屯田物語

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父への恋文 新田次郎の娘

2006年03月10日 | 
  街路を人々が叫びながら走っていた。
  人の流れが一方向に集中して滞留すると、人の群れは街路から溢れだし、
  並び建っている師団司令部と旅団司令部の庁舎の前にまで人垣を作った。
  「火事だっ」
  ・・・・・


三省堂の喫茶店のなか・・
藤原咲子著「父への恋文 新田次郎の娘に生まれて」を読み始めた。
冒頭の「八甲田山死の彷徨」はなぜ火事の場面から書き始めたのか。
ヒット作品の誕生秘話を愛娘の咲子さんが語ってくれる。
新田次郎は咲子さんの作文の師であり、彼女の机の前に
「読むことは築くこと。書くことは創ること」という紙を貼ったという。

昼下がりの静かな珈琲の香り、
娘から父への愛情に満ちた優しい語りかけはとても心地よい。
書店と直結しているから店内に新刊を持ち込んで読むのは差し支えない。
コーヒ二杯で読み終えてしまった。
でも、考えてみればその代金で本を買ったほうがよかったかも。(笑)

北国の春の訪れはコブシの花から、
枝先から綿毛につつまれた若芽がはじけるのはもう少し先である。
芽の雫から青い春が透けてみえる・・



(屯田防風林の近く)