続けました。すごい,すごい。 

 

 

とうとう大部分を食べてしまいました。

卵はあと二つ。出始めるときから観察できたらハッピーなのですが……。じつは,それができたのです。それは次回に。