二葉亭四迷「浮雲」といえば、高校で、名前だけはみんな知ってるけど、読んだ人って少ないですよね。今回、はじめて読んでみました。あーー、読みにくい。イライラしてきました(笑)。
だって、出だしがこうですからね。「千早ぶる神無月も最早跡二日の余波となった廿八日の午後3時頃に、神田見附の内より、塗渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸きいでて来るのは、いづれも・・・」
漢語が多い(ルビがふってるけど)。
しかし、しかたありませんね。なんせ、100年前の小説。明治20年に出版されたのですが、江戸幕府が滅んだのは、たったの20年前、まだまだ江戸人が大勢生き残ってる時代です。一葉さんは、15歳、漱石もまだ高校生でしょうか。勝海舟も生きていれば、草莽の志士の生き残りもいる。そんな時代の人々の暮らしや考え方をのぞくことができる、という意味ではとても興味深い。
読みにくいけど、会話が多いので、一葉さんなんかと比べたら、読みやすくわかりやすい。
これを書いたとき、二葉亭は23歳です。
ロシア文学に圧倒され、全身ロシア文学に毒された(?)四迷が、江戸と明治が混在したような時代にロシア文学みたいな小説を書く。不可能なことにあえて挑戦した果敢な試み。
主人公は元幕臣の子で(家族は静岡に移住)、学問はあるけど、口下手で、不器用な青年文三。
好きな女性に告白できなくて、なんども口ごもってしまう。下宿の叔母さんに処世のまずさをくどくどと責められ、いじめられても、口答えができない。ケンカしようとは思うが、いや、大人気ない、ここは、少しこちらががまんして丸くおさめたほうがいい、とか考えてしまう。
要領がよく、弁が立ち、出世のことしか考えてないようなイヤな奴に恋人までとられそうになる。
内省的な青年を登場させ、その心理を表現します。
文三のしゃべりかたがおもしろい。役所を免職になったことがなかなか言い出せなくて、「えー、まだお話し・・・申しませんでしたが、・・・・実は。ス、さくじつ・・・・め、・・・・ム、めん職になりました」「ど、ど、どうしてだか・・・私にもわかりませんが・・・・大方・・・ひ、人減らしで・・・」
江戸幕府が倒れてわずか20年後の人々の姿がうかがえて、おもしろいです。
だって、出だしがこうですからね。「千早ぶる神無月も最早跡二日の余波となった廿八日の午後3時頃に、神田見附の内より、塗渡る蟻、散る蜘蛛の子とうようよぞよぞよ沸きいでて来るのは、いづれも・・・」
漢語が多い(ルビがふってるけど)。
しかし、しかたありませんね。なんせ、100年前の小説。明治20年に出版されたのですが、江戸幕府が滅んだのは、たったの20年前、まだまだ江戸人が大勢生き残ってる時代です。一葉さんは、15歳、漱石もまだ高校生でしょうか。勝海舟も生きていれば、草莽の志士の生き残りもいる。そんな時代の人々の暮らしや考え方をのぞくことができる、という意味ではとても興味深い。
読みにくいけど、会話が多いので、一葉さんなんかと比べたら、読みやすくわかりやすい。
これを書いたとき、二葉亭は23歳です。
ロシア文学に圧倒され、全身ロシア文学に毒された(?)四迷が、江戸と明治が混在したような時代にロシア文学みたいな小説を書く。不可能なことにあえて挑戦した果敢な試み。
主人公は元幕臣の子で(家族は静岡に移住)、学問はあるけど、口下手で、不器用な青年文三。
好きな女性に告白できなくて、なんども口ごもってしまう。下宿の叔母さんに処世のまずさをくどくどと責められ、いじめられても、口答えができない。ケンカしようとは思うが、いや、大人気ない、ここは、少しこちらががまんして丸くおさめたほうがいい、とか考えてしまう。
要領がよく、弁が立ち、出世のことしか考えてないようなイヤな奴に恋人までとられそうになる。
内省的な青年を登場させ、その心理を表現します。
文三のしゃべりかたがおもしろい。役所を免職になったことがなかなか言い出せなくて、「えー、まだお話し・・・申しませんでしたが、・・・・実は。ス、さくじつ・・・・め、・・・・ム、めん職になりました」「ど、ど、どうしてだか・・・私にもわかりませんが・・・・大方・・・ひ、人減らしで・・・」
江戸幕府が倒れてわずか20年後の人々の姿がうかがえて、おもしろいです。