近くの図書館に白土三平を借りにいったが、カムイ伝も忍者武芸帳も置いていなかった。あったのは、この「赤目」だけ。50年前の作品だ。
カムイ伝に出てくるカムイの師匠である赤目はとてもかっこいい忍者だけど、この「赤目」はウサギのこと。暴虐な領主に妻を殺された男が気の長い作戦で一揆を成功させ、復讐する話。男は、宗教の力を利用して領内にウサギを大量発生させ(農民がウサギを殺さなくなる)、動物連鎖でウサギの天敵である山猫も領内に多数出現して被害が大きくなる。領主は山猫狩りを農民に命じ、農民に武器を渡す。その武器で一揆を成功させる。
かつてカムイ伝は階級闘争史観で描かれ、それで当時の学生に読まれた、などともいわれたけど、当時の読者はそんな気持ちで読んだのではない。まず、なんといっても、その絵のうまさ、忍者や剣客の闘いのシーンのスピード感、躍動感だ。文句なくうまい。男の子なら、チャンバラが好きな男の子ならみな喜んだはずだ。
首が飛んだり、胴体が二つになったりの残酷シーンは小学生向きではないかもしれないけど、しかし、当時としては新鮮で衝撃的だった。全体のストーリーの中に、権力者への怒り、弱者へのヒューマンな思いが流れているので、残酷さは救われた。
読むのは何十年ぶり。マンガのところどころで、作者の説明があるのも、ちょっと司馬遼太郎の「余談」みたいな感じで、いかにももっともらしく思わせる。「サスケ」などでは忍法について解説していて、小学生だった私は実際にそれをまねしようとした。
この「赤目」の一揆はもちろん荒唐無稽な創作で、ありうる話ではないけど、作者はあとがきで、「宝暦4年有馬領200カ村20余万人が周到な組織と計画をもって、猪狩りを名目として、鉄砲1万八千、槍六万本を藩から借り、17万石の兵糧を集めて勝利した例もある」と書いている。
こんな一揆は聞いたことがない。これも三平一流の創作の説明だろうか?。
それにしても、このマンガの表紙の顔のすごさよ(笑)。
カムイ伝に出てくるカムイの師匠である赤目はとてもかっこいい忍者だけど、この「赤目」はウサギのこと。暴虐な領主に妻を殺された男が気の長い作戦で一揆を成功させ、復讐する話。男は、宗教の力を利用して領内にウサギを大量発生させ(農民がウサギを殺さなくなる)、動物連鎖でウサギの天敵である山猫も領内に多数出現して被害が大きくなる。領主は山猫狩りを農民に命じ、農民に武器を渡す。その武器で一揆を成功させる。
かつてカムイ伝は階級闘争史観で描かれ、それで当時の学生に読まれた、などともいわれたけど、当時の読者はそんな気持ちで読んだのではない。まず、なんといっても、その絵のうまさ、忍者や剣客の闘いのシーンのスピード感、躍動感だ。文句なくうまい。男の子なら、チャンバラが好きな男の子ならみな喜んだはずだ。
首が飛んだり、胴体が二つになったりの残酷シーンは小学生向きではないかもしれないけど、しかし、当時としては新鮮で衝撃的だった。全体のストーリーの中に、権力者への怒り、弱者へのヒューマンな思いが流れているので、残酷さは救われた。
読むのは何十年ぶり。マンガのところどころで、作者の説明があるのも、ちょっと司馬遼太郎の「余談」みたいな感じで、いかにももっともらしく思わせる。「サスケ」などでは忍法について解説していて、小学生だった私は実際にそれをまねしようとした。
この「赤目」の一揆はもちろん荒唐無稽な創作で、ありうる話ではないけど、作者はあとがきで、「宝暦4年有馬領200カ村20余万人が周到な組織と計画をもって、猪狩りを名目として、鉄砲1万八千、槍六万本を藩から借り、17万石の兵糧を集めて勝利した例もある」と書いている。
こんな一揆は聞いたことがない。これも三平一流の創作の説明だろうか?。
それにしても、このマンガの表紙の顔のすごさよ(笑)。