ツバナ
草紅葉の土手に、戦国の旗指物のようなツバナの白い花穂が風になびいて、軍団が進んでくるようだ。
初夏のころ ツバナの若草が萌える土手に座って、中心の葉の鞘に納まっている、白くやわらかい幼穂を我先に抜き取った。
その幼穂は、悲しくも「ワタあめ」と呼ばれていた、理由は噛むと ごくかすかな甘みが感じられたからである。
あのころの子供たちは甘さに飢えていた、糖度計よりもっと敏感に甘みを感知したのだろう。
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