常念厚い雪雲に閉ざされて
ガガイモ巣立ち
一休み
ガガイモといわず「コアミ」と呼んでいた。
綿毛を和裁で使う針挿しの中に詰めると、針がさびないといわれ貴重だったようだ。
種を飛ばすための綿毛を種髪(シュハツ)という、種子に比べて種髪が大きいので生き物のように空を舞う。
疲れると壁などに吸い寄せられるようにして止まる、捕まえようと手を伸ばすと手の温もりを感知してツイと逃げる。
白粉を吸って生きるケセランパサランという妖精がいる。
空中を自由に飛ぶその外観は、ガガイモの種髪に酷似しているらしい。
ケセランは超能力を持ち、飼い主に抱えきれない幸運を運んでくる。
しかし飼い主に、その姿を二度見られると、即座に超能力は霧消してしまう。
これを熟知する飼い主は、ケセランのことは人に話さないし、もちろん見せることもしない。
だからケセランの謎はいつまでも迷宮入り