日食の日の紅紫檀
天気予報が外れて初夏の太陽が元気よく昇った。
早速日食の観察と撮影を試みた。
観察資材の用意を怠っていたので、手近にある減光材料を試したがどれも実用にならなかった。
仕方ないのでピンホールで我慢すべく厚紙に錐を刺してホールをつくった。
そこで頭に浮かんだのが園芸用の黒色マルチシートである。
物置から取り出して試してみる、一重では一寸明るいので二重にした、暗黒の中に紅い太陽の真円がくっきりと見える、万歳である。
早速それを眼鏡に張りつけた。
カメラは6%と12%の減光フィルターを重ねてレンズの前にセットした。
しかし カメラファインダーには、入り込んだ迷光が複雑に反射したゴースト像が現れて、写真撮影はなんとも無残な結果に終わった。
マルチ式観察鏡の効果は抜群であった、金環食の前後数分間 太陽光が届けてくれる熱量が一気に低下して肌寒くなった。
それは冬至のように、か弱い太陽であった。
それでも月蔭からはみ出して太陽光は強烈で、熱量は低下したものの輝きは太陽そのものである。
アーク溶接の比ではない、直視したら失明するだろう。
もっと 黄昏近い暗さを想像していたのだけれど、それも見事に外れた。
日食現象は、太陽を、月という小さな丸い雲が、ひと時、覆い隠す出来事なのだろう
確かに金の指輪が観察できた、次回の金環食は百数十年後だと云う。
今朝の日食をみた人で、次回の金環食をみられる人は多分いないだろう。
そのことを深刻に考える人はいないだろうし、私も考えない。
昼食時 天体ショウの話題で盛り上がった、吃驚したのは黒色マルチが私の専売特許では無かったことである。
メガネのサイズに合わせてちょっとだけもらって。た。
こちらは金環にはなりませんでした。
細~い三日月型になりました。
日差しが少なくなって背筋がゾクゾクっとしました。