屯田物語

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詩集「琴しぐれ」夕愁白嶺 <夜汽車>

2021年09月16日 | 琴しぐれ
<夜汽車>

夜半の車上の窓に来る
はるか赤き野火のさま
淋し旅情のうるおいに
あかず眺めし彼方をば

夜笛の声の窓を打ち
哀愁の嘆息ぞもれ出づる
何れも寝入りしその中に
ただ一人起き居ては

名も知らぬ山合の
小さき駅の呼び声に
ふと目ざめしも
旅愁の味はうら悲し


作者の夕愁白嶺は旭川東高を卒業、H大学の演劇科に進学した。
僧「俊寛」の船頭役で初舞台