虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

朝日の教基法改正報道

2006-11-26 | 新聞・テレビから
安部政権が発足してから、朝日新聞が、教育基本法改正について読者にいかに問い、報道しようとしているのか、チェックしてきた。9月25日から調べてきたけど、衆議院で11月16日に可決するまでの52日間で、教育基本法改正についての是非を論じるという形では、3件(一つは、ウイークリー教育で、教育改革がテーマ。賛成反対両方の識者の意見、一つは立花隆の意見、そして「疑問が残る」という社説)。国会報道は11回、国会の審議はケシゴムほどのスペースの記事だが、半分は11月になってからで国会可決1週間前になってからだ。

朝日の紙面にかぎっていえば、教育基本法改正という言葉よりも、「教育改革」「教育再生」という言葉のが多い。何度も書いてるけど、安部さんは教育基本法改正を今年の最重要課題と正直にいっているのだ。その重要さをぼかし、構造改革と同じく、またすりかえ戦略を使っているのはマスコミ。来月には参議院でも可決だろうが、国会審議報道も「いじめ」など他の議論で基本法はかすむにちがいない。実際のところ、教育基本法はもうどうでもいいのだろう。安部政権に協力しているとしか思えない。

今日のトップは「いじめ国が緊急調査」だ。相談員を拡充して補正予算に計上とある。再生会議も、いじめた子は出席停止、などと提言するそうな。早急な対策をとっているポーズで、いかにもまじめに対処している風。
しかし、「いじめ」や「教育」という大問題を深い原因の追究も議論もなくバタバタと応急措置的に政策を決めてしまっていいものだろうか。すりかえで、また、他のものまで変わってしまうのではないか。こわい。

昨年の7月には、自殺者が3万人を超えたということで、政府は、すぐに自殺救援拠点センターを設置し、そのための予算も増やすと発表したっけ。あれは、今、どうなってるのだろう?

タウンミーティングのやらせを進めた小役人もおそらく周囲では仕事のできる人だったのだろう。小賢しいことをバタバタ決めてかえって事をあやまてしまう。これは老子がよく注意することだ。今の世で大きな顔をしているのは、根本のことを考えないこんな仕事師ばかりではないのか?

「いじめ」は子供の世界だけではない、日本社会全体が「いじめ社会」になっているではないか。子供に何をしても、大人が社会のいじめ構造に立ち向かわないと信じてくれないと思うのだが。

画像は近所から見た山。

武蔵の兵法

2006-11-25 | 読書
いやな人たちの対応や議論はできたら避けたいけど、どうしても逃げられないときがある。こうした対応は真剣勝負(おおげさだが)と共通点もあるので、まず武蔵の五輪書をのぞいてみた。例によって適当な走り読みだけど、戦いの場での具体的な方法については、「火の巻」でくわしく述べている。

武蔵の兵法は、先手必勝(相手に先に手を出させない)、そして、相手の意表をつき、相手の拍子を狂わして勝つ、だ。この二つが、「火の巻」の大部分を占めている。相手の意表をつく、ことについては、例えば、次のような章をあげている。

●けいきを知るということ。相手の人柄を観察し、その人の強いところや弱点を見つけ、敵の思惑とはまるきり違うことをしかける。
●くずれを知るということ。敵がくずれる拍子をとらえてその間をとりにがさぬように追い立てる。
●四手をはなすということ。張り合う状態になったら、それまでの狙いを捨てて、別の手段、敵の意表をつく方法で勝て。
●うつらかすということ。気分は相手にもうつる。わが身も心もゆったりしてみせて敵を油断させて、すばやく勝つ。
●むかつかするということ。相手をむかむかと怒らせることは大切である。小次郎はこれにひっかかった?これは短気なわたしもすぐにひっかかってしまう。
●おびやかすということ。不意をついて相手をおびやかして相手に恐怖感をいだかせ、おびえた拍子につけこんで勝つ。小心者のわたしには、これでマイッタだ。
●うろめかすということ。敵にたしかな心を持たせないこと。敵にいろいろ迷わせ、敵がうろたえた気分になる拍子をとらえて勝つ。議論でも頭の悪いわたしは何の話をしているのかわけがわからなくなり、しばしば言い負かされてしまう。
まだまだあるのだけど、長くなるので省略。次は先手必勝の方法。
●枕をおさえるということ。相手に頭をあげさせない。相手に引き回され、後手になるのはよくない。相手が何か言おうとすれば、その「言う」の「い」の字で封じろ。こういう人はよくいるね。
●ひしぐということ。敵を弱くみなし、自分は強いと思って一気にふみつぶせ。気の弱いわたしにはとてもできない。

とにかく、武蔵は油断のならない人物。司馬遼太郎は、友達にはしたくない人物みたいなことをどこかで言っていたような気がするが同感。
それにしても、あんなに強かった武蔵が、相手の心の拍子をくずすことに一番心をくだいたのはおもしろい。強かったら、どんな敵でもかかってこい!だと思ったのだが。


伏見義民

2006-11-24 | 一揆
伏見義民のことがはじめて広く世に知られたのは、小室信介「東洋民権百家伝」(現在、岩波文庫)から。
小室信介は、「雨中の鑵子(かんす)」という実録物を要約して物語っている。話は、伏見奉行になった小堀政方の悪政に対して、3人の町人が江戸の寺社奉行に直訴し、小堀は改易、町人はお咎めなし(といっても、3人は病死)の町人側の勝利に終わる話。百姓一揆ではなくて、町人の政治闘争だ。天明5年の事件。詳しいことは、今度、「雨中の鑵子」というのを読んでから書いてみたいけど、今度、「民権百家伝」を読んで、直訴をした主役の文殊九助もさることながら、脇役や悪役側にも興味をおぼえた。

はじめて江戸に出て直訴しようとするとき、遠国の浪人で、虚無僧をしている中村靱負(ゆきえ)という男が、文筆も達者なので、同行しようと申し出る。一揆に味方する浪人、おお、珍しいではないか。1回目は、情報探索で伏見に戻り、2回目、いよいよ3人が直訴に出ようとするとき、この浪人も同行するはずが、今度はたくさんの金を要求、それなりの金をくれないと行けないという。金がなければ出発できないならば行かないでもいい、と町人は断ると、浪人は怒り、小堀に直訴のことをバラしてしまう。まったく不届きなヤツだ。

あとは、やはり、小堀政方の寵を一身に集めて、小堀に悪政に足を踏み入れさせる因となったといわれる側室お芳の方。(しかし、女性に原因があるわけがない)

江戸八丁堀の医師の娘で、江戸一の美人で、かつ一を聞いて十を知る才女。和歌連歌琴碁書画茶道香花ことごとく堪能。自由奔放で、親の意見などなんのその、いつも外出、飲酒、物見遊山、遊び放題。阪東米五郎という役者に一目ぼれして恋仲になる。
小堀政方は、駕籠の中からお芳さんを一目見るなり、心奪われ、側室にするが、ちゃっかり阪東米三郎も伏見に呼び寄せ、名前を変えて、侍にして交流を続ける。

直訴のあと、小堀政方は改易となり、お芳さんも門前払いとなるが、その後は、昔からの念願であった阪東米三郎とめでたく一緒になって暮らしたそうだ。おそるべき智謀の持ち主のお芳さん、まさかここまで読んで殿様に悪政をしかせたわけではなかろうが、わがままいっぱいにすき放題をして生きた女性。あの時代では毒婦と呼ばれるのだけど。

脇役だけど、はじめ3人は江戸で田沼家の祐筆千葉興七郎に依頼して訴えをしようとするが、千葉が仕える田沼は小堀家とは切っても切れない懇意な仲。そんな訴えを盛ってきたら即座に捕らえてもいいはずなのに、この武士は町人に同情して見逃している。千葉興三郎、いい武士だ。

というわけで、「伏見義民」の脇役をちょっと紹介してみました。
画像は、伏見義民碑。


風邪

2006-11-23 | 日記
せっかくの休日なのに、昨夕から何も食べないで、ずっと寝ていた。
風邪だ。
昨年から、入浴したあとは、足に水をあびせている。おかげで昨年は風邪をひかなかったと思ったが、だめだった。
昨日の朝、起きたとき、頭の髪の毛が爆発状態だったので、水で髪の毛をぬらして、なんとか治めて出勤したけど、そのせいかもしれない。
朝シャンする人は多いらしいけど、冬は、年寄りにはよくないな。
風邪をひくと、コーヒーもタバコもうまくない。
何をする気力もおきない。

教基法関連チエック(朝日)20日~26日

2006-11-21 | 新聞・テレビから
20日(月)・・・「与党、国会運営に自信。野党の出席求める」沖縄知事選に与党が勝ったことで、教育基本法成立に自信をもた、という政界の動き。
21日(火)・・・「野党、あす審議復帰」野党4党は、教育基本法の与党単独採決に抗議して審議拒否していたが、明日にも審議に参加する、という記事。
野党は、抗議するなら、手段は審議拒否だけではないだろう。なぜ街頭に出て世論に訴えない。選挙のときのように、街宣車を走らせ、駅頭に出て訴えない。
声の欄に「教育基本法」についての反対の声、3人をのせる。安部政権が発足して、声の欄に「教育基本法」反対の声をのせるのは、初めてではないのか。朝日も、可決したいま、やっとOKのサインがでたのか。
22日(水)・・・教育基本法今日、参院審議 3点セット攻防再開とか。攻防といえるような議論をする気があるのか?
23日(木)・・・焦点採録、昨日の審議を要約。
24日(金)・・・記述なし。ただ、夕刊の文化欄に駒込武という京都大学助教授が、京都市が市内全小学校の高学年に「ジュニア版京都検定」を無償配布したことを取り上げ、「教育の骨格壊す恐れ」と警告しているのが注目される。この一件の旗振り役は、「教育再生委員」となった門川大作(京都市教育長)。その「京都検定本」は企業広告が載り、スポンサーの意向を反映するような文もあるそうだ。これは、新聞記者が取り上げるべき問題だろう。この後、朝日はどう追求するのか?
25日(土)・・・記述なし。
26日(日)・・・記述なし。ネットのニュースで見ると、昨日、東京で教職員団体などが改悪反対の集会を開き3000人以上集まったそうだが、大阪の新聞には何もなし。

画像は、おりょうさんが入ったという寺田屋の風呂。

京都伏見

2006-11-19 | 日記
京都伏見の寺田屋に人を案内してでかけた。
前、見落としていたお龍さんが入ったという1階のお風呂も見た。小さい。一人しか入れないね。
寺田屋は、いつも見学者が絶えない。
ここで、薩摩藩士同士が激闘したわけだけど、狭くて想像ができない。刀なんか振り回せない。

伏見の酒月桂冠鳳麟を飲んでみたけど、うまいのかどうか味はわからない。
そばの桂川を十石船、三十石船が渡っていた。それぞれ大人1000円。おみやげに地酒のプレゼントがあるそうだけど、のらなかった。

わたしが行きたかったのは、近くの御香宮神社。ここは、鳥羽伏見の戦跡だけど、この神社に伏見義民の碑があるからだ。
表門を入った左にあった。でも、鉄柵があり、中には入れない。祠と円柱の石碑があった。石碑の碑文は、勝海舟が書いたものだ。
毎年、義民祭もしているそうだが、関係者の子孫だけで、関係者以外は参加できないそうだ。なぜ、鉄柵なんかする!

荘子と剣道

2006-11-13 | 読書
有名な古武道家甲野善紀も荘子が好きなようだ。
かれは、「剣の精神誌」といって、無住心剣術の研究ノートみたいな本を出している。たしか時代劇「雨あがる」の主人公も無住心剣術ではなかったか。

「無住心」。禅語だろう。いかにも荘子もいいそうな言葉。剣術の流派の名前には、「無」という言葉のつくのが多い。禅と荘子は兄弟みたいなもの。禅はしゃべらず、荘子は雄弁饒舌だけど。
江戸時代の剣の極意書である「猫の妙術」という作品も、荘子の思想にもとづく。

現代のスポーツ選手でも、ひそかに荘子を読んでいる人は案外と多いのではないか。試合でのプレッシャー、勝敗へのこだわり、失敗への恐れ、試合を決するのに、最後は、自分の精神状態だ。

実力はあるのに、自己にこだわって、ふだんの実力が出せず、自然な行動ができないことはよくある。試合だけでなく、実人生もだが。

ほんとに、自分にかまいすぎて失敗する、ということはよくある。相手が見えず、聞こえず、の状態になる。

武蔵が巌流島で、時間に遅れに遅れ、相手を怒らせる言葉を言ったのは、渾身をこめた兵法だった。小次郎は武蔵にたぶらかされ、平常心を失った。
わたしたちも、小次郎ではないか。小次郎は、武蔵のあの一言になぜ自分を失ったか。どうしたら、武蔵に勝てたのか。なかなか、むつかしいよな。

剣道は習いたかった。大学の体育の授業で剣道をとったけど、最初の授業で、女の子(経験者)にボカボカ頭を打たれ、あほくさくてその日にやめてしまった。


教基法関連チェック(朝日)13日~19日

2006-11-13 | 新聞・テレビから
13日(月)・・・記事なし。朝刊は休刊日。
14日(火)・・・与党 強行採決辞さぬ構え、週内に衆院通過方針(朝刊)
15日(水)・・・(朝刊)民主一転徹底抗戦へ(夕刊)与党、採決強行の構えの構え、の記事。テレビで強行採決したとの報道。最近、連続してトップは和歌山知事の談合事件ばかりだが、いくらなんでも明日は、教基法をトップニュースにするだろう。社説にどう書くかな。
16日(木)・・・(朝刊)トップは和歌山知事逮捕。この記事が1面の半分を占め、残りは、教基法改正案が衆院委で可決と津波の記事。社会面も、和歌山知事の記事が半分を占め、教基法の記事はそこにはなし。3面に教育基本法改正をめぐる政界の動きと社説{この採決は禍根を残す」という前回に出たのと同じ内容のもの。緊急提言として、教基法改正について3人の識者の意見(反対)をのせているが、こんな時に載せるなよ(もっと早くからなぜたくさんの識者の意見を聞かなかったか)、といいたい。おそらく、今日で、教基法の話は終わりにしたいにちがいない。
(夕刊)やっとトップ。改正案が衆院を通過の記事。ここで報じるだけ、他には、どこにも関連記事はなし。今日の社説を書いた人は前回(改正案はやはり疑問だ)を書いた人と同じだと思うが、禍根を残すといいつつ、明確に抗議する気もないらしい。ところどころ、やむをえないという論調ものぞかせている。例をあげよう。
「国会は多数決が原則とはいえ、与党だけで決めるのは、ふさわしくない」。多数決だからしかたがないにも聞こえる。「改正案の審議は、先の通常国会に提出されてから、延べ100時間を越えた」。十分な審議時間は尽くした、に聞こえる。「教育基本法は、人間なら還暦にあたる歳月。社会の変化を反映される必要を感じている人は少なくない」。古いから変えててもいいに聞こえる。しかも、アンケートでそんなこと調べたか?「愛国心を教えるよう法律で定めることに疑問を抱く人の中にも、公共の精神や伝統を盛り込むべきだと考える人がいるだろう」。これは、前回も出ていた。公共心を教えることには、賛成だ、の意見だが、そんな人、どこにいる。これも勝手な捏造ではないのか。「議論が深まらなかった責任は、民主党にもある」。おいおい、民主党は、もともと教基法改正の立場だ。民主党の責任にするな。こういう社説子こそ、孔子のいう郷原そのものだ。
夜のNHKのニュースを見たが、「教育基本法改正案可決」の報道はなかった。安部首相が最重要課題とした政治課題だぞ。もう報道しないの!!
17日(金)・・・2面の時時刻刻に、教育基本法をめぐっての与党野党の動き、思惑を。政界の動きを追ってもらっても、関係者以外は興味ない。社会面に、教育長に教育基本法のアンケートの記事。なんで、今頃出すのだ?アンケートなら、現場の全教職員、無理なら校長にとったら、どうだい?
「大学教職員ら3団体が抗議」の小さな記事。抗議行動を報道記事にしたのは、はじめてではないか?(可決したあとだけど)。今までも、あちこちで、抗議行動はあったはず。今までなんら報道しなかったわけを言え。
18日(土)・・・「民主、対立鮮明化狙う 週明け審議復帰も探る」民主党の動きを報じるだけ。
19日(日)・・・記述なし。

西部劇「真昼の決闘」

2006-11-12 | 映画・テレビ
500円DVDの「真昼の決闘」を買って見た。
今まで何回も見たことはあるが、これは買っておきたいと思った西部劇だ。

若いグレース・ケリーと結婚式をあげ、保安官をやめて旅立とうとする老いたゲーリー・クーパー。そこへ、かって逮捕した凶悪な無法者が釈放になり、しかえしに町に帰ってくるという知らせ。無法者が駅につくのは、昼の12時。あと、1時間と少しだ。映画の時間と実際の時間は同じようにすすむ(時計ではかってみたけど、映画の方が10分ほど早かった気がしたが)。

ゲーリー・クーパー(老保安官)は、町の人に応援を求めるが、保安官助手も長年の友人も、町の人々もだれも助けようとしない。新妻にも反対されて、旅立たれてしまう。孤立無援のクーパーは、4人の無法者にむかってたった一人で立ち向かう。
ゲーリー・クーパーが、酒場や教会、友人の家など、助けを求めに汗をかきながら町を歩き回る姿がいい。わたしだったら、町の人たちの冷たさをなじり、怒り、大興奮だろうが、ゲーリー・クーパーは感情をおさえ、淡々と演じる。一人になってもたたかわなければならない男の後ろ姿。全編に流れる「ハイ・ヌーン」の歌声が最高。それぞれの場で一人でたたかわなければならない男性にはきっと涙だ。これは、いい西部劇だ。冒頭に出てくる無法者の手下リー・バン・クリーフもいい。

教基法関連チェック(朝日)6日~12日

2006-11-06 | 新聞・テレビから
6日(月)・・・朝刊・・5日にNHKの討論番組で、二階堂氏が早期採決を示唆の記事。夕刊・・基本法、与党は10日には採決したいと提案したの記事。ともに、2行ほどの目立たない小さなスペース。朝日にとっては、そういう扱いなのだ。
夕刊、今日から「わたしの教育再生」というコナーが作られた。各界の識者の意見を聞くそうだ。なんで、今頃だ!今週、基本法、採決かもの記事も出てるのに。「わたしの教育基本法」ではなくて、「わたしの教育再生」という題名が示しているように、基本法の改正はもうどうでもいいようだ。
1回目の今日は、立花隆。「そもそも今なぜ教育再生がこのような形で政治問題化しつつあるのか。衆院に上程されている「教育基本法改正」が「やっぱり必要だ」という空気を作りたいとしかいいようがない」と語る。朝日のこのコーナーもそういうものだ。立花は、もちろん基本法の改正には反対で、「国家主義者安部首相は、再び教育を国家への奉仕者に変えようとしている」と断固反対している。にもかわかわず、見出しは、「国家主義の傾向懸念」だ。立花は懸念などしていない。国家主義だとはっきりいっているじゃないか。
7日(火)・・・朝刊トップに教育基本法来週可決への記事。教基法関連がトップ記事になったのは、安部政権発足以来初めて。国会もなんら審議していないが、朝日もとうとう検討しなかった。代わりにときどき載るのが今年の新企画「新戦略を求めて」。編集委員がお勉強して出した優等生的レポート報告。これは朝日の大失敗企画。紙面を無駄にするな。もういいかえげんにしてくれよ、といいたい。
来週、教基法が可決されたらまたトップか。そして、社説は、懸念を表明し、慎重な運営をのぞむ、か?
8日(水)・・・記述なし。
9日(木)・・・社説にタウンミーティングのやらせ質問について「民意をなめるな」。「やらせ」を頼んだ文科省、引きうけた地元の教委。そんな人たちが法改正をすすめたり、後押ししたりしていると思うとなんとも暗い気持ちになる、と、結ぶ。どうもポーズにしか聞こえない。ほんとにそう思うなら、この問題についてもっと追求し、責任をとらせたらどうだ。政府に謝ってもらっただけで終わりにするつもりではないか。「いま、国会は教育基本法の改正論議が大詰めを迎えている」と書くが、その論議は何も報じていないではないか。昨日の党首討論でも核論議だけで、教育基本法についての議論はのせない。昨日も4都市で教育基本法の地方公聴会があった、というだけで、その内容は少しも報じない。「やらせ」も「わざと報じない」のも民意をなめていることでは同じだ。
10日(金)・・・教育改革タウンミーティング 文科省やらせ主導の記事。
         教育基本法改正案 民主15日採決拒否の記事。
11日(土)・・・「文科省、責任のがれに躍起。必修漏れにやらせ質問、基本法への影響懸念」の記事
12日(日)・・・記述なし。

映画「三池 終わらない炭鉱(やま)の物語」

2006-11-05 | 映画・テレビ
昨日、十三の大阪第七芸術劇場に熊谷博子監督のドキュメンタリー映画「三池 終わらなない物語」を見に行ってきた。

初期の囚人労働、強制労働、戦後の労働争議、炭鉱事故など三池の歴史を証言者のインタビューでつなげたものだが、期待が大きすぎたためか、どれもつっこみが足りず、ものたりない。大牟田市の企画で、地方公共団体の製作という制約はまぬがれなかったのだろう。協力に三井の名前もあった。しかし、中川雅子の「見知らぬ町」などを思い出しながら、見た。「三池」を知らない人は見に来ないだろうし、「三池」を知っている人には不満が残るだろう。観客は年配者が多かった。

憲法交付60年(朝日社説)

2006-11-03 | 新聞・テレビから
11月3日、今日は憲法交付60年目。
読売、毎日、日経、サンケイとも、「憲法改正」の社説を掲げる(ネットで見た)。読売、日経、サンケイは、当然、憲法改正を早く推進しろの社説。毎日は、憲法論議が下火になっていることをあげ、首相は、改正が必要ならまず正面から国民に語り、理解を求めるのが先決だととき、他紙と違う。さて、朝日は?

憲法については、なしだ。5月3日の憲法記念日にも社説はなかった。周囲の様子を見て、明日にもまた論点をずらして出すのだろうか。

今日は、憲法改正に代わり、高校の未履修をとりあげ、「高校で何を教えるか」を社説にしている。内容は、指導要領と高校教育の現実が乖離しているので、指導要領も、高校の現実にあわせ、必修科目も減らしたらどうか、要するに、受験予備校化している高校の現実に合わせよ、に聞こえる。この問題については、まだ毎日新聞の社説のが正論だ。毎日は、「大学入試を大胆に見直せ、大学入試改革に本腰を入れよ」といっている。問題はそこだろう。

朝日の「教育基本法改革」についての記事はもうひと月くらい追っているが、記事にしたくないという姿勢が見え見え。各地では、基本法改悪の反対集会などの動きもあるはずだが、一切報道しない。国会審議の詳報もしない。核問題やいじめ、拉致など、ほかのニュースがあればとびつき、「教育基本法」の問題をなんとか国民の目からふさごうとしている感じ。

最近、朝日の企業の全面広告がとてもふえているように思う。スポーツや株、産業、経済なども興味ない。外交や、国の安全対策について、「上の人たち」(政治家や役人の専門人)の意味のないわけのわからぬ議論をくりかえし特集しているが、これもいらないページだ。めくるのが大変だ。広告費用はふえているはずだから、もっと値下げせよ。

これは、もう国民の新聞ではなくなってるぞ。

怒る高校生はいないのか?

2006-11-01 | 新聞・テレビから
高校の必修履修漏れ。
高校生はどう思っているのだろう。生徒は被害者、生徒に責任はないと救済策を出す大人たち。
こんな高校生はいないのか。
1、補修を断然拒否する。学校のカリキュラムに従って学んできた。予定外のことはしない。卒業できないのは、学校の責任。卒業できなければ、それでよい。もう1回高校3年をやるまでだ。全員学校に居残ってやる。

2、50回や70回のいいかげんな補修は拒否する。履修しなければならいのだったら、ちゃんと責任をもって、専門家による授業をしろ。英語や数学を減らして世界史の授業をしろ。

3、どちらにせよ、学校に損害賠償を求める。

たぶん、わたしが高校生だったら、たぶん、落第か追放処分をうけそうだと思うから、「みんな、いっしょに、落第しようぜ」と訴えるかも。

かつて大学紛争があって、1年間、ほとんど授業がなかった年があった。しかし、2月ころ、テストだけはやる、という。おかしい。授業もろくにしないのに、テストとはなんだ。敢然と全科目テストを拒否した。(実際は学校にまったく顔を出していなかったので、テストに合格する自信がなかったのかも。あとで聞くと、ただ受けさえすれば、単位をくれたそうだ。要領が悪い。しかし、やっぱりテストを受けるのはおかしいと思った。テスト拒否という運動はまったくなかったけど)。おかげで1年留年した(留年は1年だけではすまなかったけど)

話を戻す。高校3年生といったら、大人だ。履修漏れの高校生も、そうでない高校生も大人たちに対して立ち上がれー。      ムリか。

朝ズバ

2006-11-01 | 映画・テレビ
車で通勤する途中、テレビの朝ズバが流れていた。彦根の市長が、飲酒運転でひっかかっても、役所に届ける必要はない。なんだったか忘れたけど、憲法には、個人のいいたくないことはいわないでいる権利がある、役所は警察ではない、だったか。飲酒運転撲滅キャンペーンが一世を風靡している中で、なかなか骨のあるしっかりした市長だな、と思った。みんなの声ということで、あれよあれよといろんなことがどんどん押し進められていく中で、憲法の権利までがないがしろにされることに危惧を覚え、一石を投じたのだろう。
みのもんた、「なんだ、この市長は?」(バカじゃないの、けしからん、という口調)、同席するコメンテーターという「識者さんたち」もそうだ、そうだ、とみのに同調。とんでもないことだ、という。みのもんたは、「この市長を選んだ人々の問題だね」とまでいう。こういう偏見報道番組というか、がふえたね。

タレント、お笑い芸能人、テレビ業界人は、最も恐るべきプロパガンダとして積極的に利用されている。