自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

超接写がたのしい秋(11) ~ヤマトシジミの孵化①~

2017-11-30 | 昆虫

11月,ヤマトシジミの孵化が続きます。卵が狭い範囲にかためて産み付けられたのが,観察に幸いしました。まことにラッキー!

この卵は葉の表側に付いたものです。幼虫は蓋部の周囲をくり抜き終えました。頭部の様子がよくわかります。からだは横に寝た格好です。体節のしくみにかなっています。 

 

「さあー! 出るとするか」なんて意志決定しているかも,です。

 

からだを乗り出して,そうして下向きに出て行きます。このアングルだとわかりづらいのですが,かなりからだを曲げています。

 

出終えた幼虫は卵のすぐ脇にしばらくいました。

 

大急ぎで横から撮りました。毛並みがおもしろいほど感じとれます。

 

前方からも撮っておきました。 

 

間もなく,幼虫はその場を去りました。こんなふうにからだをもたげたのは,大地に飛び出て心地よいからなのでしょうか。 

 

 

超接写であることが,ものさしの目盛りでおわかりいただけるでしょう。

 

 

撮影後トリミングして拡大写真を得るのとはちがって,拡大しての撮影なので苦労が多いといえばそのとおりです。 

 


紅葉ファミリーハイキング ~琵琶湖疎水を歩く(3)~

2017-11-29 | 旅行

最終目的地の南禅寺に到着。歩行距離11km。歩数にして2万歩。

三門に上がって紅葉景色を遠望。市街地が広がります。高層ビルがないのがいいなあ。

 

青空だったら,きっと気分は最高だったでしょうが。それは贅沢というものかなあ。

 

自然と歴史がぐっと迫ってきます。深みのある風景です。 

 

三門を背景にして古木がどっかと構えています。幹が見事! 若木とのハーモニーもよし。

 

地表のコケも環境の重要な立役者。気が遠くなるほど時間をかけて生えそろったコケ。コケがあるからこれだけのモミジが長寿であり続けるのです。 

 

落ち葉が重なって地面に潤いを与えます。供給者はもちろん古木。

 

京都疏水の分線延長に水路閣があります。南禅寺境内を横切るレンガ構造物は明治の歴史遺産。今も現役。 

 

境内のあちこちで紅葉が秋の終わりを告げています。

 

ハイキングの締めくくりに寺院らしい風景に出会いました。

 

すてきなハイキングでした。コースを下見して,立案された実行委員の皆さんに感謝,感謝。ありがとうございました。

                                  (完) 

 

 


紅葉ファミリーハイキング ~琵琶湖疎水を歩く(2)~

2017-11-28 | 旅行

昼食時,足元に積もった落ち葉の上に小さな昆虫を発見。コオロギに似た,ごく小さな虫です。帰って調べると,カワラスズのようです。後脚が斑模様と出ていました。体長5mmほど。観察していると,ときどきぴょんと遠くまで飛ぶのです。枯れ葉に似た体色は棲む場所を選んでいる証拠。石の隙間に棲息しているとか。このときは餌でも探していたのでしょう。

 

そこに現れたのがヒメフンバエ。 先のコオロギ似の昆虫を捕えようとしましたが,逃げられてしまいました。動物の糞を餌として生きているので,行動を見ていると面白いことに気づきました。あちこち行き来しながら,ある葉の下に潜り込みました。そっと,その葉を取り除くと小動物の糞が! まいった,まいった。

 

食事を終えて,出発。我が国最初のコンクリート橋の脇を通りました。

 

対岸に立つ記念碑には,「鉄筋コンクリート」を漢字で表示した記念碑が。

 

琵琶湖疏水の舟運最終地点,蹴上発電所前に到着。

 

それを脇に見ながら近くの日向大神宮に。多様に色づいたモミジが目をたのしませてくれます。

 

色の変化が自然の妙を醸し出しています。

 

発電所前に戻って全景を撮りました。台車は,積荷のある舟を乗せて段差のある下方に運ぶためのもの。もちろん,下からも舟が上げられます。

 

レールは台車が行き来した昔を物語っています。蹴上インクラインと呼ばれています。遠景には京都市街地が広がります。降りていけば,最終地点の南禅寺付近。

 

   (つづく)

 


紅葉ファミリーハイキング ~琵琶湖疎水を歩く(1)~

2017-11-27 | 旅行

昨日はハイク実行委員会主催の「紅葉のファミリーハイキング」に参加。「山科から紅葉と歴史ある水の道・琵琶湖疏水を訪ねる」と銘打った,魅力的なコース。薄日がさすものの薄雲が空を覆う一日でした。雨が降らないのはありがたい限り。昨年,このイベントは雨模様で散々な目に遭ったことが忘れられません。中身をしっかり記憶しています。

今回も中身の濃い旅になりました。数回にわけて記事にまとめます。といっても写真紀行の体裁です。

出発は京阪電鉄山科駅前。毘沙門堂に立ち寄りました。紅葉終わり近しといったところ。境内では縁日の幟がたくさん上がり賑わっていました。

 

そこを出ると,疏水沿いにどんどん歩いて行きます。右手が水路。かつてはここを小舟が行き来して,米や酒樽などが運ばれていたとか。

 

整備された遊歩道を歩いて行きます。ジョギングする人が何人も。

 

真っ赤なモミジ葉を撮りながら歩きます。とくべつにきれいな葉があるところでは立ち止まります。歓声が上がり,秋を彩ります。

 

落葉を踏みしめて歩きます。そのたびに,サーッ,サーッと音が響きます。

 

山に掘られた隧道の中を疏水が流れていきます。橋のある風景が当時の面影を伝えています。

 

コンクリートには「明治」の文字が刻まれていました。こんな橋を渡ると,気持ちが引き締まります。

   

                      (つづく)

 

 


超接写がたのしい秋(10) ~ヤマトシジミの卵~

2017-11-26 | 昆虫

超接写ともなると,被写界深度が極端に浅くなるために,ピントの合う範囲はごく狭くなります。トリミングなしで元画像のまま使うとなると,その問題がどうしても立ちはだかります。深度合成でもしなくては到底解決できないので,今はここまで止まり。それでも結構たのしいので満足しています。なお,このページの写真はコンデジで写したものです。

ヤマトシジミの卵は直径0.6mm。その中にこの幾何学模様。その向こうに間もなく生まれる幼虫の頭部影が。 

 

 

ほんのわずかに角度を変えて撮りました。影がはっきりしてきました。

 

同じ構図を光量を変えて。

 

180度回転して撮りました。

 

目線を下げて撮りました。ピントが合っている部分の奥行きは0.2mm程度。 

 

 

この構図で幼虫が誕生してきたらスゴイだろうなと思うだけでわくわくしてきます。そんな機会がいつか来ることを待ち望んでいます。

別の卵を一枚。頭部が見えています。

 

 


ツワブキを愛する昆虫たち(続)

2017-11-25 | 昆虫と花

秋の黄色はわたしたちヒトの目にも印象に残りますが,昆虫たちにも同様のようです。次から次へと訪れる虫たちを観察していると,そのことがよく理解できます。

ツマグロキンバエなど,最たるもの。じつに感度がよさそう。からだに付いた花粉は,ツワブキの歓迎ぶりが窺えます。

 

オビホソヒラタアブがやって来ました。こんなに小さいからだなら,一つの花でさえいくら摂食しても食べ切れません。小さなからだに付着した,たくさんの花粉が印象的です。

 

ホソヒラタアブは常連。その右にごく小さなハエがとまっています。目に付かない小ささ! 

 

眼の大きなキゴシハナアブの登場です。花の色がしっかり目に入って来そう。毛にはたくさんの花粉が!

 

アシブトハナアブ です。ハナアブのなかまは花があればどこにでも出没します。とくにキク科が大好きなよう。

 

ハエのなかまです。送粉にはずいぶん貢献しているようで。でも本人がそれを知ろうはずもありません。

 

 キンケハラナガツチバチです。わたしに気づいて舞い上がりましたが,わたしの頭上を旋回して再び戻って来ました。黄色がシグナルなのでしょう。

 

超接写をすると,こんなに花粉が付いていました。

 

虫が来るところには,いつもクモの存在があります。ササグモがじっと獲物を待ち受けています。

 

ハナグモは花の中央にでんと構えています。小さ過ぎて,訪花昆虫たちには識別できないでしょう。この脚で絡み捕らえられると,なかなか逃げられそうにありません。 

 

花の色に技あり,作戦あり,といったところです。

 


ヒメアカタテハの産卵(4)

2017-11-25 | 昆虫

11月22日(水)。十一日目。早朝。

卵A。確実に変化が進んでいます。からだが薄っすら見えかけています。

 

卵B。ぼんやりした影が見えます。

 

卵C。これもぼんやりとした影が。変化はじつに遅々とした感じ。 

 

卵の高さは0.7mm。この世界をカメラレンズで覗くのですから,驚異の世界といえばそうかもしれません。

11月23日(木)。十二日目。早朝。

卵A。昨日とほとんど変わっていないようです。

 

卵B。これも変化はありません。

 

卵C。はっきりした変化なし。

 

 


初冬,ヤマトシジミの孵化

2017-11-24 | ヤマトシジミ

霜月,ヤマトシジミがカタバミの葉に産卵するのを目撃。確認すると,10個以上。それも葉の表側にも数個! 「今年最後の産卵だ。子孫を残すのに必死なんだなあ」。そう思いつつ,孵化をたのしみに待ち続けました。

そのいくつかは見逃しました。四六時中ずっと見ているわけにはいかないので,止むを得ません。そんな中,うれしいことに2例について画像記録できました。それを報告します。

1例目。卵に穴を開け始めたときから出終えるまでをじっくり観察できました。

 

いつもどおり蓋をくり抜いたあと,すぐに出ました。

 

2例目。これをくわしく記事にします。蓋部をくり抜いた後,再び一部を広げようとしています。たぶん,蓋が完全に取れなかったのでまだ出られないと判断したのでしょう。こういう事象はとても珍しいことです。

 

斜め横から写しました。

 

からだを寝かせた状態で出口を広げています。

 

出られると判断したのでしょう,さっさと出始めました。

 

下向きに出るので,頭部の表情までは確認できません。

 

出終えると,Uターン。

 

殻の上を回って,左側に離れて行きました。

 

元気なものです。

 

このまま幼虫で越冬するのです。厳しい寒さに耐えなくてはなりません。

今の時期にこうして孵化が観察できたのは,自然からの贈り物のような気がします。うれしい限りです。 

 


超接写がたのしい秋(9) ~アゲハの前蛹~

2017-11-23 | 昆虫

畑でマメの収穫をしているとき,茎にアゲハの前蛹が付いているのを発見。レモンの木にいたのがここまで移動して来て,蛹化場所と決めたのでしょう。木があるところとは10mほど離れています。 

 


持ち帰って観察することに。

 

 

反対側からも。

 

側単眼,口付近です。硬い葉を食べるには丈夫な構造が必要です。初齢幼虫とはちがった頑丈そうな口元です。 

 

 

帯糸でからだを固定しています。糸はさらに細い糸で構成されています。自分で紡ぎ出した細糸を器用に束ねて命綱にしているのです。 

 

 

腹脚の底です。からだを支える吸盤型の柔軟構造が見えます。 

 

 

尾端付近の糸です。これだけの糸を紡いでからだを固定する作業は,きっと大仕事だったでしょう。

  

 

かたちの裏には奥の深い営みがあります。 

 


モンキアゲハ,産卵から(8)

2017-11-22 | モンキアゲハ

11月5日(日)。産卵後17日目。朝。見ると,殻を開けている様子がわずかにあり。まだ余力があるようです。「ほっ!」。

 

なんと辛抱強い! このぐらい近くで観察すると,卵殻を食いちぎるときに殻周辺が動くのがわかります。いかにも弾性体という感じ。

 

夕方,ほんのすこし動きが見られました。穴もほんのすこしだけ大きく。

 

深夜見ると,動きはごくわずか。気温が低下してきたので,活動がいたって鈍くなったのでしょう。活動が止まってしまわないか心配しています。 

変化があれば記事にすることにして,本シリーズはとりあえず今回で締めくくりとします。